神山は電話を切るとフェアレディーZを買った時来た部長へ電話をした
先方が事故かと思っていたので 2500Km走ったのでオイル交換や
隅々を見て欲しいとお願いすると新橋の営業所が点検作業をしているので
そこで点検するよう言われた
神山はすぐに新橋の営業所へ乗り入れると作業員が部長から聞いていて
「いらっしゃいませ 神山様 只今部長から連絡がありました
それで オイル交換と点検で宜しいですね」
「ええ 気が付いた所は直してください」
「はい 畏まりました それではどうぞ部屋の椅子でお待ちください」
神山は
「邪魔にならなければ見ていて良いかな 初めてだから」
「どうぞ ごらん下さい」
作業員はエンジンが充分温まっていなかったので少しアイドリングで温めた
車の下に平たいオイル受けを置いて栓を抜くと黒くなったオイルが
出てきて作業員が
「神山様 かなり回しましたね」
「ええ 先日の中央道で240Kmを出しました 気分が良かったですよ」
「えっそんな 出ますが程ほどにお願いしますね この車は出せば出すほど
安定感が生まれますからね」
オイルが全部綺麗に出し終わると洗浄オイルを入れてキーを回し
アイドリングで2,3分エンジンを回した
栓を取ると先程と違って綺麗な琥珀色のオイルが出てきた
「もう大丈夫ですよ オイルはどうしますか 今までより高粘度の
オイルを入れますか 多少エンジンのもちが違ってきますが」
「うん スピードを出すから 高粘度の方がいいのかな」
「ええ 一概には言えませんが 多少違ってきます」
神山は高粘度のエンジンオイルを入れてもらい後点検しても異常は無かった
「神山様 ご請求は鈴や様で宜しいですか」
「いや 僕が現金で支払いをします」
神山は現金で清算して車をホテルの地下駐車場に止めると部屋に戻った
留守電やFAXが無いのを確認して次長席に座ると集中して仕事をこなした
御殿場アウトレットのアレックスジャパンブース、鈴や食品ブース
この二つを地下で繋ぐデザインをどんどん書きたたき台を作った
さすがにお昼になるとお腹がすいてきて催事課の杉田に電話をした
「先輩 こんにちわ」
「やあ どうだいお昼は」
「行きますよ ごちです」
「わかった 部屋の外に居る」
「了解です」
神山が傘を持って部屋を出ると杉田と屋敷も出てきた
「先輩 テツもいいでしょ」
「翔 誘っておいてそれはないだろ 考えろ」
「すみません テツOKだ 挨拶しろ」
「神山次長 ありがとうございます」
「まあ 何を食べようか」
「僕は美味しければ何でも なあテツ」
「はい でも寿司が良いです」
「テツ 少し控えろ 考えろって」
「わかった では築地に行こう」
3人はタクシーで銀座築地 寿司屋いせ丸に行った
女将がニコニコして
「いらっしゃいませ 神山様 どうぞこちらへ」
奥の座敷を案内されると神山は女将に
「若いのが2匹居るので残り物で良いのでどんどん持ってきて下さい」
女将は笑いを手で口を隠し
「はい 畏まりました えさを充分用意させて頂きます」
女将は堪えきれずに下を向いて笑ってしまった
神山も餌とはよく言ったものだと思い笑ってしまった
「それと ビールもよく呑むからバケツで持ってきて」
女将は笑いが止らずに
「はい 養豚屋さんが使う大きいのが有りますからそれに入れてきます」
もう神山と女将は笑い涙が出てきて神山が二人に
「おい 二人とも 豚になったぞ ぶぅーぶぅーって」
杉田と屋敷は最初は何を言っているのか分らなかったが
「もう 先輩 豚でも何でも良いですから おなかがぺこぺこです」
女将が笑いながら
「若いって良いわね 待っていてね今 餌を充分持ってきますからね」
神山と女将は又笑って 女将が襖を閉めて出て行くとすぐに
ビールとおつまみの鮮魚の盛り合わせが山盛りで来た
これには杉田や屋敷も驚いて
「ふぁ~ 凄い量ですね ねえ先輩」
「うん 女将が気を使ってくれたんだ 帰りにお礼を言いなさい では乾杯」
「はい 分りました 乾杯」
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