2011年11月22日火曜日

Vol.500 薔薇 -8-33



アレックスJrにしても 東都食品にしても みんな貴方が
戦って負かしてきた相手ですもん 私 戦わなくて良かったわ」
「また ぼくはいつも洋子に負けているよ」
「そんな」
「時田さんが 寂しがっていたよ この頃部屋に来ないからって」
「でもね 用事を作らないといけないしね そんなねえ」 
「で 上手くいっているのかって だから上手く行き過ぎていますよって」
「それで」
「うん 喜んでいたよ そうか うん そうかって まあ嘘でもないし
ある部分困るしな~」
「私は 良いわよ 貴方次第だから ぜんぜん気にしていないから」
「もう 苛めないでくれ 今日はどうしたの」
「いえ 全然 普通よ」
二人はボトルワインを頼んでピザとパスタを平らげた
「あ~ 食べた 洋子と食べると美味しいや」
「また ほんと」
「うん ほんとだよ あと亜矢子さんの時もそうだけどね」
「やっぱりね、、、でも亜矢子さん凄いわね 私も自分だったら
怖くて買わないわよ」
「うん 僕も怖くなってきたよ だってゴルフでも上手く行ったでしょ
ほんと 信じられないよ」
「ねえ 今日は赤パン?」
「ううん 違うよ」
「そうしたら縁起を担いで 赤パンを買いにいこう」

洋子は神山の手をひっぱって他のデパートのランジェリー売場に行った
神山は大勢いる女性客に混じって洋子と一緒に売場を歩いた
「あったわよ これって この間 熱海で買ったのと同じよ」
そう言い 5枚も買って
「どうするの こんなに買って」
「良いじゃない 部屋が3箇所あるわけだから2枚ずつでもおいて置けば」
「まあ わかった ありがとうございます では試着をしましょうかね」
「もう ば~か なに言っているの ほんと」
洋子が清算を済ませて次長室へ戻る時に神山が
「酒売場でワインを買おう ステーキには欠かせないしね」
「そうね そうしたらニンニクとブラックペッパー お塩ね」
神山と洋子は地下の食品売場で3時の準備をした
ワインはどんな肉が用意されるか分らないので
ライトボディーとミディアムボディーを神山と洋子は何種類か試飲して
5本ずつ買って次長室へ戻った
神山は早速ワインを冷蔵庫に入れて冷やした 全部で8万円ほど掛かった

暫く先程のスケッチをPCで画像処理していると洋子が
「只今 黒江様がお見えになられました」
そう言い次長室のドアを開けると3人がスーツ姿で入ってきた
神山がソファーを勧め洋子がお茶を用意した
「黒江さん いらっしゃいませ」
「ありがとうございます 神山様」
「さて 早速本題ですが この絵を見て頂きたいのです」
神山は60インチのモニターに御殿場アウトレット 鈴や食品の
ブースをスケッチした画像を説明しながら見せていった 
黒江は説明を聞いている時は嬉しそうだったが終ると
「しかし 神山様 どうでしょうか 予算は?」
「ええ 1億は掛かりますね」
「へぇ~1億ですか 無いですよ そんなに」
「ええ お金はこれからです この案の概略は社長の時田さんは
ご存知で賛成をして頂いていますよ まあこれはあくまでたたき台です」
「神山さま ご存知だと思われますが 当社は従業員を相手にしている
会社です ですからこの様なブースまでは如何と感じています」
「分りました 兎にも角にもお金は抜きにして如何ですか 
方向性を尋ねているのです
例えば テナントを募っても良いと思われますが どうでしょう
何のために出店をしたか分りませんよね そこでどのようにされたいか
お聞きしているんです」
「ええ 先程も申し上げましたように何しろ神山様に任せておきなさいと
指示でしたので 何も考えていません」
「そうですか では 私の案は先程説明した通りですが 何かご提案が
有りましたら ご連絡を下さい」
黒江が
「申し遅れました こちらがコック長の多田美智雄で若い方が
調理師の東条忠徳です 二人とも肉料理は得意と聞きましたので
ここに来てもらいました」
早速コック長の多田が
「神山様のご提案は素晴らしく私も老若男女に喜んで頂けると




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