「まあ こんなにいい車だから成せる技でしょう 普通の車だったら
こんな芸当は出来ないよ」
「そうね いい車ね 選んで良かったわね」
「洋子ね いいずらいんだけど 13日の昼から熱海に行く」
「亜矢子さん? 良いわよ別に気にしなくて でいつ帰ってきますか」
「15日金曜日の午後だよ」
「そうしたら 私は13日の午後からお休みでいいの?」
「うん 休んでくれ」
「ふぁ~嬉しいな 母親孝行しようっと 旅行に連れて行こう」
「そうだね 箱根辺りでゆっくり温泉もいいでしょ」
「うん でも女の子だから 温泉は無理ね でも考えてみるわ」
「16日の土曜日から出勤してください
明日とあさってで東都食品と話をします
少しハードになるけどお願いします 頼んだよ」
「は~い 分りました」
「本当はもう少し後が良いけど 少し探る意味で話してみる
例の多田さんと東条君の事は伏せて欲しい いいね」
「はい 分りました 本当は武者修行が終ってからが良いんでしょ」
「うん でも時間が足りないんだ それだと」
「そうしたら明日は東都食品の田宮副社長に連絡を入れます」
「うん そうしてください」
洋子は自分の引出しから200万円を持ってきて
「これ先日のアルタから頂いた自由費です」
「そうか 雨のなかありがとう では預かりますね」
神山は洋子から預かると自分の引き出しに入れて
「今日のホテルの20万円は自分で貰いなさい」
「えっいいの?」
「うん 大丈夫だよ だって1億はあるし使い切れないよ」
「は~い 分りました 頂きます」
「洋子さ こんど軽い登山用の靴を買おう 今日の靴だと足元が危ないや」
「ええ 明日買いましょうよ」
「うん 車に積んで置けば何時でもつかえるしね」
「駄目よ 臭くなるわ ここに置いておかないと もう嫌よ 臭い車って」
二人は一息ついて神山が
「さあ 帰ろう 夕飯はどうする」
「ええ 食べたいけど そうすると又一緒に居たくなるから帰るわね」
「そうか わかったよ では帰ろう」
次長室を出てタクシーを拾うと神山は洋子の代々木の実家に立ち寄って
タクシーを下りるとニコニコして
「ありがとうございます では明日」
「うん 頼んだよ」
神山はそのまま上原で下りての駅前寿司に立ち寄った
19時を少し過ぎていたが由貴の携帯電話に電話をすると
「はい 浜野です こんばんわ」
「よう 今 駅前寿司に居るけど来る?」
「へぇ~いいんですか 行っても」
「うん 一人じゃあ飯が不味いからね」
「は~い 分りました すぐに行きます」
女将がビールと鮮魚の盛り合わせを持ってきたので
「もう一人来るから 何かつまみをください」
「そうしたら 天ぷらと照り焼きでいいかしら」
「お願いします」
神山がグラスにビールを注いでいると由貴がニコニコして
「お疲れ様です」
「よう 元気だね」
「ええ 売上も順調ですし 嬉しいですよ 神山さんから誘われたら」
女将がビールを持ってきて
「そうよね私も誘って頂けないかしら なんてね 良いわね誘ってもらって」
由貴は更にニコニコして
「大丈夫よ そのうちに誘ってくれますよ ねえ神山さん」
「おいおい 僕の都合じゃなくて女将の都合があるだろう こら」
3人は大笑いしていると板場から大将が
「こら 油売っていないでこれ頼むよ 神山さんのを」
女将は二人に笑ってつまみを持って来てくれた
「神山さん これありがとうございます 皆が誉めてくれました」
「そうか 良かったね しかしよく似合っているよ」
由貴は神山を見ていると目が潤んできて
「本当にありがとうございます 幸せです」
「おいおい 嬉しいのに泣くなよ」
神山はどうしたら良いか困っていると女将が
「よほど嬉しかったんですよ 良くお似合いですよ」
由貴は半分泣きながら
「ええ 誕生日のプレゼントって成人してから初めてだったんです
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