2011年12月3日土曜日

Vol.511 ゆり -1-34



5分くらい早く閉めたんです 私が早く来ました」
「さてと 美味しい中華でも良いかな」
「ええ 大好きです」
神山はカフェを出ると直ぐにタクシーが来たので渋谷へ向った
ホテルの地下にある中華料理店に入るとウエイトレスが
席まで案内してくれた
平日の夜だったが時間が丁度夕食時だったので結構混んでいた
神山はウエイトレスに単品の食べ物数点とビールを注文した
ビールは直ぐに運ばれてきて神山が 
「では 1ヶ月ぶりの再会に乾杯」
浜野と神山はジョッキをカチンと合わせて乾杯をした
「そうですか もう一ヶ月経つんですね 早いですね」
「うん あっと言う間だったね」
「神山次長とお会いした時は課長さんでしたよね」
「うん それから1週間で部長 20日で次長さ 
自分でもびっくりだよ」
「いいわ~ そんなにお金が一杯入ると」
「うん そう思うだろう しかし上になると出費が多くなるよ
先日も催事課の慰労会をしたときも自腹だよ」
「へぇ~ そうですか そうかそう言う仕組みならこのままが
良いかもしれませんね」
浜野はくすっと笑いながら神山を見た
今夜の浜野は白いブラウスに淡いピンクの2ピース姿だった
胸が綺麗な形をしているのだろうブラウスのボタンがはじけそうだった
神山が見ていたからではないだろうがナプキンを首から下げた
丁度 餃子やシュウマイなどが来て たれのはねを考えていた
神山も浜野と同じ様に首からナプキンを掛けた
浜野が
「次長 私 招輿酒を頂いて宜しいですか」
神山は自分も呑みたかったので招輿酒を注文し
楽しく話をしていると
「次長と久保チーフって同じマンションでしょ」
「さあ 知らないよ なんで?」
「だって マンションから手を繋いで仲良く そう新婚さんみたいに
出てきたって お客さんが言っていましたよ」
「へぇ~ それは光栄だ 久保さんが相手にしてくれないよ
それに名古屋のご実家は大変格式が高いと聞いたよ
僕なんか全然当てはまらないな」
「そうですか それなら良かった だってチーフに先を越されたって
みんな言っているんですよ」
「ははは ありがとう」
招輿酒や単品の品が運ばれると浜野は取り皿に分けてくれて
「どうぞ」
と優しい一面を見せた
神山は浜野のグラスを見ると招輿酒が減っているので少し注ぐと
「あ~ 美味しいわ 私 日本酒よりこちらの方が好きかも知れません」
そう言い楽しく呑んだり食べたりした
浜野の瞳が段々と潤んで来ているのが分ったが誘わなかった
「お話を聞いていると ますます好きになりました
ふぁ~ このままぎゅっと抱きしめて欲しいわ」
神山は少し酔ってきた浜野を
「おいおい 本気になるから辞めなさい」
「だって ほんとうですよ いいですよ本気になっても」
神山はこれ以上その話題を話さないようしたが
「私 昨日お誕生日だったんです」
「おう おめでとうございます で幾つになったの」
「ええ 28です」
「うん 今が一番楽しい時だね それに美しいよ」
「駄目ですよ おせいじを言っても もう
一人寂しく自分でお祝いをしましたよ」
「ご両親は」
「ええ 母はもう亡くなって父が後妻と横浜にいます」
「そうか 浜野君は横浜か」
「ええ 大学の時に近くの寮に住んでいて、、、それで帰り辛くて
ずーっと一人で東京に住んでいますよ」
「そうか ごめんね 辛い事を聞いて」
「ええ もう忘れましたから大丈夫ですよ」
神山は浜野が泣きそうになっていたので
「よし 僕が一日遅れだが プレゼントをするよ」
浜野は涙顔で神山を見て
「本当ですか 良いんですか私なんかに」
「うん お誕生日だろ わかったよ」
神山は現金を100万円持っていたので多分大丈夫だろうと思った
「さあ そろそろ食べ終わったね 最後に美味しいラーメンを




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