「本当? 困るわね おじ様はなんと言われたの」
「うん お金が無い様子だったな 困ったな良いアイディアが無いかな」
神山が悩んでいるので洋子は何も口出しできなかった
タバコを吹かしてはコーヒーを飲んでまたタバコを吹かしていた
神山ははっと思いついて御殿場アウトレットプロジェクトの
リーダー 竹内 直人に電話をした
「先日はお忙しい所ありがとうございます」
「いえいえ 神山様こそ大変でしょう」
「ええ ひとつお伺いしたいんですが 例えば地下を作ることは
認めていますか」
「ええ 基本的には認めていないんですが 集客など特別な事情が
ある場合は許可をしようと決定しています
ただこれもデザインや理由書がしっかりしていないと
このプロジェクトは認めませんよ しかし神山さんなら大丈夫ですよ
きっと良いデザインでしょうから」
「それと 地上4階建てと言うのは如何でしょうか」
「随分と大きいですね 先日お話をさせて頂いた平屋が基本です
しかしこれも多分神山様からご提案があるだろうと考え
先程の条件を満たしていればOKです」
「ありがとうございます 助かります 最後にブースと
ブースを地下で結んで行き来できるようにはしても構いませんか」
「ええ それも条件を満たす事と あとはブースの会社が
納得されるかですよね」
「ええ」
「しかし 大きいですね 神山さんの発想はすごい」
「ありがとうございます すみません 駐車場の
設計管理もそちらで行っているんでしょうか」
「ええ そうですが」
「実は 駐車場に洗車場を作りたいんですよ」
「はあ」
「普通のガソリンスタンドにある洗車機ではなくて 考えているんです」
「ええ ガソリンスタンドは考えていなかったですね」
「ガソリンスタンドを誘致して頂いても結構ですが洗車機は是非
私に仕事をさせてください」
「分りました 良いアイディアを頂きましたので洗車機については
神山様にお願いします」
「ありがとうございます 済みませんでした 色々と」
「いえ こちらこそ さっそくガソリンスタンドの誘致活動を進めます」
神山は電話を切ると洋子に
「なんか明るくなってきたぞ」
「ええ 良かったわ 具体的にはどうするの」
「うん アレックスジャパンブースと鈴や食品ブースを地下で
結ぶ 地下にはファーストフードを入れる 休憩所も作る」
「でも アレックスジャパンがうんと言うかしら」
「うん そこを何とかしないといけないね まあこれからだ
まずはこれからの東都食品がどれだけお金が捻出出来るかだね」
「そうね おじ様はあまり出したくないのでしょ」
「そうだね 困ったもんだ」
神山は次長席に戻って考えついたプランをどんどんとスケッチを書いた
洋子は神山が熱中している時の姿が頼もしく思え頑張ってと祈った
何案か書いていると東都食品の副社長 田宮浩司と
秘書の田宮里香が訪れた 神山は
「連絡が遅くなって申し訳ございません」
神山は二人をソファーに案内し洋子はお茶を用意した
「神山様 こちらこそご挨拶をしないで申し訳ございませんでした
実は加工部門の見直しに時間がかかりました 申し訳ございません」
神山は早速 御殿場アウトレットの構想を話をした
アレックスジャパンの件 ニーナ・ニーナの件 鈴や食品のブースと
そこで 東都食品は御殿場アウトレットに出店が出来ないが
鈴や食品の傘下で参加する事ならOKと話を進めてきた事などを
掻い摘んで説明をした
「ええ 御殿場アウトレットに参加しなかったのはメリットが
無かったからです 食材の仕入れ 加工 販売 何をとっても
お客様に喜ばれる物は何も無いんですよ それで出店をやめました」
田宮は当たり前の考えを神山に言った
「しかし 田宮さん その評判の良い加工技術を御殿場アウトレットに
きた人が見たら 安全衛生からして販路が伸びるでしょう」
神山は関東エリアの各県別の販売個数を纏めた資料を田宮に見せて
「現状ですよ これが 一番は東京 千葉 埼玉 神奈川 と
この4都道府県で出荷の80%を占めている訳です
しかし御殿場アウトレットは日本全国から色々な人が来ますよ
そこでここに現状の工場ではない工房を作って全国発信をするのです」
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