「買い替えのお金は大丈夫ですか?」
「ええ 大丈夫です 明日お休みなので変えます」
「うん そうか でも早いほうがいい 今夜空いている?」
「ありがとうございます 大丈夫ですよ」
「うん そうしたら シブヤ ハイアット ホテルの最上階に
ラウンジがあるでしょ 7時30分そこで待ち合わせをしよう」
「はい 分りました 嬉しいな また会えるなんて」
「じゃあ 頑張って仕事をしましょう」
「は~い 分りました ありがとうございます」
神山は祥子が嘘を言っている事が確実となった
暫くすると洋子から電話があって
「洋子です おはようございます」
「やあ おはよう どうしたの」
「ええ 生理がきついの 休ませてください
体もきつくて動けない状況なのよ ほんと困ったわ」
「分った そうしたら 明日も休んで良いよ
部屋は大丈夫だよ 僕がいるから ねっ」
「では お言葉に甘えて休むわ そうすると16日まで
連休になるけど大丈夫ですか?」
「うん 何かあったら電話をするから それからそちらに入ったら
僕に電話を下さい」
「は~い 分りました」
「昨夜 亜矢子さんから電話があって 例の介護施設の件で
しかし 内藤社長もお金を工面しているか なにか作戦を
練っていると見えて何も連絡が無いんだ 亜矢子さんに言って
もう少し待つように話したけどね お母さんは良くなっているって
そう言っていた どちらにしても早く決まって欲しいよね」
「そうですよね だって6億でしょ 早く希望を叶えたいわよね」
「うん では そう言うことです ゆっくりお大事に」
「ええ 亜矢子さんに宜しくね」
「はい 了解」
神山は電話を切っては冷蔵庫からビールを出してテーブルで呑んだ
時計を見ると9時30分だった
神山は仕度をして部屋出ると上原のニーナ・ニーナへ顔をだした
浜野由貴と安田桃子がこんなに早く来て掃除をしていた
神山は通り過ごして駅で缶コーヒーを買いニーナ・ニーナの入り口を
叩くと由貴が気が付いて中に入れてくれた
「おお 二人ともよく頑張っているから これ買ってきたよ」
由貴と桃子は嬉しそうに
「神山次長 ありがとうございます 頂きます」
そう言い桃子がバックヤードに持っていくと由貴が
「今朝 久保チーフから電話があって 昨夜泊まった事にして欲しいって
言われて はい分りました そう答えておきました」
「どうしたのかね まあ先日も話したけど 業務に支障をきたす場合は
速やかに筒井さんに連絡しなさい それと僕にもね」
由貴はニコニコしていると桃子が戻ってきたので お辞儀をして
「はい 分りました お仕事だけ頑張ります」
「うん 頼んだよ 桃子ちゃんはお昼何時ですか」
「私は 今日12時ですね 先輩の前1時間です」
「そうか 先日浜野君だったから 今度は桃子ちゃんだね」
「また 神山さん 私だって良いでしょ もう」
「いやいや 公平にお昼を一回ずつご馳走しないと怒られるからね」
由貴は笑いながら
「はいはい どうぞ桃子を誘ってください ねえ桃子」
少し緊張しているのか
「はい お待ちしています お願いします」
「ははは いいんだよ そんなお見合いをする訳じゃないから
わかった 又電話をします では頑張ってね」
「は~い 分りました ありがとうございます」
神山は傘を差して 地下鉄で銀座の次長室へ行った
次長席に座るとすぐに由貴の携帯電話へ掛けると
「神山です このまま聞いてね」
「はい」
「今朝の件は自分からは誰にも言わない事と 久保チーフにも
聞かないこと 出来るかな?」
「はい 出来ます」
「うん そうして欲しい 訳は夜話すよ それと簡単で良いけど
日時と内容をメモをしていきなさい いいね」
「はい 分りました」
「うん ごめんね 忙しい所 では」
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