田宮は考えていて答えが出てこなかった 秘書の里香が
「神山様 そうすると具体的にはどうされるんですか」
神山はこれまで書いたスケッチを二人に見せて説明をした
「あと アレックスジャパンのアレックスブランドでビーフジャーキーを
作ろうと最高責任者のアレックス氏とも話してありましてOKを
頂いています」
副社長の田宮が驚いて
「えっ 先日来られたアレックス氏がOKですか、、、分りました
神山様 ご協力をさせてください お願いします」
「そうしましたら これを作るのに最低でも3億は必要です」
「えっ 3億ですか しかし今後を考えるとすぐに回収できますね」
「ええ宜しいですか ただし この金額は最低金額です
かといっていきなり倍掛かる訳ではありません 掛かったらその分
回収できるように考えています」
神山は先程御殿場プロジェクトの竹内との話で書いたスケッチも見せた
「こうする事で 相乗効果が生まれます 地下の件はご内密でお願いします
現在 事後承認で進めている案件です いいですね」
「はい 分りました しかし凄い大きな話しですね 楽しいです
神山様にかかるとこの様に変るわけですね 出しますよ6億でも」
神山が洋子に今の話した内容をタイプで打って契約書を
作るように言うと すぐに取り掛かり書類が出来た 神山が田宮に
「如何でしょうか ごらん下さい」
契約内容は
【鈴や食品の傘下に入り 加工部門を御殿場アウトレットに出店する
経費については最低3億円は保証 場合によっては6億まで準備できる
途中放棄の場合は神山の請求金額を鈴や食品に支払いする事
ここで知り得た内容は第三者に漏らさないこと】などが書かれていた
神山は田宮のサインの下に自分のサインをして 立会人として
二人の秘書がサインをして洋子が日時をいれた
2部作って各自が保管して置く事を約束した
神山が
「ご協力ありがとうございます 御殿場アウトレットが成功すると
信じて仕事を進めています これからもお願いします」
神山と田宮は笑顔で固い握手を交わしたあと田宮が
「神山様 先日妻から全てを聞きました 私は恥ずかしく思っています
しかしながら過去は過去と割り切ってこれから会社を建て直しします
そこで神山様にお願いがあるのですが 時々会社に来て従業員を
見て頂きたいのです 勿論 御殿場アウトレットの加工方法なども
そこで技術者達とお話しをして頂ければ助かります 如何でしょうか」
「ええ いいですよ しかし週に1回とはいきませんよ せいぜい
月に1回か2回でしょう それでも良かったら伺います」
「ありがとうございます 助かります 加工部門だけではなく
あらゆる部門で不審な人物が居りましたら神山様のご判断に従います」
「分りました そうさせて頂きます 会社繁栄に不倫と社内売春は
不要ですからね 良いでしょう」
田宮は里香から書類を貰って神山に提示をした
雇用契約書だった
今 田宮が説明した事が書かれていた 神山は御殿場アウトレットの
仕事を追加記入をしてサインをした
田宮もサインをして立会人を里香と洋子がサインをした
給与は神山が月300万円 洋子が200万円となっていて
役職は神山が担当常務で洋子は秘書部長の肩書きを貰った
「常務ですと株主総会の承認が必要ですが担当ですと不要なんです
それと これは今月の軍資金で300万円ですどうぞ受け取ってください
こちらは給与でございます お二人分で500万円ございます」
「はい ありがとうございます」
神山は受け取りを出そうとしたが田宮が不要と言うので書かなかった
里香は給与の振込先口座を洋子に聞いて
「お給料は毎月15日に口座振替です 土日の場合は前営業日になります」
「分りましたわ 軍資金はどうなりますか」
「ええ 当社に来て頂いて受け取って頂くのが原則です
お支払日は毎月1日です 土日祝の場合は翌営業日です」
「分りました ありがとうございます 私でもいいのですか」
「ええ 構いません これは秘書室でお渡しいたします」
「はい 畏まりました」
洋子と里香の間で書類の記入漏れが無いか点検して洋子が控えを貰った
神山は冷蔵庫から地ビールを出して四人のグラスに注ぐと
「では 少し進展し貴殿の会社繁栄のために乾杯」
神山と洋子はビールを呑んだが田宮と里香がグラスを
合わせただけだったので 神山が
「ははは 大丈夫ですよ これが私の流儀で社長もご存知です
酒臭いと言われたら 神山に呑まされたと言えば良いですよ」
「大丈夫ですか? 本当に」
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