2011年11月29日火曜日

Vol.507 ゆり -1-34



5月8日 金曜日 小雨
あれだけ疲れているのに神山は祥子の動きで目が覚めてしまった
「やあ おはよう」
「ごめんなさい 起こしてしまって」
「いや そんなことは無いよ 気にしないで ところで何時」
「ええ 8時30分よ 私はこれから出るので寝ていて」
祥子が下着姿でこれから何を着ようか迷っていた
「どうしたの 下着で」
「ええ 小雨が降っているの だからパンツで行こうか迷っているの」
祥子はストレートパンツを選んで素早くブラウスを着た
神山は後ろから抱き寄せてまだボタンが掛かっていないブラウスの下から
手を差し入れて乳房を揉んだ
「あっ 駄目よ あっ ほんと 時間が無いから」
神山はパンストの上から秘所を触ると喘ぎだしたが
「ねえ お願いだから触らないで 間に合わない」
仕方なしに神山は攻撃を止めて
「今夜は?」
「ええ 分らないのよ 電話をするわ」
「うん 分りました」
祥子は化粧をしないで雨具の用意をして
「では 行ってきます」
ニコニコしながら部屋を出て行った

神山は一人でこの部屋に居てもどうにもならないので自分の部屋に戻った
ベッドに入って再び眠て目を覚ますと10時30分になっていた
神山は冷蔵庫から地ビールを出してタバコを吹かしのんびりとしていた
テーブルには御殿場アウトレットのスケッチが置いてあったが
今日は隅に寄せてのんびりしたかった
神山は暫く横浜へ帰っていないので郵便物などの整理で
帰ろうと思ったが東京駅に出るのが面倒になり銀座に行った
タクシーで次長室が入っているビルの前に着くとビルから
洋子が傘をさそうとして出てきた
「おや 洋子」
「あれ あなた どうしたの」
「うん 車で横浜に行こうと思って」
「そうか 帰っていないもんね」
「洋子は」
「ええ アルタに行って自由費を貰って 部屋に置いて来たところよ」
「そうか 悪いことしたな ごめん」
「横浜か 行きたいけど今日は辞めるね 母親孝行をしています」
「うん ごめん」
神山がそう言った時に携帯電話がなって出てみると
「山ちゃん お元気ですか」
「おお 孝ちゃん 元気 どう」
「ええ 今 長野に来ているんですが とっても静かでのんびりです」
「良かったじゃないか それで」
「ええ いい温泉があったのでお知らせしたんです
山の幸 美味しいですよ それと日本酒 温泉です
場所を言いますね」
神山は高橋から聞いた事をメモにした
「ここは公共交通機関が無い所なので車が良いですよ
僕たちもレンターカーで見つけたんです 今夜は移動でお会い出来ませんが
骨休めにどうぞ お勧めです」
「ありがとう では気を付けて」
洋子が
「高橋さん?」
「うん 長野の山奥にいい温泉があって骨休めにどうぞって」
「ふぁ~いいな~」
「よし 明日とあさっては長野にいこう これも勉強だ いいね」
「は~い 分りました そうしたら住所教えて PCで調べて置きます」
「いいのか 母親孝行なのに」
「ええ そのくらいの時間はあるわ」
神山は高橋から聞いた地名を洋子に伝えると
「何かで聞いた覚えがあるわ ごめんなさい思い出せないわ」
「そうしたら 明日は9時に着てくれるかな」
「ええ 分ったわ なにか用意する物ある?」
「う~ん 別に無いよ 僕が揃えるよ 時間あるし」
「は~い 分りました では気をつけてね」
「そうだ 家まで送っていくよ」
「ううん いいの母から頼まれたお買い物もあるから」
「分りました では」

洋子は手を振って人ごみに消えていった
神山はホテルの地下駐車場から貴婦人を出して高速に乗り
羽田のトンネルをくぐり横浜に着いた





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