神山と洋子は地下のお菓子売場でお茶菓子を買っておばさん達が居る
事務所へ行きお礼を言いお菓子を渡した
次長室に戻ると神山はぐったりとしていて
「どうしたの そんなに疲れたの」
「うん やはり緊張していたんだよ 今になって出てきた
あ~ くたびれた」
神山は次長席に座ると生あくびを繰り返したので
従業員食堂で残ったワインを呑んでみると睡魔が襲ってきた
30分位寝たのか起きるとすっきりとしていた
洋子は神山が起きたのを気付くと冷蔵庫からコーヒーを出して
「はい どうぞ」
「ありがとう いや~よく寝た すっきりしたよ」
「貴方が寝ている時に鈴や食品の多田さんから電話があって
ありがとうございますって 本物を頂きましたって」
「そうか 良かったね うん」
「あと おじ様が今夜美味しいとこに連れて行ってくれって」
「そうか しかし 今日は早く帰りたいんだが、、、」
神山は直接時田に電話をした
「本当に済みません 本日は先約を外せません 明日以降で如何でしょうか」
「そうか わかった また明日連絡するよ」
「はい 分りました お待ちしています」
洋子が
「良かったわね だけど先約って?」
「だってそうしないと早く帰って寝られないです」
「ふふふ なんだ 又 私に秘密で何かこそこそするのかと思ったわ」
「おいおい たまには早く帰って寝るよ
以前のように完全休暇を取っていないもんなこの頃」
「そうね お休みは女性を相手にしたりゴルフだったりね
ほんと大変でしょ 分るでしょ私が大変って」
「うん わかったよ さあもうこんな時間だ」
神山は時計を見ると17時を指していた
次長席で色々と纏めるのに集中していると直ぐに18時になり
「洋子 今日は帰っていいよ 君もたまには早く帰って
母親孝行をしてあげなさい」
「ほんと 帰っていいの?」
「うん 僕は もう少しここで纏めをして帰るよ
それと 明日は何も無いから完全休養にしてください」
「えっ ほんと」
「うん 昨日も中途半端だし まあ何も無いからさ もしかすると
僕も休むかもしれない」
「また駄目よ 亜矢子さんに会いに行くなら私も一緒よ」
「おいおい 勘違いするなよ」
「でもいいわ 亜矢子さんなら許してあげるわ」
「あのね 違うの ほんと だから苛めないで 一人で寝ているから」
正直 神山は芯から疲れていて一日中寝ていたかった
「はいはい わかった 私は駄目よ 私もあそこも完全休養ですからね」
「うん」
洋子はビジネススーツをわざと神山のところで着替えたが
反応が無いので神山の疲れを確認した
「では お先に失礼しますね」
「うん では 何かあったら連絡するよ」
「は~い 分りました」
洋子は神山に手を振って部屋を出て行った時にFAXが入ってきた
アルタの人事課からだった
【今月から給与の支払日が変更になりました
神山意匠担当常務 と 田所部長の給与支払日は毎月10日
指定口座に振り込み 自由費は10日 原則秘書(田所秘書)に
現金手渡しとなります 尚 10日が土日の場合は前営業日に
振込み 現金渡しになります
尚 ご不明な点はお電話でお願いします
本社人事課 武田恭子】
神山は洋子にも知らせておこうと電話をした
「はい 洋子です」
「ごめん 今 アルタからFAXが入って 給与支払い日の変更が来た
それで 10日に洋子の口座振り込まれることと自由費は10日に
アルタへ受け取りという事です ただ今月は10日が日曜日だから
8日の金曜日になる」
「は~い 分りました 8日のスケジュールに入れておきますね」
「うん では」
神山は洋子の電話を切ると青山3丁目『イタリアンレストラン スパ』に
電話をしてマスターと話をした
「そうしますと 私どもからのお給料は一切無し 牛肉仕入れ代として
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