「神山さん 女の子を苛めちゃ駄目でしょ こら」
「いや 女将ごめん おい浜野君ごめんな」
「もう 嫌いです 神山次長なんて いじわる」
「おいおい 自分が言ったのに 困ったな
よし ここは僕がご馳走をしてあげるから何でも食べなさい」
俯いていた浜野がニコニコして
「本当ですか ふぁ~ 嬉しいわ」
元気の無い女の子はこれに限ると感じた
先程のように陽気になってよく話してよく食べた
祥子の不可解な行動にこれ以上聞くと不信に思われるので
話題を逸らすようにしたが
「実はここだけの話しですが 上原のお店に男の人から何回か
電話があったんですよ」
「それはあるだろう 僕だって電話をするし」
「ええ だけど普通自分の名前を名乗りますよね」
「うん 普通はね」
「ええ 名乗らないんです」
「しかし 不思議な話だね チーフの携帯電話の番号を知らないのかな」
「さあ」
「だって 上原はまだオープンして11日だよ お店の電話を知っていて
携帯を知らないケースって どう言う事だろうね」
「あっ そうか そうですよね」
「うん 例えば 僕がチーフの携帯に電話をしたけど出ないから
店に電話をする その時は普通名乗るよな」
神山はますます祥子の周りで何が起きているのか分らなくなって来た
「この話は 何処まで知っているの」
「ええ 私だけみたいです と言うのは 不信な電話は全て私に
連絡するようになっているんです 一応責任者ですから」
「そうか まあ何も無いと思うけど この話は誰にも言わない方が
いいと思うよ 今度あってもチーフに言わない方がいいと思う」
「そうですかね この間一回話してしまいましたけど」
「それからは」
「ええ 有りましたよ その事も有って 連休中に電話をしたんです」
「うん まあ放っておこう そのうちになくなるよ」
「ええ 分りました」
神山は追求した所で多分何も言わないと思い考えずに頭の隅に置いた
その時 女将が
「そうだよ よそ様の世界に入ると大変だよ 知らない方が賢明よ」
「はい 分りました」
「さあ 美味しいのを一杯食べてよ」
神山は隣りに座っている浜野を一回食事に誘ってもいいかと思った
魅力的なプロポーションとまだあどけなさが残っている顔つきに
下半身が元気になってきた 神山は
「浜野君 今付き合っている人って幾つくらい」
「だから ほんと誰もいないんですよ」
「そうか 男は余りにも美しい女性を見るとみんな引いてしまうんだ
付き合ってから 誰か居るんじゃないかとかね」
「そうなんですね 聞いた事ありますけど 私 全然そんなこと
思ってもいないんですよ だって美しくないですもん」
神山は浜野が本当に彼氏がいないのを信じた
別にいても構わないがいない方が良いに決まっている
「そうしたら 時間を作れたら電話をするよ」
「ふぁ~ ほんとですか 嬉しいわ」
神山は浜野が喜んでいる顔を見るとますます下半身は元気になった
浜野が休憩時間がもう直ぐ終るので帰ると言ったので
「浜野君 さっきの電話の件は内緒だよ いいね 君が巻き込まれると
色々と問題が出てきて君自身も危ないからね」
「はい 分りました 誰にも言いません では失礼します」
神山は頷いて手を振って別れた
大将が
「神山さん 天ぷらを出しましょうか」
「ええ お願いします」
大将は昼の定食に出すえびや季節の野菜を神山に出した
神山は最後にねぎとろ巻きを食べて寿司屋をでて部屋にある現金を
駅のATMで入金した
部屋に戻って高橋から連絡を受けた白骨温泉をPCで調べた
長野自動車道を松本ICで降りてR158を約35km走り
途中 沢渡でR300で約5Kmで白骨温泉郷に着く
神山は首都高 中央道 長野自動車道が約220kmで約一時間半
R158とR300が約40kmなので大体1時間とみた
宿泊先が何軒が紹介されていて 景色のいい露天風呂付きの
ホテルを探して予約を入れた
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