散策路を歩いてホテルに戻った
「先程のワインですが 送って下さい」
神山はフロントが用意したお届け伝票にあて先を書いて金額を聞いた
ワインが6本12000円送料が1000円 全部で5万2千円を支払った
神山と洋子はフロントにお礼を言って車に乗った
上高地はマイカー規制があって直接入れないので沢渡まで戻って
そこからタクシーを利用する事にした
今日は快晴の日曜日とあってまだ10時30分になっていないのに
駐車場は混んでいた
神山はフェアレディーZを市営駐車場に止めるとタクシーで大正池へ向った
二人は大正池ホテルでタクシーを下りて池に向った
木道の下はもう湖面で暫く歩くと目の前に大きな湖面が現れた
よく写真で見る光景に神山と洋子は感動していた
神山と洋子は神秘的な風景をデジカメで何枚も撮影をした
洋子の方が感性があるのかポイントを掴んだ写真が多かった
「ねえ見て 素敵に撮れているでしょ ほらこれも」
神山は頷いて同じ所を撮影しても洋子のように撮れなかった
梓川に設けられた歩道を色々な所に被写体があって洋子は
デジカメのシャッターボタンを押していた
神山も自然がこんなにも残っている事に感動をしてシャッターをきっていた
途中で右折すると上高地帝都ホテルがあり神山は
「どうだい そろそろお昼だし帝都ホテルで食事をしようか」
「ええ そうね今日は混むかもしれないから行きましょうよ」
二人は上高地帝都ホテルへ行きカジュアルレストランに入った
洋子の予感は当って12時を少し廻った時間なのに
席は半分くらいしか空いていなかった
「良かったね 洋子の言う通りだね」
神山と洋子はまずビールを頼んで単品の料理を注文した
やはりここでも信州牛が美味しくてたたきとシチューそして
ホテル自慢のワインを追加した
家族連れや若いカップルが目立ち神山と洋子たち同年代のカップルは
数組しか見当たらなかった
「信州牛って 初めてだけど美味しいね」
「ええ 私もはじめてよ 東京では味わえないわね」
そんな時神山の携帯が鳴って確かめると高橋からだった
「お疲れ様 神山です」
「高橋です いま岡部屋のフロントから電話があって
お預かりした手紙を神山様にお渡ししましたと連絡が入りました」
「うん ありがとう 受け取りましたよ いい露天風呂だったね」
「ええ あそこでみんなスケッチをしましたよ いい所でした
今 何処ですか?」
「うん 上高地に来ているよ」
「ええ いいですね 私たちは長野市から北に来ています」
「レンタカーを使っているの」
「ええ ケースバイケースですよ 結構鉄道もあって便利ですよね」
「わかった 気を付けてね」
「了解です」
「アルタの高橋さんからだった 今 長野市の北に居るそうだ」
「へぇ~ 美味しい物食べているんだ 私も勉強旅行に参加したかったな」
「おいおい もう参加しているでしょ ここに」
「あっ そうか」
二人はお勧めのメニュー ビーフカレーを注文して食べると
「ふぁ~ 柔らかくて口の中でとろけるわね 美味しいわ」
「うん 美味しいや やはり信州牛だからかな」
「あと コックの腕前でしょ 多分」
「そうだね そう言えば鈴や食品の
多田さんと東条君はどうしているのかな 連絡が無いな」
「いいんじゃないの 連絡が無い事は」
「うん まあそうだね」
二人はワインを呑みカレーも食べると洋子がデザートを頼んで
「あなたは食べないの」
「うん レモンティーにする」
と 注文が別々になったが二人は気にしていなかった
食べ終わってカウンターで清算すると1万2千円だった
「お客様 只今5000円以上のお食事で全国の帝都ホテルが無料で
宿泊できるキャンペーンを行っています どうぞ箱からくじを2枚
引いて開けて下さい」
神山が一枚と洋子が一枚とって開けて見ると 大当たりで
全国の帝都ホテル無料宿泊券10枚綴りと現金20万円が2本当った
カウンターの女性は特等が2本同時に出た事に驚いて
暫く言葉が出なかった
「お客様 おめでとうございます こちらが特等賞の景品です」
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