「まあ そんなに焦って食べ無くてもいいと思ってさ
ところで 美佳さんと昨日はどうしたんだ」
「ええ 昨夜はちゃんと帰りましたよ また次の機会です
実は今夜も会うんですよ」
「そうか 良かったな いい人見つかって」
「しかし 問題が有りましてね 彼女が一人なんで 僕が養子で
向こうに入るようでないと難しいのです」
「翔は 妹が確かいたよな そうすると翔が出てしまうと 妹さんも
養子縁組になる訳だ」
「ええ そこで悩んでいます しかし あんなにいい女性は
鈴やにいないし 迷っています」
「向こうに入る事には抵抗は無いだろう」
「ええ 多少は有りますよ でもどうするのか分らないんです」
「難しいな 1,2年だけ別居して二人が落ち着いてから
ご両親と一緒って事も考えられるけどね」
「ええ しかし お金がもったいないし どうせなら最初から
一緒でもいいと思っていますよ」
「うん まあ時間はたっぷり有るんだ よく相談したほうがいいね」
神山と杉田は注文したラーメンが来たので話を中断して食べた
杉田はおなかが一杯になったと言って
「先輩 ご馳走様です いつもありがとうございます」
先に言われてしまったが神山は
「うん 午後からも頼んだよ 倉さんは分らないから
翔がしっかりと店内とウインドーを見てあげなさい」
「はい 分りました ありがとうございます」
二人は1階のウインドーに帰ってくるとデコレーター達はすでに
仕事を始めていた 神山はデコレーター達に手を振って次長室に戻った
神山は御殿場アウトレットのニーナ・ニーナや鈴や食品の
ブースデザインをラフスケッチで何枚も書きあげていった
一応大人と子供の融合性だったが おじいちゃんやおばあちゃんも
孫と楽しめるようなそんな事を考えていた
神山は時計を見るとまだ16時なので冷蔵庫からコーヒーを出して
飲みながらタバコを吹かした
TVをつけて見ると日本各地の温泉めぐりという番組が放映されていた
山に囲まれた秘境にある温泉だったり温泉宿の露天風呂だったり
神山も行ってみたいと思うところが一杯登場してきた
いいなと思った温泉を整理すると何かが見えてきた
神山はスケッチブックに考えついた事をどんどんとスケッチしていった
次長席に戻りスケッチを整理していると18時前になった
神山は帰り仕度をしてタクシーで赤坂のアメリカナ大使館へ向った
ジョン ブラームスは部屋で待っていて神山が来ると玄関に現れた
二人は握手をして近くのタクシーで上原に向った
上原の駅前寿司に入ると女将が
「奥でお待ち兼ねですよ」
と 案内してくれた
洋子が先に来ていて神山を見るとニコニコと笑顔で迎えた
ジョン ブラームスが
「洋子さん こんばんわ」
「ジョン ブラームスさん こんばんわ」
2人が座ると女将がビールと鮮魚の盛り合わせを持ってきた
神山が先日のお礼をジョン ブラームスに言いプレゼント渡した
「おお 素晴らしい 綺麗な漆だね」
ジョン ブラームスはきにいってくれたようだった 洋子がメモをだして
「ここに書いてください 滑らかでもっと気に入りますよ」
彼は言われた通りメモ紙に色々と書いたが滑らかな書き味に
「うん 素晴らしい ありがとうございます」
神山と洋子は彼が喜んでもらった事にほっと安心した
ジョンが
「本国に強制送還するボーンはいままでも何回か恐喝をしていて
こちらでもマークはしていたが 上手く逃げていた
今回 神山さんのお手柄で強制送還出来る事になった
こちらこそ ありがとうございます」
神山はアレックスジャパンにとっても彼は不要な人物だと言うと
「しかし 神山はアレックスジャパンの副社長なのか?」
「いや 違うよ 最高責任者だよ アレックス氏に確認すれば分ります」
「おお 社長より権限がある訳か 素晴らしい」
ジョン ブラームスは改めて神山と握手をした
「なにか大変な事が起きたら この電話番号に電話を下さい
出来る限りの事はします 例えば車の事故とか公にしたくない時などにね」
彼はウインクをしながら神山に自分の携帯番号を教えた
3人は美味しい鮮魚を味わって彼も機嫌が良かった
神山は日本酒も勧めジョン ブラームスも美味しい酒だと言って喜んだ
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