「宜しかったら私のアパートに来られますか 少し汚いけど」
「良いのかな」
「ええ ゆっくり落ち着いたほうがいいでしょ」
神山と由貴はタクシーで南青山の由貴のアパートへ行った
部屋は12畳のLDKと8畳の寝室で2部屋だった
「神山さん ここに男性が入ったのは神山さんが始めてよ」
「おお ありがとう でも綺麗にしているね」
「ありがとうございます あまり買い物をする時間もないし
衝動買いもしないから 飾る物が無いんですよ」
由貴は冷蔵庫からビールを出して二人のグラスに注ぐと
「それでは 二つ目のバージン突破記念 かんぱいしましょ」
「おいおい でもありがとう」
神山と由貴は早速週刊誌を開いて探していると由貴が
「今度のお部屋は南向きが良いわ ここは北向きで嫌なんです
朝日は入ってこないし 洗濯物も乾きが悪いし」
「ここの家賃は幾ら」
「ええ 5万5千円です ですから出しても7万円までですね」
しかしその条件で探すとなかなか無かった
何軒か探したが一件代々木で9万円で南向きで14畳のLDKと8畳の
寝室があった 最上階でバルコニーが広く浴室も南向きだった
神山が勧めると由貴は2万円オーバーしていると言うので他を探したが
なかなか条件に合う物件はなかったので由貴が気落ちをしていた
「わかった 由貴 ここにしよう 不足分は僕が出すよ
それだったら引越しできるだろう」
「へぇ~ いいんですか そんなに甘えて」
「いいさ そのうち食事に甘えるからさ」
「ふぁ~嬉しいわ」
「由貴 ここに100万円有るから これを自由に使いなさい」
「へぇ~ 私をお金で買うんですか」
「違うよ 足りないんだろ 社会人の時からだったら色々と
古くなってきているし この際買い替えをして気分一新だよ
その為の資金さ」
「ふぁ~ 嬉しいわ そうしたらそうね 2万円近く不足するから
すぐ無くなるわね 大事に使いますね」
「うん だって2万違うと敷金と礼金で10万円位違ってくるでしょ」
「そうですよね 分りました ありがとうございます」
神山はバッグから100万円を出して由貴に渡した
「ほっとするとお腹がすいたね」
由貴が駅前寿司の包みを開いて
「はい 私が頼んだの 一緒に食べましょ」
決して高い品は入っていなかったが気持ちが嬉しかった
「神山さん 日本酒もありますよ 呑みますか」
「うん 頼む」
由貴は小さいグラスに日本酒を注いで神山に渡すと自分は
湯のみ茶碗に入れて呑んだ
「その方が格好良いね いかにも日本酒って感じだね」
由貴はグラスと湯のみ茶碗を交換して神山が呑んでいる所をみて
「ほんとですね いかにもって感じで素敵です 渋くていいわ
何時も一人だからお揃いって無いんですよ これから揃えますね」
「うん そうだね お願いします」
二人は新しい部屋で何が必要か色々と検討した結果
家電製品は殆ど買い換えることにした
神山が元々出すつもりでいたので なるべく新しくと考えていた
「神山さん予算を大幅にオーバーですよ 駄目です」
「うん わかった ごめんね しかし気分一新だろ 僕が出すよ」
「へぇ~」
「うん 買い物は僕が出すから心配しないで」
「ふぁ~ そんなに甘えて良いんですか」
「うん 大丈夫だよ」
「分りました ありがとうございます」
二人はあと部屋の中を見て買い換える物のリストを作った
結局 200万円位掛かりそうだったが神山はこの子がいい方向に
育ってくれれば安いと思った
一息つくと由貴が
「神山さん お背中流します 一緒に入りましょうよ」
時計を見るともう23時を廻っていたので
「うん 入ろう」
由貴が浴槽に湯を張って
「どうぞ 入れますよ」
神山は寝室で着ている物を脱ぎタオルで前を隠していくと
「先に入っていて下さいね すぐに来ます」
由貴も寝室で脱ぐと神山のものには手を触れないでそのまま浴室に行った
「はい 神山さんこの椅子に座ってくださいね」
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