「久しぶりにしゃぶしゃぶなんか食べたいなー」
「また しゃぶしゃぶかよー この間食べたばかりだろ もう」
二人は楽しそうに話しながら 銀座通りを歩いた
一方 催事課では奥村が倉元を会議室に呼んだ
「倉さん 基本OKですよ」
「おう 店長もOKだった」
「それで 今日中に東京の意見を名古屋に話をして
結果は今夜出るそうです 多分OKだと言われていました」
「良かったな」
「ええ でも みんなに話すタイミングが」
「本人が居てもいいじゃないか」
「そうですね」
「そうしたら 明日午前中に返事が貰えるんだな」
「ええ 秘書室から呼び出しがあるそうです」
「タイミングとしては 夜だな そのまま何処かに流れてもいいし」
「そうですね そうしましょう
そうそう 先ほど 筒井さんから電話があって
入居は5日で OKですって それで横浜から荷物を運ぶのは
アルタが運ぶ段取りをしているそうです」
「なるほど 備品は横浜から入れるんだな
だとすると 5日は休ませて そちらに専念した方がいいな」
「そうですね 荷物といっても緊急なので とりあえずは
ここ当分の着替えで済むでしょ 備品類は結構揃えるそうですよ」
「羨ましいな」
「でも 事務所件住居ですからねー 落ち着けるといいですね」
「そうだな 落ち着いたら 御呼ばれしよう」
「そうですね」
「じゃあ 翔 しっかりとがんばれよ」
「はい 先輩 ごちそうさまでした」
「うん じゃあな」
神山は杉田と別れると有楽町駅まで歩き東京駅に向かった
東京駅に着いた神山は発車まじかの電車を見送り
キオスクでビールを買って次に発車する電車に乗り込んだ
神山はしゃぶしゃぶ屋でもビールにワインも呑んでいて
相当気持ちがよくなり ビールを呑むと発車前に寝てしまった
「お客さん 終点ですよ お客さん」
神山は眠たい目をこすり
「終点? えっ終点ですか?」
「ええ 終点です 降りてください」
「どこですか?」
「伊東です」
「伊東?」
神山は熱海を通り過ぎ 伊東まで乗り越しをしてしまった
東京駅発伊東駅終点の電車は2時間に1本しかない電車だ
その電車に乗車した事は 不幸中の幸いだった
もっともお昼の時間帯は 小田原や熱海が終点になっている
神山は電車を降りると ベンチに座り考えた
このまま横浜に帰っても何も出来ないし さあどうするかと
(そうだ ネコのところに泊まろう しかし予約しないと、、、)
会社の寮は原則 福利厚生課へ事前に申し込みをしないと
いけない事になっている しかし友人という事でどうか、、、
暫く考え 熱海の寮に電話をした
「やあ 山ちゃん 昨夜はありがとう 早速どうしたの」
「ははは 今さ伊東にいるんだ 今夜泊めてくれる?」
「ああ 来いよ 手ぶらで来いよ」
「分かった 伊東からだと45分くらいだね」
「うん そんなモンで大丈夫だよ でもどうして?」
「うん 寝過ごした」
「ははは またいつもの癖が出たね」
「ああ お昼に呑み過ぎた」
「いいよ 今日は泊りが無いからいいよ ただ料理は期待するなよ」
「分かったよ ありがとう」
神山は上り電車の時刻を調べてベンチに座った
暫く待つと入線した電車に乗り熱海駅で降りると
酒屋へ行き日本酒やビールを買い求め 寮に向かった
寮は駅から歩いて5分ほどの小高い山の上にあった
階段を上るとようやく寮の入り口がみえ 呼び鈴を押すと
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