会社にはスーツで出勤した事はほとんど覚えが無い
特に銀座店ではファッションが決まっていればGパンでもOKだ
綿麻のジャケットで今の祥子と同じものが吊るしてあった
それを眺めていると
「私の上下もここで買ったばかりなの
安いのに縫製は意外としっかりしているわ」
「そうか だったらこれも買おうかな」
日曜日は久しぶりにノーネクタイで出勤してみるかと思い
ジャケットに合うシャツを選別していると祥子が選んでくれた
白を基調にしブルーとイエロー オレンジカラーの幅を変えた
日本では余り見かけないストライプのシャツだった
神山が普段買わない柄だったので顔をしかめていると
姿見に連れて行かれ合わせをした
祥子がせっかく選んでくれたのでそのシャツも買う事にした
アメリカンステージを出るときは大きな袋が2つもなった
今夜 祥子のマンション泊まりの拒否理由はこれで解消した
袋が大きいのですぐに来たタクシーに乗った
二人と大きな紙袋を乗せたタクシーはすぐに
上原の祥子のマンションに着いた
祥子はカードをスキャンすると大きなガラスがゆっくりと開いた
箱が下がって来るのを待つ間に神山は祥子を引き寄せ唇を重ねた
エレベーターの扉はステンレスヘアライン仕上げになっていた
扉の前の床には天井からスポットライトが照らしていた
琥珀色の空間に抱き合った二人を包み込む光であった
ガラスの外からは丸見えだが抱き合ったシルエットは
映画のワンシーンに見えただろう美しかった
エレベーターで6階にある祥子の部屋に手をつなぎ入った
部屋に入るなり二人はベッドにもつれ倒れこんだ
二人はお互いの服を剥ぎ取りあい抱き合い交わった
久保祥子 このとき36歳で9歳の娘が居るが
名古屋の実家で祥子の両親に育てられていた
ニーナ・ニーナジャパンに就職したのは30歳のときだった
勤務先ブティックは名古屋鈴やだった
天性の頑張り気質と美しさ
兼ね備えた上品さですぐに上層部に知れ渡った
すぐにでも東京本社に来てもらいたがったが
娘が小学校に上がってからと断っていた
しかし実際に東京の本社勤務になったのは昨年からだった
娘の学業を両親に任せきりには出来ない部分があった
片親が居ない為のいじめなど娘自身から悩みをいろいろと
聞かされると離れる事が出来なかった
昨年までは週の半分を東京 残りが名古屋のブティックと
ハードな時期を送った
去年7月に遂に東京勤務を認めざるを得なくなった
東京勤務に集中して欲しい為 上層部が青山に呼んだ
条件としてゼネラルマネージャーの地位を用意した
祥子自身も青山勤務には興味があり
もともと販売以外でも実力を発揮したかった
そのころには娘も母親が居ない事に慣れて
ばーちゃんじーちゃんと上手に生活するようになって来た
マンション引越しについても 慌しい時期より娘の春休みに
お願いをして先月の末近くにここに来た
「だから 神山さんが 最初のお客さんなのよ」
「ご光栄です ありがとう」
「ねぇ~ シャワーを浴びましょうか?」
「うん そうしようか」
「では 支度してきますね ちょっと待っていてね」
祥子はどこに用意していたのか
バスタオルを躰に巻いてバスルームに消えていった
「いいわよ~ どうぞ入って来て下さい」
今夜は一緒に入る事を拒まなかった
神山は全裸でバスルームに向かった
バスルームの照明は少し暗かったがそれでも祥子の顔はよく見えた
「はい こっちに来て」
「うん」
「きれいきれいしましょうね」
「祥子さんもきれいきれいしなければね」
二人はお互いの体をシャボンとたわむれた
シャワーで流すと祥子はひざまずいて神山の肉棒をくわえた
先ほど果てたばかりだったが すぐに元気になった
「これからも このおちんちんと合えるのかしら」
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