「嬉しいですわ 麺の固さは人それぞれ好みが違いますので正直
どちらにするか迷いながら作りました」
「すっかり 久保さんのファンになりました」
「その様におしゃってくださると 作りがいがありますね」
二人は他愛の無い話しをしながら小腹を満腹にさせた
祥子が後片付けする間 出されたブランディーを口にしながら
夜景を楽しんでいた
ガラスに近づき自分が住んでいる横浜が見えるか確認していた時
「ベランダに出るともっと周りが見渡せますよ」
祥子が後ろから声を掛けてきた
自分もブランディーを楽しんでいた
「このベランダ結構広いですね」
「ええ 下見の時 この広さが疲れを癒してくれると思いました」
ベランダには可愛らしいガーデンチェアーセットが置かれていた
「神山さん ベランダに出てみますか」
「そうしたいですがその前に仕事を終わらせてしまいましょう」
「は~い そうしましょう」
神山はテーブルに戻る祥子の後姿をみて目じりを下げてしまった
祥子のオシリは適度な大きさだがツンと上を向いている男心を
そそるもので ビジネススーツでは秘密の部分だった
(こんなにいいおしりをしているんなら
普段からもっと一杯見せてもらいたいなぁー)
「神山さん は・や・く~ こちらに来てください」
祥子はアルコールのせいか 少し甘えた言葉に成っていた
それとも自分が提案したレイアウトを神山に褒められた事で
甘えているのか考えながら 神山は祥子の隣に座った
座る時に図面を見るより先に手が届くところにある
豊満で形の良い胸に目が行ってしまった
二人きりの密室で見事なプロポーションと豊かな胸そして
形の良いオシリを見せられたらたまったもんではない
神山は勝手な想像をしてしまい そんな自分に恥じていた
「神山さ~ん このエントランスにある陳列台どう思われますか~」
「僕もさっき拝見した時思っていたのですがもう少し幅を広げると
小物を陳列できるスペースが出来るのではないかと見ていました」
「やっぱり 私も何か足りないな~ と思っていたんですけど~
答えはそこにあったのですね ありがとうございま~す
早速 明日現場で施工の方と打ち合わせをします」
「ええ 全体を幅広くするのではなく このストック部分と
一番下の棚の幅を広げてください ストック部分は30cm手前に
出して 棚板は15cmも出せば効果は違ってきますよ」
「素適なアイディアをありがとうございま~す」
「だ・け・ど なんか階段みたいですね」
「ええ この様な陳列方法は見せながら売る方法です
上にある商品群が下の商品を邪魔しなくていいでしょ」
この上原での商品展開は服飾中心だが 小物アクセサリーを
ポイントで使いイメージアップをする販売戦略だった
神山が提案したのは普通の棚什器にデコレーションが
出来るスペースを確保したものだった
「この什器は既製品ですか? それとも特注品?」
「全部新規に制作して頂く什器です」
「そうしたら フロント部分のこの直線ですが
この様に少し丸みを出したほうが柔らかくなりますよ」
メモ用紙に簡単なデッサンをしていると暖かい吐息を感じ見ると
直ぐそばに祥子の顔があった
祥子は神山の描く什器の形をしっかりと理解していた
鉛筆を置き
「これで 大丈夫 これだけ優れたレイアウトならば売れますよ」
「ほんと~ 凄く助かります ありがとうございます
でもね 実は神山さん もう一つ困り事があるの~」
「えっ だってこんなに良いレイアウトをしていて
まだ悩み事とは何ですか?」
「ええ ここの店長に先ほどの浜野を抜擢しようとしているの
でも なかなかマネージャーの林さんが
いいお返事をくれないで困っているのです」
「僕は何とも言えないけど 筒井さんに頼んだらどうですか」
「ええ 筒井さんにも何回かお話はしているのですが
なかなか良い返事が返ってこないので困っています」
「うーん僕も林マネージャーより
浜野さんの方がこの店舗にはぴったりだと思いますよ」
「ええ 林マネージャーより明るくて
何しろ品格を持ち合わせているので推薦しているのですが」
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