2010年8月5日木曜日

Vol.26 出会い -3-3

4月3日 金曜日 快晴
鈴や銀座店催事課
課長の奥村は少し早めに出勤をし 本社秘書室の呼び出しに備え
少し落ち着かずにタバコをふかしていた
そこへ催事課経理の斉藤由香里が出勤してきて
「あら 奥ちゃん早いのね どうしたの?」
「うん ちょっと用事があってね コーヒーくれるかな」
由香里は課長の様子が普段と違うので 急いでコーヒーを入れ
「はい お待たせしました」
「うん ありがとう」
少しいらだった様子なので 直ぐに自分の席に戻り 仕事の
準備をしたり 会議テーブルの上を掃除したりした

由香里がバケツの水を交換する為に部屋を出た時 電話が鳴った
「はい 催事課の奥村です」
「おはようございます 秘書室の秋山です お待ちしていますので
今すぐに こちらに来て頂きたいとのことです」
「はい すぐに伺います」

奥村は筆記用具と社内規約と労働組合の規約を持って部屋を出た
「由香里ちゃん ちょっとでる 頼むね」
「はい 帰りは」
「うん 2,30分で終わる それから倉さんが着たら押さえて」
「はい 行ってらっしゃいませ」

本社ビルに入るとエレベーターのボタン8階を押して
箱が来るのを待った
扉が開くと奥村はエレベーターから降りて来た社員に挨拶をし
自分が箱に乗ると8のボタンを押して扉が閉まるのを待った
奥村は8階で降りると真っ直ぐに秘書室に行き挨拶をすると
秋山は副社長室に入り 奥山を部屋に招いた
「社長 おはようございます」
「やあ 奥ちゃん 成功したぞ よかったな まあ座れ」
「はい ありがとうございます」
奥村は深々とお辞儀をして挨拶をした
「名古屋も仕方ないと言っていた ワシも同感だ」
「ありがとうございます」
「それで 催事課は大丈夫なんだろうな 後から泣くなよ」
「はい 大丈夫です 神山君は出来ます それに若い杉田も
今力をつけるいいチャンスです」
「うん 分かった それでだ 人事辞令は6日9時15分
銀座店秘書課で行う くれぐれも遅刻しないように」
「6日月曜日9時15分ですね 畏まりました」
「うん 以上」
奥村は立ち上がると 深々とお辞儀をして部屋から出た
秘書室を出る時に奥村は顔がにこやかに晴れていた
秋山が奥村を見て挨拶をすると
「奥村さん 何か良いことがあったみたいですね」
「えっ 分かりますか?」
「ええ 顔に書いてありますよ ふふふ」
奥村は嬉しくなり自然と大股で歩き エレベーターに向かった

催事課の部屋に入ると 倉元が出勤していて
「おう 奥ちゃんおはよさん 早いね」
「倉さん おはようございます ええ行って来ました」
「おう そうか」
「倉さん ちょっといいですか」
「おう そっちの部屋がいいだろう」
「由香里姫 悪いけれどコーヒー2つ」
「はい 分かりました」

奥村は倉元が会議室に入ると 副社長の事を伝えた
「そうか よかったな」
「それでどうでしょうか 翔に伝えて話してみませんか」
「そうだな いくらなんでも突然より 事前に話したほうがいいな」

「お邪魔します コーヒーです」
「おう ありがとう」
「由香里姫 翔がきたら ここに来るように言ってくれ
それから緊急以外は立ち入り禁止 いいね」
「はい 分かりました」
由香里が部屋から出ると 奥村は仕事の進み具合などを確認した
まず神山が抜けて一番の打撃はお中元装飾がある





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