彼女の乳首は硬くなってきた
「ねっ もうだめ これ以上続けると会社に行けなくなってしまうわ
お願いだから もうやめて ねっ」
神山はサイドテーブルの時計を見るともう直ぐ8時だった
「そうだね 久保さんを遅刻させたら大変だものね」
「私 シャワーを浴びてきます いいでしょ」
「うん どうぞお先に」
祥子はガウンで前のほうを押さえて小走りでバスルームに消えた
今日のマジックミラーは何も写さなかった
バスルームとベッドルームの明るさが一緒だと
マジックミラーの『ガラス』にならなかった
バスルームに向かいドアを回すが開かなかった
「ねえ 一緒に流そうよ だから開けて ドアを」
「だめです 一人で流してください
私もう直ぐ終わりますから待っていてください お願いします」
「だって 手が届かないところもあるだろう だからさ」
「いえ 届きます 絶対にだめです」
昨夜 今朝とあんなに大胆だったのに 何故と思っていた
「お待たせしました さあどうぞ」
神山は入れ替わりにバスルームに入った
床を見てみると乱れ箱の中には昨日と今朝のガウンが入っていたが
下穿きのトランクスは下のほうに隠されているみたいだった
神山のガウンもその上に置きバスに行って熱いシャワーを浴びた
少し熱めのお湯がカラダに刺激を与えてくれて気持ちがよかった
出る時躊躇した 着る物が無いのでバスタオルを腰に巻いて出た
「替えの肌着はベッドに置いてありますよ
スタンダードなTシャツと ふ・つ・うのパンツですけど」
「えっ そんな いいですよ 昨日の着た物で」
ベッドの上には良く知っているブランドの下着が
新品のビニール袋に入ったまま置かれていた
「実は父が来た時の為に買って置いたんですよ
だからスタンダードでしょ ごめんなさい」
Lサイズでちょっと窮屈だったが ガマンして好意に甘えた
すっかり用意してカウンターに行くと
厚手のトーストとハムエッグが用意されていた
彼女の格好は薄手のコットンで出来たスエット上下を着ていた
「さあ 頂きましょ ねっ か・み・や・まさん」
「はい 頂きます しかし久保さんて作るの早いですよね 凄い」
「そんな事無いわよ 普段作っている簡単なものは手順を
知っているから自然と早く出来ちゃうのね」
神山は厚手のトーストにバターを塗りその上に半熟の卵を乗せた
「いやぁー まいりました 久保さんはマジシャンだ
早いだけじゃなくて ものすごく美味しいですよ」
神山は右手の人差し指と親指を丸くして彼女にサインを出した
「パンは焼くだけ ハムエッグも焼くだけ でしょ」
「いやいや どこかで習っていたのでしょ
銀座の行きつけの喫茶店よりぜんぜん美味しい
こんな風に毎日 久保さんの料理を食べられたらいいな~」
「そんな事無いですよ すぐに飽きてしまいますよ きっと」
記念すべき朝食をゆっくり食べることは出来なかった
祥子は少し時間を気にし始めたので 神山は黙って口に運んだ
食べ終わると祥子は食器類を流しに運びすぐに着替えを始めた
神山は朝日の中で着替える祥子を見つめていたが
「なに見ているの だめっ こっちを見たら す・け・べ~」
これ以上何を言われるのか分からなかったので
仕方なくキッチンの流しに入り先ほどの食器を洗った
(綺麗なものは見たいし 普段と違う内面も見てみたいよな)
食器洗いは直ぐに終わった
「ごめんなさい 後で洗うからそのままでよかったのに~
でも ありがとうございます 嬉しいわ 優しいのね」
彼女はもう着替えが済んで化粧を始めたが ルージュを描いただけで
「はい 準備OKよ 神山さんはどうですか」
「ええ 僕も仕度は出来ていますから いいですよ」
シャツの袖を下ろしながらいった
「では いざ出陣!」
今朝の祥子は開き直りなのかそれとも朝の交わりのせいなのか
兎に角 明るく元気が良かった
エレベーターを待つ間に
「久保さん お化粧はしなくていいの?」
36歳 久保のお肌を気にしただけではなくこれから
外に出るのにこれでいいのかと思って 思い切り聞いてみた
「ええ 私は普段からお化粧品を使えないんですよ
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