筒井はテラスに出ると 外の空気を思い切り吸った
テラスが西向きにあるので 朝日は見る事が出来ないが
日が沈む光景は独り占めできそうだった
「部長 全て確認しました 予定通り全ての器具が使えます」
「うん ありがとう」
「佐藤さん ありがとうございます」
「いえいえ こちらこそ ありがとうございます
そうそう 先ほど内藤から電話がありまして OKですよ
それで 今日中にお店と本社でつめを行うそうです」
「早いですね 助かった」
「そうですね そうしたら 現場も直ぐに入って貰えますね」
「ええ 助かりますよ」
「うちも助かりますよ なにしろ山ちゃんだったら 任せられる」
「本当ですね 鈴やじゃ勿体無いですね」
「ええ 独立したら うちのライバルになりますよ」
「そんなに腕が立つんですか」
「ええ 上野の時にはあまりみなさんが気が付かないだけで ええ」
「はぁー 良かったですね 仲間で」
「そうですよ 良かったです」
「では 私は先に下で契約書を製作します」
「そうですか では終わったらエントランスでお待ちしますよ」
「はい お願いします」
筒井は佐藤にそういうと1階の管理人室で 賃貸借契約書の作成と
入居に関する手続きを行った
本来 不動産屋に行かなければならないが オーナー管理人で
不動産業も行っているので 自宅で業務が出来る
筒井はキーカードを渡されると管理人に
「暗証番号は 先日伺いました 6桁の番号にしてあります
お帰りの時に試してください お願いします」
筒井と管理人が待ち会いで話していると 佐藤が降りてきて
備品類の搬入日時や養生の話を詰めた
佐藤の話だと4日のお昼までに備品類の搬入を終えて
夕方までに配線など全て終わるという
神山の入居は5日の日曜日にはOKだという
「佐藤さん そうしたら5日に入居してもらいましょう」
「それがいいでしょ そうだ5日の入居の時 横浜から荷物を
持ってこないといけないでしょ だから、、、
横浜店を差し向けて荷物を運びますよ」
「そうですね ありがとうございます」
「いえいえ 備品類が横浜に届くのがあるので 何回も運ぶより
一回で済みますからね」
「そうですね 何が来るんですか」
「ええ 大きなテーブルですよ ほら図面を開くでしょ
机が小さいとどうしょうもないでしょ だから大きいですよ」
「なるほど」
「後は大型のモニターも来ますよ」
「へぇー なにに使うんですか」
「ええ パソコンの画面だと小さいでしょ だからモニターで
見ながら説明できるし便利ですよ TVもつなげられるし」
「へぇー いいですね 山ちゃんに期待しましょう」
筒井と佐藤はエントランスで握手をして別れた
「翔 そろそろお昼しよう」
「ごちでーす」
「なんだよ いつもじゃないか 倉さんはどうされますか」
「おう 俺は用事がある 二人で呑んでこいや」
「翔 お許しが出たぞ」
「部長 ありがとうございます では行ってきます」
「倉さん 僕はこのまま帰ります」
「おう そうだな お疲れー」
神山と翔は催事課の部屋を出ると
「翔 なぜ聞いたんだよ」
「何をですか?」
「昨夜の事だよ もう少し様子を見てから聞こうと思ったのに」
「そうですね 反省しています ごめんなさい」
「多分 二人には内緒で何か動いているな」
「そうですよね あの返事の仕方って 可笑しかった」
「だろう 可笑しいよ なにか隠しているな」
「先輩 何食べますか?」
「翔は何食べる?」
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