2014年1月31日金曜日

Vol.1301 きんもくせい -2-72



「あれっ 洋子さんが伺っていますが、、、」
「ええ その件ではなくて 新しい仕事です」
「はぁー、、、」
内藤はゴテンバ アウトレットの工事関係者が宿泊する場所の確保と
その宿泊施設のことを掻い摘んで説明した
「へぇー そうするとその参加する農家の方と話し合いですね」
「うん 建築業者も山ちゃんのことは良く知っているし ここは
どうだろう お願いできないかな」
「ええ いいですけれど うちのメリットは、、、」
「うん 山ちゃんの頭で後々の利益配分が違ってきますよ」
「なるほど 分かりました それでいつから動けば良いのですか」
「うん 出来れば早いほうが良いですね」
「はい 分かりました」
内藤との用件が終わり電話を切ると 直ぐに大熊工務店東京東支店店長
加藤武雄から電話が入った
「おはようございます 山ちゃん」
「おはようございます 珍しいですね」
「ええ それでこれから山ちゃんの処へ伺いたいんですが」
「はぁー 別にいいですが、、、」
「ははは 大丈夫ですよ ではこれから直ぐに伺います」
「ええ なにか用意するものは、、、」
「ははは それはお楽しみです」
「はい お待ちしています」
神山はGプロの高橋孝一に用事が出来た事を伝え 次長室に戻った

「やぁ 早いね ありがとう」
「ええ 直ぐにいただけました ふふふ」
「じゃ 洋子 全額預かってください お願いします」
洋子はアルタの自由費400万円を引き出しに仕舞った
タイミングを見て神山が内藤の話や加藤武雄が訪ねてくる事を話した
「へぇー そう言われればそうですよね 作業員の宿泊施設って
大切ですもの そのお話はどう進めるのですか?」
「うん 内藤さんの話しだと もうすぐFAXが来るんだけどな、、、」
「じゃ そのFAXの内容を確認しながら 進めるわけですね」
「うん そうなるね しかし遅いなァー」
神山は次長席で 仕事を纏めていると 加藤武雄達が訪ねてきた
「あれっ かんけんさんと鈴木建設さんも えっ、、、」
訪ねてきたのは6月14日に建築協会で各会社の顧問に就任した
株式会社かんけん 副社長井伊敏郎と株式会社鈴木工務店 
副社長の鈴木寅之助だった
「ははは 山ちゃんを驚かせようと思って」
「ええ まあ 座ってください」
4人はソファーに座ると 加藤武雄が
「実は内藤さんとの話は もう進んでいるんですよ」
「ああ 作業員宿泊施設の件ですか、、、」
「ええ かんけんさんや鈴木工務店さんも 下請けが工事に入るので
関係者の宿泊施設を探していたんです
そこで 私どもの会社で情報を察知して プレハブですが作っています」
「そうですよね でないとあれだけの広さだから 関係者が街に行っても
満室で宿泊する所が無いと不便ですよね うん」
「そうなんですよ それで土地を提供してくださる方 まあ殆ど農家の方で
快く土地を提供してくれたんです」
「へぇー 田んぼや畑はどうするんですか、、、」
「ええ お借りする所は 田や畑ではなくて 空き地になっていて
まあ 草がぼうぼうですが 現場には近いし メリットは充分です」
「そうすると 僕の出番が無いじゃないですか ははは」
「いえいえ 大いにあるんですよ」
加藤武雄は現場周辺の地図を広げ 説明をした
「えっ この場所にホテルですか へぇー 凄いですね」
「ええ それで箱を作るのに かんけんさんと鈴木工務店さんと
ジョイントで工事をする事になったんです」
「はぁー なるほど そういう訳ですか で僕の仕事は、、、」
「ええ まず今までの感性で外観などをアップして欲しいのです」
「はっ だってアルタスカイだって 良いデザインするし」
「ははは まあ それはそれとして 山ちゃんのデザインが欲しいんです」
神山は暫く考え
「分かりました お引き受けしましょう でも早急の話でしょ」
「ええ オープンには間に合わなくても 夏前に出来るよう考えてます」
「なるほど しかし急な話ですね ははは」
加藤武雄は今までの経緯を説明した
「なるほど かんけんさんも動いていて 鈴木工務店さんも動いてた
ところが関係者の宿泊施設だけじゃなくて ホテルの話が出てきた
そこで加藤さんとしては かんけんさんや鈴木工務店さんも
動いていた事だし ここは丸く収める意味でジョイントですね」