「6台や7台じゃなくて 10台でしょ だって全員だもの」
「あっ そうか ははは」
次長室には10時少しを過ぎて出勤した
神山は直ぐにホテル禅へ電話をして地下駐車場の契約を結んだ
それが終わると 御殿場の不動産屋 勝間田に電話をした
「ええ そういう事情で どうでしょうか 空いている所はありますか?」
「大丈夫ですよ 年内で引越しをされる方がいまして 空き家になります
その部屋を押さえますよ 大丈夫です」
「ありがとうございます それで家賃はどうでしょうか」
「ええ はっきり決まっていませんが 相場ですと7万円くらいです
ただ 神山さまのお客様ですので 勉強をさせて頂きます はい」
「ははは そちらが損をしないようにお願いしますね」
「大丈夫ですよ はい」
「部屋は何階になりますか?」
「ええ 庄司さまの丁度下のお部屋になります テラスが南向きの部屋です」
「えっ その部屋って 確かしゃぶしゃぶ屋の女将が住んで居た所でしょ」
「ええ 実はご本人がマンションを建てられたんですよ
それであのお部屋はそれまでの繋ぎって感じですかね
なので あのお部屋も実は賃貸で契約をしたんです」
「へぇー 事情が色々とあるようですね ではその部屋のリフォームなども
ちょんとお願いできますね」
「ええ 大丈夫ですよ 内装に関しても 庄司様のお部屋と同様
神山さまのご希望に沿うようにさせて頂きます」
「ありがとうございます では日にちがはっきりしましたら連絡します」
「はい ありがとうございます お待ちしております」
電話を切ると洋子が
「良かったわね カトリアーナの住みかが見つかって」
「そうだね 早めに手を打っておいて良かったよ ARXに就職を
頼んでおいて 住処は知りませんじゃ カトリアーナに怒られるよ」
「ふふふ そうね そうするとGGIのアルバイト時期ですね」
「うん 昨日も話をしたんだけど 来年正月半ばになると思うよ
年末は25日のクリスマスまで鈴やで働いて その後になると思うよ
ただ 年末年始はホテル側も研修する時間が無いし 本人もフランスに
帰国するか 母親を日本に呼ぶか迷っているんだよ」
「へぇー お父様はどうされたの?」
「うん これは言わないでね 怒られるからね お願いだよ
5年位前 ガンで亡くなったそうだよ なので思春期を母親の手で育ち
それから努力して日本の大学に入ったそうだ」
「へぇー そうですか、、、」
「ただ お兄さんが居て 今は結婚をしてお母さんと一緒に
暮らしているそうだよ お嫁さんとお母さんが仲が良いんだって」
「そうなの なら一人で寂しいって事はないのね」
「うん 赤ちゃんが居るそうで 毎日大変だって ははは」
「そうね 楽しく生活できれば大丈夫ね それで帰国するか お母様を
日本に呼ぶか悩んでいるんですね」
「うん 子供のことを考えるとどうしたものかってね」
「うーん こればかりは仕方がないわね まあ 来られたら良いけれどね」
「そうだね さあ お仕事お仕事 ははは」
神山がGプロで高橋孝一らと話しているときに杉田が慌てて部屋にきた
「先輩 大変です」
「どうした」
「ええ 大森さんが入院です まだ詳しくは分からないのですが
今朝 いつものように現場に出ると 倒れてしまったそうです
今 奥様が入院先から電話をくれました」
「わぁー 大変だな 困ったな それで翔 どこだって」
「ええ 恵比寿の総合病院が空いていたので そこへ入院です」
「わかった 奈々子ちゃんを呼んでくれ」
「はい」
杉田は隣の部屋に居る安井奈々子を呼んだ
「奈々子ちゃん 大至急翔と病院にいきなさい それで包みは連名
役職などは不要 いいね」
「いくら包みますか?」
「そうだな、、、20万円でいいでしょう お願いします
翔 大至急行きなさい いいね それで向こうから連絡をください」
「はい 分かりました 奈々子ちゃん 準備が出来たら直ぐにいくよ」
「はい このままの格好でいいですか?」
「うん 普段着のほうが良いよ お願いね」
杉田と安井奈々子が慌しく隣の部屋に戻ると洋子へ電話をした
「わぁー 大切な時期に大変ですね それでお見舞いは?」
「うん 翔が先発隊で20持って行くよ だから僕達はその後にいく
えーと 30万も包めば良いよ 準備だけしておいて」
「はい 分かりました」