2014年1月21日火曜日

Vol.1291 きんもくせい -1-71



神山は直ぐにアルタの内藤やARXのJrに電話をした
両者ともお見舞金は神山と同様に30万を包み 見舞う時期については
先発でいった杉田の報告を待つことにした

Gプロで打ち合わせをしていると杉田から連絡がはいった
「そうか 良かった でも過労って どうしてだろう、、、」
「ええ 例のオリンピック記念グラスですが 製作時間は12時間ですが
大森さんは準備や終わった後のグラスの点検やマシンの調整で
結局 睡眠時間が少ないそうなんですよ それでらしいです」
「そうか 12時間稼動っていっても大森さんは違うものな わかった
それで 僕や内藤さん Jrはこれから伺います」
「僕達は戻りますね」
「うん その方がいいね 病室に居ると休めないからな」
「はい ではこれで失礼します」
「うん ありがとう」
神山は電話を切ると内藤やJrに電話をして直ぐに行くよう伝えた
「じゃ考ちゃん そういう訳なので 後はお願いします」
「大森さんも大変ですね」
「うん まあ これで少しゆっくりとして また無理をしないで復帰だね」
「そうですね」
神山は次長室に戻ると洋子を連れて直ぐに病院に向った

病室に入ると大森はぐっすりと寝ていた
「奥様 ご心配になられたでしょ」
「ええ 驚きました いつも元気な主人が突然ですから はい」
神山と大森夫人が話していると内藤やJrもお見舞いに駆けつけた
話し声が聞こえたのか大森が目を覚まし ベッドから起き上がろうとした
「ははは 大森さん 駄目ですよ 寝ていてください」
「いやぁー 面目ないです 歳ですかねぇー ははは」
「それで マシーンの稼働時間は減らす事が出来ないと思います
でもこのままでは又 大森さんが過労で倒れられると大変ですから
ARXから3名ほど応援をだします 如何でしょうか」
「ええ 助かります 点検作業は結構 時間が掛かるんですよ 助かります」
「わかりました そうしたら 大森さんが復帰される時に応援を出します」
「はい ありがとうございます 2,3日で帰れますよ」
「じゃJr人選を速やかに行い 本日の夕方から応援です
尚 勤務形態が本社と異なりますが それは残業なり休みで調整」
「了解しました 涼子さん 直ぐに人事に連絡をしてください
午後から人選の会議をします 色々な手配をお願いしますね」
「はい 畏まりました」
篠原涼子は皆に一礼をし病室を出ると携帯電話で会社に電話をした

「内藤さん Jr ありがとうございます」
「ははは でも山ちゃん 良かったね 過労で」
「ほんとです 良かったです 神山さん人選が決まり次第連絡をします」
「うん お願いします 指導は大森さんが推薦した人だから間違いないし
本人たちにはキツイ仕事になるけれど 頑張るよう伝えてください」
「ええ それで辞令を出します そうすれば賃金の件も大丈夫です」
「うん 応援している本人達から苦情が出ないよう頼みますね」
「はい 了解です では失礼します」
Jrが篠原涼子と車で病院を出ると 内藤が
「山ちゃん どうだろう うちでも3,4名募集を掛けてみようか
ほら小田原工場のように職業訓練生さ」
「あー それは良いですね そうすれば大森さんも楽になりますね」
「うん 軌道に乗るまで 賃金はうちで支払いをしても良いし」
「そうですね そうすればARXの方も助かるし」
「じゃ そうしましょう ただし1ヶ月位後になりますよ
募集を掛けて 直ぐに現場じゃないですし」
「それは仕方がないですよ でも大森さん 喜びますよ ええ」
「じゃ それでは 失礼しますね」
内藤の車を見送ると 神山も洋子を乗せて銀座に帰った

お昼ごはんは杉田や安井奈々子 屋敷、山崎絵里華を連れだした
「さて お嬢様たちは何を食べたいのかな?」
奈々子や絵里華はヒソヒソと話して神山に
「専務 美味しいお寿司が食べたいです」
「ははは じゃタクシー2台だな 手配してください」
屋敷と杉田が表通りまで駆け足で行くと 直ぐにタクシーがつかまり
神山たちが居るビルの前に来た
「じゃ 翔とテツは僕と一緒だ」
そう言い 2台のタクシーは銀座築地 寿司屋いせ丸へ向った
暖簾をくぐると女将が笑顔で迎えてくれた
「専務になられまして おめでとうございます」
女将が丁寧にお辞儀をするので神山は照れながら