時田は4名から履歴書を受け取るが 杉田と内野誠二の分は
自分の机の上に置き 小谷美佳と篠原涼子の履歴書に目を通した
暫く見ていると 篠原涼子の最後の行に【アルタ 英語教師 契約社員
9月2日付け】となっているのを見つけ 神山に聞いた
「ええ 実は内藤社長が引き受けて頂いても 社員ではない為に
それで急遽の策です 勿論実態はあります 現に小谷美佳さんは
就業時間以外のところで アルタ社員の英語教師で働いています
篠原涼子さんは ARXでは私の部下ですが そこですね」
「そうか まあ その方が話のとおりは良いな 分かった
しかし 内藤さんもやるものだね ははは よし後はじっくりと
拝見させて頂きますよ こちらこそ宜しくね お嬢様たち」
小谷美佳と篠原涼子は一安心したのか 笑顔でちょこんと挨拶をした
「あのぉー 時田社長 私たち男性の履歴書は、、、」
「ははは 大丈夫だよ 山ちゃんを見ていれば分かるだろう
それとも 不味い事でも書いてあるのかな ははは」
杉田は顔を真っ赤にしながら ペコリと頭を下げた
暫く楽しい雑談が続いたが神山が杉田に
「翔 内藤さんにこの事を報告しなければいけないな
出来ればこの後に伺ったほうが良いよ ねぇー社長」
「おぉー 喜ぶぞ 善は急げだ 山ちゃん そうだ いく前に各理事へ
挨拶周りをしておきなさい なぁー秋山君 どうだ」
振られた秋山はニコニコと頷き
「大丈夫ですよ お待ちしている様子です」
「ほら山ちゃん お待ちかねだ それで今日は今日 会場では
又 別に包ませてもらうよ」
時田は4名を個別に呼び 現金のご祝儀を渡した
杉田たちは改めて時田に挨拶をすると 神山の先導で各理事に挨拶した
本来ならば各理事が社員以外の慶事に付いてご祝儀は無いが
4名の上司に当る神山のこともあり 包みを用意した
次長室に戻り 美佳と涼子が紙袋を確認すると年収以上の金額で驚き
内野誠二が神山に
「山ちゃん こんなに頂いていいのかなぁー」
「ははは 誠二ちゃん 貰える時は頂いておきなさい」
隣で杉田も頷いているので 内野誠二はちょっと戸惑ったが
現金を丁寧に包み直し 紙袋にいれた
「ねえ 誠二さん こんなに現金を持ち歩くと怖いわ そこの銀行で
預けておきましょうよ ねぇー美佳さん」
「ええ そうね そうしましょうよ翔ちゃん ねっ」
杉田も頷き 神山に
「先輩 とりあえずそこの銀行で入金をしてきます
アルタさんはそれまで ちょっと待っていて下さい お願いします」
神山が頷くと 杉田達4人は紙袋を大事そうに抱えながら部屋を出た
「ははは 若くて純情だね いいねぇー」
「まぁー 年寄りで済みませんね もう」
田所洋子は再び窓を開けながら笑っていた
9月6日 次長室
「おはようございます ふふふ」
「やあ 早いね それに元気だし どうしたの?」
「喜んでね 今ね 亜矢子さんから電話があって 例の家政婦さんや
介護士さんの事で連絡があったのよ」
「へぇー 僕の所には無かったけれど、、、」
「まぁー 電話をしたら祐子さんが出て 出た後だったんですって」
「そうか うん」
「それでね メイドクラブの方とお会いして面接をしたんですって」
「それは 早いね へぇー」
「そうしたら お二人ともOKで 雇う事にしたそうよ
それで 一人の方は介護の経験があって 亜矢子さんにしては
願ったり叶ったりで大喜びでした」
「そうか それは良かった そうすれば安心してパートでも働けるしね」
「そうでしょ だから 私も良かったわねって ふふふ」
「そうすると あとは金額だけだな 祐子の話しだと月に25万円位と
話していたが どうなんだろう、、、」
「そうそう それでお買い物やお料理などあなたの所と同じ条件で
月に25万円でOKですって」
「そうすると 住み込みになるのかな、、、」
「そこなんだけれど 交代制で泊まり勤務って話していたわ」
「なるほど 幾ら家が広くても二人を住み込みに出来ないかな、、、
それで契約はしたのかな」
「ううん あなたに立ち会って欲しいって もう直ぐ電話があるわよ」
洋子の話が終わった時に亜矢子から電話があった
「よかったね 良い人が見つかったみたいで」
「ありがとうございます 助かります ふふふ」