2014年1月28日火曜日

Vol.1298 きんもくせい -1-71



「あらら 主役抜きですね」
「うん まあ 翔やテツ 絵里華ちゃんの慰労会だね」
「翔や倉さんは大丈夫ですか 途中棄権って聞きましたけど」
「うん なんとか大丈夫だよ しかし蟹のはらを一杯食べられて羨ましいよ」
「テツの英語も流暢でしたが 外国人は理解していましたよ ええ」
「そうか まあ 今回はイレギュラーだし 大目に見てあげないとね」
「そうですね 明日からは平常に戻るでしょ きっと」
「うん そうなって欲しいよ ほんと 仕事にならないもの」
「はい 了解です では失礼します」
電話を切ると洋子が
「奥山さんから?」
「うん 今日のような日が続くと仕事にならないって
それと今夜 慰労会があって誘われたけど 先客で逃げました」
「まぁー 可哀相に 大丈夫ですか」
「うん 大丈夫だよ そうだ洋子 GCでおつまみを差し入れてください」
「はーい じゃ中華や洋食を準備しますね」
「うん ダブらないように由香里姫に話しておいてね お願いします」
洋子は頷くと早速 催事課の由香里の電話をし 差し入れの件を伝えた

仕事に集中しているとすぐに17時をすぎた
「洋子 もうこんな時間だ 帰ろう」
「はーい では支度をしますね」
洋子が帰り支度を始めると電話が鳴った 神山が受話器を取ると
「カトリアーナでーす ふふふ」
「よお お疲れ様 どうしたの?」
「ええ 私 この時間でアップ出来るんですよ それで電話をしたの」
「おぉー じゃ 今朝車から降りた所って分かるかな」
「ええ 大丈夫よ 少し歴史を感じる建物でしょ」
「ははは 歴史ねぇー うん そこで待っています」
「はーい じゃ着替えたら直ぐに行きますね」
電話を切ると洋子が
「カトリアーナから?」
「うん この時間でアップだって 早いね」
「そうかぁー アルバイトだし ほら6時間勤務で考えているからよ」
「なるほど そうすると 実際は8時間居ても6時間勤務なんだね」
「ええ 休憩時間があるからそうなるわね ふふふ」
「そうしたら祐子に連絡をしなければいけないな ははは」
神山は祐子に電話をし みんなで外食する事を伝えた
「そうしたら洋子 上原の駅前寿司で祝賀会だね」
「ええ 泰子さんたちはどうしますか」
「うん 呼んであげようよ 昨日だって前祝したんだし」
「はい 了解です」
洋子は泰子と由貴に電話をして祝賀会の件を伝えた

次長室が入っているビルの出入り口で待っているとカトリアーナが
嬉しそうに手を振って近寄ってきた
「ははは お疲れ様でした」
「ほんと 凄い外国人客だったわ 驚きました ふふふ」
「カトリアーナ お疲れ様でした ふふふ」
3人は一回赤坂のスタジオに戻り 祐子が手配したタクシーで上原に向った
駅前寿司の暖簾をくぐると女将がいつものように奥の座敷に案内した
「あーあ 疲れたわ 今頃になって疲れが出てきたわ」
「ははは 仕方がないよ 初日だし緊張もあるし ねぇー洋子」
「そうね 前のインストラクターと違った職種だし ガンバよ」
「そうそう ガンバよカトリアーナ 水泳をちゃんと教えてね ふふふ」
「そうね スイミングをすれば治るかもしれないわね ふふふ」
4人で楽しく話をしていると 泰子や香織 真由美が来た
「わぁーカトリアーナ 初お仕事 お疲れ様 ふふふ」
3人が席に着くと 女将が生ビールとおつまみを運んできた
「じゃ 初出勤でかんぱーいです」
みんなはジョッキをカチンと合わせ ジョッキを口に運んだ
「わぁー 美味しいわ ふふふ」
カトリアーナは今まで見せたことが無い呑みっぷりだった
洋子が女将に生ビールの追加をした
神山も半分ぐらい呑むと 今日の経緯を泰子らに伝えた
「へぇー 凄いじゃん それで神山さん お店はどうなの?」
「うん 多分だけど 1週間分くらいの売り上げだと思うよ」
「へぇー 凄いわね ねぇー泰子ちゃん」
「ほんと ふふふ 私 杉田さんや洋子さんが販売している所を見たかった」
「おいおい 駄目だよ 本職には負けますよ しかし杉田君や洋子などは
上手にお客を引き寄せ販売をしていたな 上手だったよ ほんと」
「へぇー じゃ益々拝見したくなったわ ふふふ」
神山は杉田や屋敷の販売方法など話したり 洋子のワインの事も話をした
「凄いですね 赤ワインのストックが半分以下ですか へぇー」
「うん 売場にあるワインクーラーの中は 空っぽになっていた
ほんと説明が上手で 美味しいとなったら値段に関係なく買ってくれたね」
「ええ 勿論 最初は安くてお得なワインが出ていたわ でもねそのうちに
だんだんと 値段が高い高級ワインまで売れ出したのよ それでね
面白いのは その高級ワインを買っていったお客って日本人なの」
「へぇー そうだったんだ 不思議だね」
「ええ 外国人が買っているのを見て多分買ったと思うわ ふふふ」
「ほんと 上原のNNショップの時を思い出したよ ははは」
「ええ 私も驚きました ふふふ」