「専務 おはようございます ふふふ」
「おはようございます カトリアーナはどうですか?」
「ふふふ 大丈夫ですよ これだけしっかりとしていれば 大丈夫」
横で聞いていた洋子がサービス課の女の子に
「はい これはお土産です 3時のおやつでみんなで食べてね」
そうすると又 きゃぁーきゃぁーと騒がしくなった
カトリアーナもみんなと一緒に箱を開け 楽しそうだった
「洋子 すっかりと溶け込んでいるね よかった」
「そうね よかったわ ふふふ」
洋子が突然 カトリアーナにフランス語で
「この職場って楽しい?」
カトリアーナは直ぐに ニコニコと返事をして仲間に
「洋子さんは この職場は楽しいって聞いてきたの だから最高ってね」
このこともあり みんなはカトリアーナに一目置くようになった
「へぇー カトリアーナ 今度フランス語を教えてね ほら 今までのは
どちらかと言うと文法とかが先行していたと思うの でも実践で
役に立つ英語やフランス語ってまだ分からないもの」
「うん 良いわよ すごく簡単よ」
神山は時計を見ると9時15分になっていたので課長に
「済みませんが 店長の所へ挨拶に行ってきます」
「あっ そうですね ごめんなさい ではお願いします」
「そうそう 課長さんも一緒に来てください お願いします」
カトリアーナ、神山、洋子、サービス課長が店長室に訪れると
秘書課長は何事が起きたかと 神山に近寄ってきた
「専務 どうされましたか?」
「ははは 店長にご挨拶ですよ いらっしゃいますか」
秘書課長の田中は頷き店長室へ案内した
「やぁー山ちゃん おはようございます」
「おはようございます ご無沙汰をしています
本日は 今日からサービス課で勤務するカトリアーナ ドヌーブさんの
挨拶で伺わせて頂きました」
「おお そうだったね ありがとう」
「さあ カトリアーナ」
カトリアーナは簡単に自己紹介をし挨拶をすると池上は
「カトリアーナさん 短い間ですが 頑張ってください お願いします」
神山や洋子 カトリアーナもお辞儀をすると 池上が
「それでは1階にいこう 今日は早めに行った方が良いしね」
「そうですね 私もいきます」
販促部長の挨拶は時間的に無理になり 1階のサービスカウンターへ
みんなで向かう事になった
「山ちゃん しかし美しい女性だね モデル雑誌から飛び出てきた感じだね」
「まあ フランス人だし 本家本元ですしね ははは」
店内に入ると 店長だけでなく神山や洋子が一緒に居る事 そして
サービス課の制服を着た外人が居る事で騒がしくなった
それを察した洋子がそわそわしている若い従業員に対し
「はーい 開店の準備は出来たのですか お願いしますね」
大きな声で言ったものだから みんな自分の仕事をするようになった
「山ちゃん 彼女も大したものだね」
「ははは 助かっていますよ ほんと」
木曜日の朝は店長や店次長は開店前に 1階装飾の点検があり
見回りにくるが 今朝は神山と洋子も一緒なので 従業員は何事かと思い
緊張した開店を待つことになった
カトリアーナはカウンターの外でスタンバイをして 神山や洋子は
一歩さがりカトリアーナの動きを見ることにした
10時丁度に開店すると サービス課の女子社員は丁寧にお辞儀をして
お客様を店内に招いた
カトリアーナも目の前を通り過ぎるお客に対し丁寧にお辞儀をしていた
神山たちが安心をして帰ろうとしたときに 外国の団体客がきて
サービス課の女の子に何事か聞いていたが 良く通じていないのか
カトリアーナのところに来て聞いた
「婦人服で最高のものは何処ですか」
「はい 私が着ているこの制服ですが パリのNNブランドです」
「おぉー 素晴らしい どこにありますか?」
「はい この通路を真っ直ぐに行った 右側にございます」
「ありがとう」
外国人ツアー客は30人はいただろう 一斉にNNブティックへ
走るようにして向っていった
神山がカトリアーナに訳を聴こうとした時に 新たな外国人ツアー客がきて
その客達にもカトリアーナがNNブティックを紹介したから大変になった
NNブティックでは何事が起きたか分からず 商品がどんどんと売れて
ストック場から品だしをしていた
「あらら 洋子 お手伝いだね これは」
「まぁー 大変ね でもカトリアーナはなんて言ったのかしら」
「ははは まあ 後で聞きましょう それより翔を呼んで」