神山は先ほど外国人と話したことを伝えると
「なるほどですね 分かりますよ 私も連絡しますよ ふふふ」
そこにサービス課長がきて ニコニコして神山に
「専務 お手柄ですね 聞きましたよ店長から」
「まあ カトリアーナにしてみれば当たり前のことですよ」
「それで カトリアーナさん 30分ばかり休憩して良いわよ ふふふ」
「わぁー ありがとうございます 課長」
「じゃ カトリアーナ 休憩室でコーヒーでも飲もうか」
「はーい」
二人はサービス課の控え室に向った
この時 洋子、杉田、安井奈々子、池上店長は売場で手伝いをしていた
「そうか 最高の婦人服はどこかって聞かれて NNを紹介したんだ」
「ええ だってパリだってNNは最高よ 日本ではまだマイナーだけど」
「それでお金を持っている客が NNに流れ込んだ訳だね ははは」
神山とカトリアーナはサービス課控え室でコーヒーを飲みながら話してた
他のサービス課員は神山と話をしたかったが 込み入った話をしているので
遠慮をして仲間同士で話をしていた
「先輩 今何処ですか」
カトリアーナと楽しく話をしていると杉田から電話が入った
「うん 今ね女の子がわんさか居る所で休憩している」
そう話すと 周りに居た若い女の子達が騒ぎ始めた
「先輩 そんなぁー 地下のお酒売場が大変ですよ 来てくださいよ もう
僕なんて奈々子もですが 休憩無しですよ もう 地下ですよ地下」
「おいおい わかったよ 怒るなよ そうしたらさ奥ちゃんも呼びなさい」
「えっ 課長もですか?」
「当たり前だよ 翔の方が上なんだから 呼びなさい そうそう倉さんも」
「了解しました そうします でも地下ですよ ほんと大変です」
神山が電話を切るとカトリアーナが心配そうに
「どうしたの 地下、地下って」
神山は外国人客に地下お酒売場に美味しいワインがあると話をして
それで多分 売場がてんてこ舞いになっているんだろうと説明した
「ふふふ 今度は神山さんのお話ね」
「うん なので応援に行ってきます ゴメンね」
神山が立ち上がると周りの女の子達はキャァーキャァーいって
「もう 行っちゃうんですかァー 寂しいなァー ねぇー」
「そうそう もう少し居てくださいよぉー ねぇー」
「ははは ゴメンね これもお仕事です 午後からもガンバだよ」
若い女の子達はニコニコと笑顔で答え 見送ってくれた
地下のお酒売場に行くと洋子が英語で外国人客にワインの説明をして
販売をしていた
洋子は神山を見つけると
「あーあ 駄目よ 呑みすぎたわ ふふふ」
「おいおい 説明して販売だろ」
「だって外国人って お互いに飲むと信用するのよ なのでその作戦は
大当たりしたけれど おつまみが無いでしょ ふふふ」
神山は直ぐに傍の売場で プレーンクラッカーとナチュラルチーズを買い
「はい 洋子 これを一緒に勧めればいいよ 勿論 洋子も食べてね」
「わぁー ありがとう 優しいのね」
外国人客が廻りに一杯居る事を意識して 神山のホホに軽くキスをした
客からは指笛や拍手が沸き 売場の店員たちは何事かと思った
ここで神山は少しだけ洋子のお手伝いをした
「ステーキに合うワインは ステーキを焼いている人に聞くのが一番」
この話をすると 指笛や拍手が沸き 人の輪が大きくなってきた
神山と洋子が英語で漫才のように話し ワインを紹介するので
お酒売場は ワインの在庫が心配になった
話が一段楽した時に神山が洋子に
「洋子 ありがとう ところで翔はどうしたの 僕の事を地下に来いって」
「ふふふ ほら北海道の物産展でしょ あそこに居るわよ
屋敷君 絵里華ちゃんも みんな一緒よ ふふふ」
「そうか 倉さんはどうしたの?」
「ええ 私が来る前に日本酒を勧めていたんですって それで呑みすぎて」
「ありゃー それはちょっとねぇー」
「ええ 外国人客も呑み過ぎて保健室で休憩しています」
「えっ って言うと呑み比べしたの、、、」
「ふふふ そうみたいよ 由香里の話しだと 頑張ったみたい」
「おいおい お仕事だよ それで外国人は大丈夫なのかな」
「ええ 点滴までいかないって だから夕方まで駄目ね」
「ははは 参ったね でも倉さんも良くやるよな ほんと
じゃ ぼくは向こうを見てくるよ」
「はーい カトリアーナは大丈夫」
「うん 大丈夫だよ じゃ」
「先輩 いらっしゃいませー」
「おい 翔 随分と赤い顔して大丈夫か?」