2014年1月31日金曜日

Vol.1301 きんもくせい -2-72



「あれっ 洋子さんが伺っていますが、、、」
「ええ その件ではなくて 新しい仕事です」
「はぁー、、、」
内藤はゴテンバ アウトレットの工事関係者が宿泊する場所の確保と
その宿泊施設のことを掻い摘んで説明した
「へぇー そうするとその参加する農家の方と話し合いですね」
「うん 建築業者も山ちゃんのことは良く知っているし ここは
どうだろう お願いできないかな」
「ええ いいですけれど うちのメリットは、、、」
「うん 山ちゃんの頭で後々の利益配分が違ってきますよ」
「なるほど 分かりました それでいつから動けば良いのですか」
「うん 出来れば早いほうが良いですね」
「はい 分かりました」
内藤との用件が終わり電話を切ると 直ぐに大熊工務店東京東支店店長
加藤武雄から電話が入った
「おはようございます 山ちゃん」
「おはようございます 珍しいですね」
「ええ それでこれから山ちゃんの処へ伺いたいんですが」
「はぁー 別にいいですが、、、」
「ははは 大丈夫ですよ ではこれから直ぐに伺います」
「ええ なにか用意するものは、、、」
「ははは それはお楽しみです」
「はい お待ちしています」
神山はGプロの高橋孝一に用事が出来た事を伝え 次長室に戻った

「やぁ 早いね ありがとう」
「ええ 直ぐにいただけました ふふふ」
「じゃ 洋子 全額預かってください お願いします」
洋子はアルタの自由費400万円を引き出しに仕舞った
タイミングを見て神山が内藤の話や加藤武雄が訪ねてくる事を話した
「へぇー そう言われればそうですよね 作業員の宿泊施設って
大切ですもの そのお話はどう進めるのですか?」
「うん 内藤さんの話しだと もうすぐFAXが来るんだけどな、、、」
「じゃ そのFAXの内容を確認しながら 進めるわけですね」
「うん そうなるね しかし遅いなァー」
神山は次長席で 仕事を纏めていると 加藤武雄達が訪ねてきた
「あれっ かんけんさんと鈴木建設さんも えっ、、、」
訪ねてきたのは6月14日に建築協会で各会社の顧問に就任した
株式会社かんけん 副社長井伊敏郎と株式会社鈴木工務店 
副社長の鈴木寅之助だった
「ははは 山ちゃんを驚かせようと思って」
「ええ まあ 座ってください」
4人はソファーに座ると 加藤武雄が
「実は内藤さんとの話は もう進んでいるんですよ」
「ああ 作業員宿泊施設の件ですか、、、」
「ええ かんけんさんや鈴木工務店さんも 下請けが工事に入るので
関係者の宿泊施設を探していたんです
そこで 私どもの会社で情報を察知して プレハブですが作っています」
「そうですよね でないとあれだけの広さだから 関係者が街に行っても
満室で宿泊する所が無いと不便ですよね うん」
「そうなんですよ それで土地を提供してくださる方 まあ殆ど農家の方で
快く土地を提供してくれたんです」
「へぇー 田んぼや畑はどうするんですか、、、」
「ええ お借りする所は 田や畑ではなくて 空き地になっていて
まあ 草がぼうぼうですが 現場には近いし メリットは充分です」
「そうすると 僕の出番が無いじゃないですか ははは」
「いえいえ 大いにあるんですよ」
加藤武雄は現場周辺の地図を広げ 説明をした
「えっ この場所にホテルですか へぇー 凄いですね」
「ええ それで箱を作るのに かんけんさんと鈴木工務店さんと
ジョイントで工事をする事になったんです」
「はぁー なるほど そういう訳ですか で僕の仕事は、、、」
「ええ まず今までの感性で外観などをアップして欲しいのです」
「はっ だってアルタスカイだって 良いデザインするし」
「ははは まあ それはそれとして 山ちゃんのデザインが欲しいんです」
神山は暫く考え
「分かりました お引き受けしましょう でも早急の話でしょ」
「ええ オープンには間に合わなくても 夏前に出来るよう考えてます」
「なるほど しかし急な話ですね ははは」
加藤武雄は今までの経緯を説明した
「なるほど かんけんさんも動いていて 鈴木工務店さんも動いてた
ところが関係者の宿泊施設だけじゃなくて ホテルの話が出てきた
そこで加藤さんとしては かんけんさんや鈴木工務店さんも
動いていた事だし ここは丸く収める意味でジョイントですね」







2014年1月30日木曜日

Vol.1300 きんもくせい -2-72



「ええ お正月に入ったらいきます お願いしますね ふふふ」
「がんばってお仕事をしてね そうそう何かあったら 神山さんに報告よ
だってすぐ傍にいるんだし 分かった!」
「はーい 了解です ふふふ」
「じゃ 楽しい所お邪魔しました」
「ううん 嬉しいよ ほんと 由紀枝さんと亜矢子さんが居ればね
でも 遠いし無理だものね ありがとう」
「うん 遠くても応援しているからさ 頑張ってね」
「はーい 分かりました ありがとうございます」
「はーい じゃ 失礼します
そうそう 洋子さんにありがとうって伝えておいてね」
カトリアーナは電話を切ると 洋子に由紀枝の託を伝えた
神山が明るくなったので洋子は作戦が成功して良かったと思った

内藤も楽しく呑んだり食べたりしたが神山に
「山ちゃん そろそろ失礼します ご馳走様でした」
「あっ もうこんな時間ですね はい ありがとうございます」
「じゃ みなさん頑張ってください 失礼します」
内藤は神山にお辞儀をして席を立ち 美女軍団に手を振って店を後にした
「では 我々もそろそろお開きにしましょう」
「はーい ご馳走様でした」
美女軍団が神山に挨拶をすると洋子が女将に精算をお願いした
店を出ると洋子に
「洋子 桃子ちゃんと由貴をお願い 泰子は香織と真由美をお願いね」
そういいタクシー代を二人に渡し 祐子がつかまえたタクシーで帰った

赤坂のスタジオに戻ると
「さあ カトリアーナ 明日もお仕事でしょ 早く寝ようね」
「ジャーン 残念でした 明日の金曜日はお休みだって その代わり
土曜日と日曜日は出勤なのよ ふふふ だから今夜はゆっくりと出来るわ
ねぇー お願いがあるの 聞いてくれる?」
「うん なぁに」
「うん ほら 神山さんが会員の伊豆山カンツリークラブに行きたいんだ
さっき 泰子さんとも話をしていて 神山さんがOKならいいよって
それでね 3人で行きたいんです」
「おぉーそうか うん いいよ ご褒美だね でも運転があるでしょ」
「OKだったら泰子さんがここまで来てくれて それで行きます」
「ははは 参った じゃ 祐子 カトリアーナ 気を付けてね」
祐子とカトリアーナは手を握りよかったとはしゃいだ
神山は喜んでいる二人を微笑み 嬉しく思った
「やぁー 泰子 悪いね 二人をお願いします」
「はーい 良かったわ ふふふ それで明日のお休みですが
後日 有給休暇証を提出しますね」
「うん わかったよ 運転にはくれぐれも気を付けてね」
「はーい 了解です」
「じゃ お休み」
電話を切り 祐子とカトリアーナに
「泰子が快く引き受けてくれたよ 良かったね」
「ありがとうございます ふふふ」
「ねえ カトリアーナ 早速明日の支度があるでしょ それと
早く起きるから 今夜は早く寝ましょうね いいわね」
「はーい 祐子の言うとおり 早く寝ましょうね ふふふ」
神山は完全に無視をされ 二人の笑顔を眺めているだけだった
その夜は3人でお風呂に入り SEXをしたが
ベッドに入ると 祐子とカトリアーナは直ぐに吐息を立て寝てしまった
神山は若い二人の寝顔を見ながら ブランデーで気分転換し床についた

9月11日 金曜日 快晴
神山は祐子とカトリアーナを見送り 早い時間だが出勤をした
仕事に集中していると いつもの時間に洋子が出勤してきた
「やぁー おはよう」
「あらっ 早いですね ふふふ」
神山は昨夜の事を説明すると洋子は少しだけ羨ましがったが
「でも 若い時ってなんでも出来るし ほんと今しか出来ないものね」
「おいおい 洋子だって まだまだ若いよ ほんと」
「まぁー 朝からなにも出ないですよ そうそう アルタへ行って来ますね」
「えっ、、、」
「まぁー ほら自由費をいただきに伺ってきます」
「そうか 忘れていた うん お願いします」
神山がフェアレディーZのキーを渡すと洋子はニコニコして部屋を出た

Gプロの部屋で高橋孝一達と仕事を進めていると 内藤から電話が入った
「はい 神山です」
「やあ 山ちゃん おはようございます」







2014年1月29日水曜日

Vol.1299 きんもくせい -2-72



9月10日 夜 上原駅前寿司
「お待たせしましたぁー」
「おぉー 桃子ちゃんに由貴 良く来てくれました ありがとう」
神山や洋子 カトリアーナたちは二人を向いいれ直ぐに
「じゃ 改めてカトリアーナの初お仕事でかんぱーい」
再びジョッキがカチンを音を立てると キャァーキャァーと騒がしくなった
暫く呑んだり食べたりしていると アルタの内藤がお店に来た
「あっ 洋子 内藤さんだよ それも一人だよ」
「へぇー だれと会うのかしら、、、」
そう話していると 内藤が神山を見つけテーブルにきた
「やあ 山ちゃん ご一緒させてもらっても良いですか?」
「ええ どうぞ どうぞ」
美女軍団は先日のゴルフで面識があるので挨拶をした
「やあ やあ 驚かせて済みません」
「あのぉー なにか重要な話ですか 席を替えましょうか?」
「いやいや 今夜はカトリアーナさんにご褒美ですよ」
「えっ ご褒美って、、、」
「先ほど時田さんから連絡がありましてね それで、、、」
内藤が言うには 18時を過ぎた頃に時田から電話で 神山が紹介した
カトリアーナと言う女性が売り上げに大変貢献して 銀座店は久しぶりに
大忙しになった そこで催事課で慰労会の計画を立て 関係者の出席を
募ったが神山と洋子が出席できないとのことだった
池上店長が時田を招待したが神山のことが気になり 内藤に電話があった
「そこで僕は直ぐにピーンときたよ 絶対にここだってね」
「ははは なるほど でもなぜご褒美なんですか?」
「だって 御殿場のリーダーでしょ うちとの関係おおありですよ」
「そうか なるほど 納得しました ははは」
「って ことでカトリアーナさん 今日は初仕事お疲れ様でした
これは私からの気持ちです 受け取ってください それでGGIでも
一杯スキルアップしてください お願いしますね」
内藤はカトリアーナに分厚い事務封筒を渡した
カトリアーナは神山と洋子をみると 頷いているので笑顔で受け取り
「内藤さん ありがとうございます ふふふ」
「うん 少ないけれど これで美味しいものを一杯食べてください」
「はーい 無くなったらまた甘えても良いですか ふふふ」
これには神山だけでなく みなで大笑いをした

「ところで由貴 久保さんはどうしたの?」
「ええ 銀座で慰労会をしていますよ ふふふ」
「そうか 凄い勢いだったものね」
「ええ 倉庫から3回も運んだそうです なので売り上げは1か月分以上」
「えっ そんなに売れたの へぇー」
「神山さん 内緒ですよ みんなも黙っていてね いい!」
美女軍団や神山 内藤が頷くと
「実はパリに返品する分が混ざっていたんですよ これは
久保マネージャーが間違った注文を出したわけじゃなくて
あえて納品をさせたそうなんです そしたらそれが全部はけたんです
凄いでしょ だからパリ返品は随分と無くなりましたよ」
「へぇー そんなこともあるんだ 凄いね その考え方も」
「ええ だって対象が日本人じゃないでしょ それにイタリアやフランス
アメリカ人相手だったら 充分に戦えるブランドですもの」
「あっ そうか 外国人だからOKなんだよね なるほど
その場の空気を瞬時に感じ取って 販促策を構築するとは大したものです」
「そうでしょ それで筒井が銀座店の整理と慰労会なんですよ」
「なるほど 了解しました」
聞いていた内藤が
「やはり久保さんって凄い女性ですね うん」
内藤は神山と久保が以前の事があるので これ以上は話さなかった
「じゃ 由貴と桃子ちゃんも慰労会じゃなかったの 大丈夫かな、、、」
「ええ 大丈夫ですよ ほらうちからも銀座店に出しているでしょ
その整理や倉庫からの入荷などがあって こちらはこちらで忙しかったし」
「そうだね ははは ほんとカトリアーナの一言だね 大したものです」
改めて日本酒で乾杯をすると 席は楽しく盛り上がった

神山はこの席に由紀枝と亜矢子が居ない事を寂しく思った
その顔を洋子は直ぐに見抜き携帯電話で何処かへ電話をした
「はい 神山さん 由紀枝さんですよ」
驚く神山だったが 直ぐに携帯を受け取り今日の出来事を話した
「わぁー 凄いじゃん へぇー やるわねカトリアーナ ふふふ」
「うん ちょっと待ってね カトリアーナと替わるね
カトリアーナです 由紀枝さん こんばんわ ふふふ」
「凄いわね うちに来ても大丈夫ね ふふふ」
「ええ 英語とフランス語では負けないけれど ゴルフと接客はね、、、」
「ふふふ 来年でしょ こっちにくるのって」






2014年1月28日火曜日

Vol.1298 きんもくせい -1-71



「あらら 主役抜きですね」
「うん まあ 翔やテツ 絵里華ちゃんの慰労会だね」
「翔や倉さんは大丈夫ですか 途中棄権って聞きましたけど」
「うん なんとか大丈夫だよ しかし蟹のはらを一杯食べられて羨ましいよ」
「テツの英語も流暢でしたが 外国人は理解していましたよ ええ」
「そうか まあ 今回はイレギュラーだし 大目に見てあげないとね」
「そうですね 明日からは平常に戻るでしょ きっと」
「うん そうなって欲しいよ ほんと 仕事にならないもの」
「はい 了解です では失礼します」
電話を切ると洋子が
「奥山さんから?」
「うん 今日のような日が続くと仕事にならないって
それと今夜 慰労会があって誘われたけど 先客で逃げました」
「まぁー 可哀相に 大丈夫ですか」
「うん 大丈夫だよ そうだ洋子 GCでおつまみを差し入れてください」
「はーい じゃ中華や洋食を準備しますね」
「うん ダブらないように由香里姫に話しておいてね お願いします」
洋子は頷くと早速 催事課の由香里の電話をし 差し入れの件を伝えた

仕事に集中しているとすぐに17時をすぎた
「洋子 もうこんな時間だ 帰ろう」
「はーい では支度をしますね」
洋子が帰り支度を始めると電話が鳴った 神山が受話器を取ると
「カトリアーナでーす ふふふ」
「よお お疲れ様 どうしたの?」
「ええ 私 この時間でアップ出来るんですよ それで電話をしたの」
「おぉー じゃ 今朝車から降りた所って分かるかな」
「ええ 大丈夫よ 少し歴史を感じる建物でしょ」
「ははは 歴史ねぇー うん そこで待っています」
「はーい じゃ着替えたら直ぐに行きますね」
電話を切ると洋子が
「カトリアーナから?」
「うん この時間でアップだって 早いね」
「そうかぁー アルバイトだし ほら6時間勤務で考えているからよ」
「なるほど そうすると 実際は8時間居ても6時間勤務なんだね」
「ええ 休憩時間があるからそうなるわね ふふふ」
「そうしたら祐子に連絡をしなければいけないな ははは」
神山は祐子に電話をし みんなで外食する事を伝えた
「そうしたら洋子 上原の駅前寿司で祝賀会だね」
「ええ 泰子さんたちはどうしますか」
「うん 呼んであげようよ 昨日だって前祝したんだし」
「はい 了解です」
洋子は泰子と由貴に電話をして祝賀会の件を伝えた

次長室が入っているビルの出入り口で待っているとカトリアーナが
嬉しそうに手を振って近寄ってきた
「ははは お疲れ様でした」
「ほんと 凄い外国人客だったわ 驚きました ふふふ」
「カトリアーナ お疲れ様でした ふふふ」
3人は一回赤坂のスタジオに戻り 祐子が手配したタクシーで上原に向った
駅前寿司の暖簾をくぐると女将がいつものように奥の座敷に案内した
「あーあ 疲れたわ 今頃になって疲れが出てきたわ」
「ははは 仕方がないよ 初日だし緊張もあるし ねぇー洋子」
「そうね 前のインストラクターと違った職種だし ガンバよ」
「そうそう ガンバよカトリアーナ 水泳をちゃんと教えてね ふふふ」
「そうね スイミングをすれば治るかもしれないわね ふふふ」
4人で楽しく話をしていると 泰子や香織 真由美が来た
「わぁーカトリアーナ 初お仕事 お疲れ様 ふふふ」
3人が席に着くと 女将が生ビールとおつまみを運んできた
「じゃ 初出勤でかんぱーいです」
みんなはジョッキをカチンと合わせ ジョッキを口に運んだ
「わぁー 美味しいわ ふふふ」
カトリアーナは今まで見せたことが無い呑みっぷりだった
洋子が女将に生ビールの追加をした
神山も半分ぐらい呑むと 今日の経緯を泰子らに伝えた
「へぇー 凄いじゃん それで神山さん お店はどうなの?」
「うん 多分だけど 1週間分くらいの売り上げだと思うよ」
「へぇー 凄いわね ねぇー泰子ちゃん」
「ほんと ふふふ 私 杉田さんや洋子さんが販売している所を見たかった」
「おいおい 駄目だよ 本職には負けますよ しかし杉田君や洋子などは
上手にお客を引き寄せ販売をしていたな 上手だったよ ほんと」
「へぇー じゃ益々拝見したくなったわ ふふふ」
神山は杉田や屋敷の販売方法など話したり 洋子のワインの事も話をした
「凄いですね 赤ワインのストックが半分以下ですか へぇー」
「うん 売場にあるワインクーラーの中は 空っぽになっていた
ほんと説明が上手で 美味しいとなったら値段に関係なく買ってくれたね」
「ええ 勿論 最初は安くてお得なワインが出ていたわ でもねそのうちに
だんだんと 値段が高い高級ワインまで売れ出したのよ それでね
面白いのは その高級ワインを買っていったお客って日本人なの」
「へぇー そうだったんだ 不思議だね」
「ええ 外国人が買っているのを見て多分買ったと思うわ ふふふ」
「ほんと 上原のNNショップの時を思い出したよ ははは」
「ええ 私も驚きました ふふふ」








2014年1月27日月曜日

Vol.1297 きんもくせい -1-71



「大丈夫ですよ どうですか この蟹 最高級ですよ」
杉田と屋敷は蟹の販売を手伝っていて 屋敷の英語が分かり易く そして
蟹のはらと日本酒が合うと説明し 杉田が実演し試食をしていた
杉田は美味しい蟹のはらと日本酒で気分が良くなり呑むのを自重したが
屋敷が上手に説明をしているので 日本酒を呑まない訳にはいかなかった
食品部長が神山に
「山ちゃん お久しぶり 元気そうだね」
「ははは 部長こそ 顔色良いですよ」
「まあな 翔ちゃんが来るまで呑んでいたから ははは
ところで この騒ぎはどうしたの 1F、地下、催事場、3階のプレタ
殆どの売場がパニ食っているよ ははは」
神山は事の成り行きを説明すると
「へぇー そんな天才少女がわが鈴やに居るんだ へぇー」
「ただし 地下のお酒に関しては僕ですけれどね ははは」
「そうだね ははは 山ちゃん どうだね 蟹を食べていってよ」
「いえいえ 翔とテツのおかずを取り上げられないでしょ」
「そうだね ははは しかし 凄い売り上げだよ 実はね 冷凍庫に
もう無いんだよ ははは 凄い 参りました」
「えっ 1週間分が無くなったんですか」
「うん って言うか 日曜日までだけどね でも凄いよ
担当者にはっぱをかけて 明日の分を何とかしろって ははは」
「大丈夫ですか」
「うん 何とかするよ しかし外国人って美味しいものには目が無いね
それに値段を知っているから 安いと直ぐに買うよ」
「ええ そうですね ワインもそうですし 凄いパワーですね」
神山と食品部長が話していると 杉田と屋敷はスィーツのコーナーに行った
チョコレートケーキや色々甘いものを扱っている所だ
神山は不思議に思い二人を観察すると 外国人客でも歳の若い女の子に
せがまれ 場所を移動したみたいだった
屋敷が説明して一口、二口食べ客にも勧めると 笑顔で美味しいといい
幾つもバスケットを購入してくれた
若い女の子は直ぐに携帯電話で連絡をすると 同じような年齢の女の子が
売場にやってきて キャァーキャァー話しながら試食をしては
バスケットを購入してくれた
屋敷の上手な英語で 女の子達はニコニコしながら説明を聞いていた
「ねぇー マスター あそこのラーメンって美味しいの?」
これには屋敷も答えられなかったが 杉田が笑顔で食べる真似をすると
「マスター 美味しそうだから食べたいわ 案内して」
10人以上いる外国人ギャルに勧められ 実演味噌ラーメンに入った
時間が時間で 少し待つことになったが杉田が無理を話した
ラーメン店でも杉田が最初に試食をしてOKとサインを出すと
外国人ギャルたちはそれぞれ好みの味噌ラーメンを注文した
「テツ もう駄目だ お腹の中が可笑しいよ」
「だって 先輩が試食をして売り上げを伸ばすって 自分で言ったんですよ
テツ お前は英語で客を引き寄せて 後は任せろって もう」
「わかった もう苛めないで これにて終了 あとはマスターに任せる」
「もう お仕事ですよ ほんと日本酒の呑みすぎですよ」
「わかった もう言うな 俺さ部屋に戻るよ お願いだ」
「はい ご愁傷様」
「こらっーテツ でもそうだよな じゃ 頼んだよ
テツも ここのラーメン食べていきなよ 頼んだよ あのギャル達」
杉田は屋敷に5千円渡すと 外国人ギャルに笑顔で挨拶をして部屋に戻った

神山は洋子が頑張っているお酒売場に寄ると丁度休憩をしていて
「じゃ そろそろ戻ろうよ」
「そうですね 私もちょっとばかりくたびれました」
神山と洋子はお酒売場の課長に挨拶をして次長室へ戻った
「やあ お疲れ様でした」
「ほんと くたびれたわ 銀座物語の時も大変だったけど 今度は
外国人が相手でしょ ふふふ 久しぶりに頭が疲れました」
「しかし カトリアーナの一言でこんなに繁盛するとはねぇー」
「そうですよ 凄いパワーですね 驚きました ふふふ」
「では お昼を食べに行こうか どこにする?」
「そうねぇー 店内だと混雑しているし うん 串揚げ屋さんがいいわ」
神山と洋子は近くビルにある串揚げ屋でお昼を済ませた

次長室に戻ると催事課の奥村課長から電話が入った
「あっ お久しぶりです」
「専務 しかし凄い女性を入社させましたね」
「ははは アルバイトですよ」
「池上店長が驚いていますよ それで今夜は催事課でお祝いだそうです
そこで是非 専務にもご出席をお願いしたいと思いまして」
「ははは 課長 ぼくは先客が合って駄目なんですよ 済みません」
「そうかぁー 残念だなぁー 仕方がないですね」
「サービス課のカトリアーナさんを誘えばいいじゃないですか」
「うん ところが先客があるんだ 駄目なんだよ」







2014年1月26日日曜日

Vol.1296 きんもくせい -1-71



神山は先ほど外国人と話したことを伝えると
「なるほどですね 分かりますよ 私も連絡しますよ ふふふ」
そこにサービス課長がきて ニコニコして神山に
「専務 お手柄ですね 聞きましたよ店長から」
「まあ カトリアーナにしてみれば当たり前のことですよ」
「それで カトリアーナさん 30分ばかり休憩して良いわよ ふふふ」
「わぁー ありがとうございます 課長」
「じゃ カトリアーナ 休憩室でコーヒーでも飲もうか」
「はーい」
二人はサービス課の控え室に向った
この時 洋子、杉田、安井奈々子、池上店長は売場で手伝いをしていた

「そうか 最高の婦人服はどこかって聞かれて NNを紹介したんだ」
「ええ だってパリだってNNは最高よ 日本ではまだマイナーだけど」
「それでお金を持っている客が NNに流れ込んだ訳だね ははは」
神山とカトリアーナはサービス課控え室でコーヒーを飲みながら話してた
他のサービス課員は神山と話をしたかったが 込み入った話をしているので
遠慮をして仲間同士で話をしていた
「先輩 今何処ですか」
カトリアーナと楽しく話をしていると杉田から電話が入った
「うん 今ね女の子がわんさか居る所で休憩している」
そう話すと 周りに居た若い女の子達が騒ぎ始めた
「先輩 そんなぁー 地下のお酒売場が大変ですよ 来てくださいよ もう
僕なんて奈々子もですが 休憩無しですよ もう 地下ですよ地下」
「おいおい わかったよ 怒るなよ そうしたらさ奥ちゃんも呼びなさい」
「えっ 課長もですか?」
「当たり前だよ 翔の方が上なんだから 呼びなさい そうそう倉さんも」
「了解しました そうします でも地下ですよ ほんと大変です」
神山が電話を切るとカトリアーナが心配そうに
「どうしたの 地下、地下って」
神山は外国人客に地下お酒売場に美味しいワインがあると話をして
それで多分 売場がてんてこ舞いになっているんだろうと説明した
「ふふふ 今度は神山さんのお話ね」
「うん なので応援に行ってきます ゴメンね」
神山が立ち上がると周りの女の子達はキャァーキャァーいって
「もう 行っちゃうんですかァー 寂しいなァー ねぇー」
「そうそう もう少し居てくださいよぉー ねぇー」
「ははは ゴメンね これもお仕事です 午後からもガンバだよ」
若い女の子達はニコニコと笑顔で答え 見送ってくれた

地下のお酒売場に行くと洋子が英語で外国人客にワインの説明をして
販売をしていた
洋子は神山を見つけると
「あーあ 駄目よ 呑みすぎたわ ふふふ」
「おいおい 説明して販売だろ」
「だって外国人って お互いに飲むと信用するのよ なのでその作戦は
大当たりしたけれど おつまみが無いでしょ ふふふ」
神山は直ぐに傍の売場で プレーンクラッカーとナチュラルチーズを買い
「はい 洋子 これを一緒に勧めればいいよ 勿論 洋子も食べてね」
「わぁー ありがとう 優しいのね」
外国人客が廻りに一杯居る事を意識して 神山のホホに軽くキスをした
客からは指笛や拍手が沸き 売場の店員たちは何事かと思った
ここで神山は少しだけ洋子のお手伝いをした
「ステーキに合うワインは ステーキを焼いている人に聞くのが一番」
この話をすると 指笛や拍手が沸き 人の輪が大きくなってきた
神山と洋子が英語で漫才のように話し ワインを紹介するので
お酒売場は ワインの在庫が心配になった
話が一段楽した時に神山が洋子に
「洋子 ありがとう ところで翔はどうしたの 僕の事を地下に来いって」
「ふふふ ほら北海道の物産展でしょ あそこに居るわよ
屋敷君 絵里華ちゃんも みんな一緒よ ふふふ」
「そうか 倉さんはどうしたの?」
「ええ 私が来る前に日本酒を勧めていたんですって それで呑みすぎて」
「ありゃー それはちょっとねぇー」
「ええ 外国人客も呑み過ぎて保健室で休憩しています」
「えっ って言うと呑み比べしたの、、、」
「ふふふ そうみたいよ 由香里の話しだと 頑張ったみたい」
「おいおい お仕事だよ それで外国人は大丈夫なのかな」
「ええ 点滴までいかないって だから夕方まで駄目ね」
「ははは 参ったね でも倉さんも良くやるよな ほんと
じゃ ぼくは向こうを見てくるよ」
「はーい カトリアーナは大丈夫」
「うん 大丈夫だよ じゃ」

「先輩 いらっしゃいませー」
「おい 翔 随分と赤い顔して大丈夫か?」






2014年1月25日土曜日

Vol.1295 きんもくせい -1-71



洋子は安井奈々子に電話をして 大至急NNブティックに来るよう伝えた
NNブティックの前は混雑をしていて けが人が出る恐れがあった
神山は婦人服飾部長を呼び 入場制限をするよう指示をした
「山ちゃん おはようさん どうしたの これ」
「ははは 分かりません」
「まったく 嬉しい悲鳴だね ははは」
外国人ツアー客はまだ増え続け 3列に並ぶよう神山は英語で指示をした
池上店長が神山のところに来て
「山ちゃん どうしたの これ」
「ははは 分かりません ただカトリアーナと何か話していたんですよ
そしたら最初のツアー客が走っていったんです それからですね」
「でも この客数だと 直ぐに売り切れだろう」
「ええ NNブティック完売ですね ははは」
「おいおい 山ちゃん しかし凄いね」
「でも 今回は上原に廻しませんよ」
「うん それは不味いな しかしどうしたものだろう」

30分もするとブティックで展開している商品の半分以上が無くなり
祥子一人でウラから品だしをしているので 神山も手伝った
そこに杉田や安井奈々子も応援に来たので
「やあ 漸く来てくれたね ありがとう」
「先輩 どうしたんですか 今 来る時に7階の婦人服も外国人で一杯
それで総務の方で入場制限をしているそうですよ」
「へぇー 凄いね どうしたのかな 分からないな」
祥子が神山に
「神山さん ありがとうございます 今 上原と連絡を取りまして
もう少ししたら 商品が入ってきます」
「そうだよね もう ウラにも商品が無いし ほんと凄いね」
「ええ 一番最初に来た外人の方が サービス課の制服をくださいでした
私驚きましたよ だってここの制服がNNって知っているのは関係者でしょ
それが外人客ですもの びっくりですよ」
「はぁーそうか 最初の客が今日から勤務のサービス課員に訪ねていたんだ
それで何か話したあと 急にNNへ走っていったんだよ
わかった 彼女がこの制服はNNで製作していますって話したんだ うん」
「ふふふ 嬉しいわ」
暫く話していると上原から商品が届き 現場引き合いをして販売した
それでも 直ぐに商品が無くなると祥子は筒井に電話して
倉庫から直接こちらに運ぶようお願いをした

事態を見ていた婦人服飾部長が神山に
「山ちゃん そうしたらさ この通路の反対側に仮設売場も設けようか」
「いいんですか アクセサリーだって大事ですよ」
「ははは 大丈夫さ 3階のプレタからもドレスを持ってくるよ」
「はぁーん なるほど 良いですね」
外国人ツアー客はフロアを1週する形で並んでいたが
そのなかで目立っていたのは携帯電話で連絡を取り合っている姿だった
一般の顧客も行列を見て 訳が分からなく並び始めていた
開店から1時間が過ぎたが 行列の最後が何処だか分からなくなり
総務を呼びロープで安全誘導する事になった
「わぁー 部長2重どころでは有りませんよ 大丈夫ですか」
「本当だね 嬉しい事だけど 怪我人が出ないようにしなければ」
NNで買い物を済ませた外国人客は化粧品売場やアクセサリー売場へ
散らばっていき 買い物をしていた
この時間になると婦人服部長が提案した仮設売場がNNブティックの
前に出来て NNの商品もそこでも販売する事になった

神山が外国人を見ていると 最初に流れ込んできたのは韓国人や
中国人が多かったようだが 今はアメリカ人やフランス人も多く見られた
神山は思い切って 列の最後尾に並んでいる客に聞いた
「いらっしゃいませ 私は神山と申します このデパートの責任者です」
「おぉー ありがとう 私はフランスから来ました」
「なぜ このデパートを選ばれたんですか 凄い行列ですよ 大丈夫ですか」
「うん 昨夜 買い物ツアーで友達になった人から先ほど連絡があった
このお店は素晴らしく良い物を販売しているってね」
「ありがとうございます お気にめして頂けると思います
ファッションだけでなく 食品も他のお店より美味しいですよ」
「おぉー ワインもあるか」
「大丈夫 ワインも本国に負けない品揃えです」
「おぉー 素晴らしい それは何処にある」
「ええ この下の階です あの階段を下りると直ぐに分かります」
「ありがとう ではこちらが終わったら寄ってみます」
その外国人客は神山と話が終わると携帯で連絡を取っていた
神山はサービスカウンターへ向うとカトリアーナが必死に案内していた
「やあカトリアーナ ありがとう ははは一大事だね」              
「凄い事になっていますね 以前来た時はお客ってこんなに居なかったのに」
「ははは それはカトリアーナの案内が最高に良かったからだよ」







2014年1月24日金曜日

Vol.1294 きんもくせい -1-71



「専務 おはようございます ふふふ」
「おはようございます カトリアーナはどうですか?」
「ふふふ 大丈夫ですよ これだけしっかりとしていれば 大丈夫」
横で聞いていた洋子がサービス課の女の子に
「はい これはお土産です 3時のおやつでみんなで食べてね」
そうすると又 きゃぁーきゃぁーと騒がしくなった
カトリアーナもみんなと一緒に箱を開け 楽しそうだった
「洋子 すっかりと溶け込んでいるね よかった」
「そうね よかったわ ふふふ」
洋子が突然 カトリアーナにフランス語で
「この職場って楽しい?」
カトリアーナは直ぐに ニコニコと返事をして仲間に
「洋子さんは この職場は楽しいって聞いてきたの だから最高ってね」
このこともあり みんなはカトリアーナに一目置くようになった
「へぇー カトリアーナ 今度フランス語を教えてね ほら 今までのは
どちらかと言うと文法とかが先行していたと思うの でも実践で
役に立つ英語やフランス語ってまだ分からないもの」
「うん 良いわよ すごく簡単よ」
神山は時計を見ると9時15分になっていたので課長に
「済みませんが 店長の所へ挨拶に行ってきます」
「あっ そうですね ごめんなさい ではお願いします」
「そうそう 課長さんも一緒に来てください お願いします」

カトリアーナ、神山、洋子、サービス課長が店長室に訪れると
秘書課長は何事が起きたかと 神山に近寄ってきた
「専務 どうされましたか?」
「ははは 店長にご挨拶ですよ いらっしゃいますか」
秘書課長の田中は頷き店長室へ案内した
「やぁー山ちゃん おはようございます」
「おはようございます ご無沙汰をしています
本日は 今日からサービス課で勤務するカトリアーナ ドヌーブさんの
挨拶で伺わせて頂きました」
「おお そうだったね ありがとう」
「さあ カトリアーナ」
カトリアーナは簡単に自己紹介をし挨拶をすると池上は
「カトリアーナさん 短い間ですが 頑張ってください お願いします」
神山や洋子 カトリアーナもお辞儀をすると 池上が
「それでは1階にいこう 今日は早めに行った方が良いしね」
「そうですね 私もいきます」
販促部長の挨拶は時間的に無理になり 1階のサービスカウンターへ
みんなで向かう事になった
「山ちゃん しかし美しい女性だね モデル雑誌から飛び出てきた感じだね」
「まあ フランス人だし 本家本元ですしね ははは」
店内に入ると 店長だけでなく神山や洋子が一緒に居る事 そして
サービス課の制服を着た外人が居る事で騒がしくなった
それを察した洋子がそわそわしている若い従業員に対し
「はーい 開店の準備は出来たのですか お願いしますね」
大きな声で言ったものだから みんな自分の仕事をするようになった
「山ちゃん 彼女も大したものだね」
「ははは 助かっていますよ ほんと」

木曜日の朝は店長や店次長は開店前に 1階装飾の点検があり
見回りにくるが 今朝は神山と洋子も一緒なので 従業員は何事かと思い
緊張した開店を待つことになった
カトリアーナはカウンターの外でスタンバイをして 神山や洋子は
一歩さがりカトリアーナの動きを見ることにした
10時丁度に開店すると サービス課の女子社員は丁寧にお辞儀をして
お客様を店内に招いた
カトリアーナも目の前を通り過ぎるお客に対し丁寧にお辞儀をしていた
神山たちが安心をして帰ろうとしたときに 外国の団体客がきて
サービス課の女の子に何事か聞いていたが 良く通じていないのか
カトリアーナのところに来て聞いた
「婦人服で最高のものは何処ですか」
「はい 私が着ているこの制服ですが パリのNNブランドです」
「おぉー 素晴らしい どこにありますか?」
「はい この通路を真っ直ぐに行った 右側にございます」
「ありがとう」
外国人ツアー客は30人はいただろう 一斉にNNブティックへ
走るようにして向っていった
神山がカトリアーナに訳を聴こうとした時に 新たな外国人ツアー客がきて
その客達にもカトリアーナがNNブティックを紹介したから大変になった
NNブティックでは何事が起きたか分からず 商品がどんどんと売れて
ストック場から品だしをしていた
「あらら 洋子 お手伝いだね これは」
「まぁー 大変ね でもカトリアーナはなんて言ったのかしら」
「ははは まあ 後で聞きましょう それより翔を呼んで」






2014年1月23日木曜日

Vol.1293 きんもくせい -1-71



「今朝 寿司屋って話したけれど 場所を話していなかったからさ」
「カトリアーナと一緒にお食事が出来るのも 今夜と明日位でしょ
アルバイトで勤務するようになれば 今までのように自由にならないし」
「そうだね 慣れればサービス課の友達と食べたりするだろうしね」
「カトリアーナなら直ぐにお友達を作ると思うわ でもどうかしら
ほら美人で可愛くて頭が良いでしょ うーん難しいかな」
「そうか 難しいか まあ仕方がないよ それも勉強さ
何しろ御殿場ではリーダーだからね 纏め役だよ 大変だよ」
「そうね 纏め役として勉強だものね」
話が落ち着くと神山は次長席でデザインを書き進めて行った

9月10日 木曜日 快晴
「おはようございます ふふふ」
「よぉー おはよう 早いね」
カトリアーナが神山のスタジオ玄関に着いたのは約束の20分前だった
今日から鈴や銀座店サービス課でアルバイトをする事になり
神山の車で銀座まで送ってもらう事になっていた
「じゃ 祐子 行ってきます 何かあったら携帯までね」
「はーい 行ってらっしゃい カトリアーナも頑張ってね」
「はーい いってきまーす」
「ははは カトリアーナ 元気で良いね」
「勿論よ 神山さんと一緒に出勤でしょ 楽しいもの」
「それで 帰りはどうするの 僕のほうは時間がバラバラだし」
「大丈夫よ ちゃんと地下鉄で帰るようにするわ」
「うん 時間が合えば一緒に帰ろう」
「でも 私の勤務時間ってまだ分からないのよ ふふふ
ローテーションが出来ていないって 先日話していたわ」
「そうか 月の途中だからローテーションが組めないんだ うん
そうしたら 分かり次第教えてね 今夜にでも携帯でもいいよ」
「うん 了解です ふふふ」
「でも 納車されたら朝だけじゃなくて夜も一人だよ 大丈夫だよね」
「ふふふ もう 小学生じゃないのよ 大丈夫よ
それに ARXの商品知識なども覚えないといけないのよ ふふふ」
「そうかぁー そうだよな」
「そうなの Jrからちゃんと覚えなさいって 資料が山のように来たわ
それと もしかしたら来年だけど御殿場へ行く前にアメリカで
トレーナー研修が1ヶ月ほどあるかも ふふふ」
「そうか Jrも本腰を入れてきたね うん 頑張ってね」
「だから 毎日が勉強で遊んでいる暇はないの ほんとよ」
「おぉー それは寂しい事だ 僕とも会えなくなるんだァー」
「もう それは違うわよ だから納車されても 直ぐに帰宅をして勉強よ」
「じゃ 夜間のゴルフ練習は中止になるんだ 寂しいなァー」
「もう 苛めてばかり、、、 たまには参加するわよ ふふふ
次の大会では絶対に優勝するんだ 由紀枝さんや祐子さんに負けないわよ」
「おぉー 凄い意気込みですね うん 応援するから頑張ってね」
楽しく話していると銀座鈴やの事務館前に到着した
「じゃカトリアーナ あそこの建物から入るんだよ」
「はーい 分かりました では又 ふふふ」
カトリアーナは車を降りると神山に手を振って 別な建物に消えた

次長室で落ち着きなく仕事をしていると洋子が出勤してきた
「おはようございます 早いですね」
「おはよう うん カトリアーナと一緒だしね ははは」
神山はそわそわしてソファーに座り寛いだ
「ふふふ カトリアーナの事が気になるんでしょ」
「うん まあ 大丈夫かなってね ははは」
「そうね 気にするとそわそわして落ち着かないわよ
ねぇー いっそうの事サービス課にいって そうそう その後は
池上さんのところへ行って紹介したらどう その方が良いわよ」
「そうかなぁー うん、、、」
「そうよ 店長挨拶が終わったら販促部長 うん それがいいわよ
もしお一人で行くのが嫌でしたら同行しましょうか、、、」
「おぉー そうだね そうしよう うん なんと言ってもサービス課は
女の子ばかりだし うん お願いします」
洋子はニコニコとしながら
「ではちょっとお土産を買ってきますね 10分ほど待っていてね」

洋子が帰ってくると早速サービス課の部屋に行った
「わぁー 神山専務が来られました わぁー」
「きゃぁー ほんと 神山専務よ ねぇー みんな」
サービス課の部屋は 神山が行ったものだから 蜂の巣を叩いたように
急に若くて元気な声が響き渡った
「おいおい ちょっと あーあ 静かにしてください」
「きゃぁー 田所先輩も一緒よ わぁー」
部屋に入ったときは4,5人だった女の子が 何処からともなく出てきて
休憩所は若い熱気でムンムンとして息苦しくなった                 
暫くすると課長がカトリアーナと出てきて挨拶をした







2014年1月22日水曜日

Vol.1292 きんもくせい -1-71



「ありがとうございます そうか そんなに来ていないんだ」
「そうですよ もう随分と待たされました」
女将はクスクス笑いながら 奥座敷へ案内した 神山が
「女将 そうしたら今日は目出度いので いつもより上等の餌を一杯ね」
女将はクスクス笑いながら頷き襖を閉めた
「ナンですか 神山さん 上等の餌って」
「ははは テツに聞いてごらん なぁーテツ」
屋敷や杉田は顔を赤くして 下を向いてしまった
襖が開くと女将が生ビールや鮮魚のおつまみを運んできた
「はい 上等な餌を一杯お持ちしました 杉田さん屋敷さんどうぞ」
そう女将がいうと堪えきれなくなり 神山や洋子は大笑いをしてしまった
「女将 ありがとう あと照り焼きや簡単なてんぷらって頂けますか?」
「はいはい 上等な餌をたっぷりとお持ちしますね ふふふ」
女将も口を抑える事が出来ないで 笑いながら襖を閉めた
「さあ じゃお久しぶりでかんぱーい」
皆でジョッキをカチンと合わせ 乾杯すると絵里華がぐいぐいと呑んだ
「おぉー 絵里華ちゃん凄いね 良い呑みっぷりだ うん そうだ洋子
絵里華ちゃんのためにピッチャーを貰おう 特大のバケツピッチャー」
「はーい 注文してきますね バケツピッチャー ふふふ」
言われた絵里華は顔を赤くしたが物怖じしないで神山に
「だって 専務 杉田理事ったらいつも勢い良く呑みなさいって
だから修行っていうか訓練されているんですよ もう」
「ははは 翔 駄目だよ 苛めると後が怖いよ 程ほどに」
「はい 以後言わないようにします 絵里華ちゃん ごめんなさい」
杉田が深々とお辞儀をするので 絵里華は
「はーい お願いしますね ふふふ」
絵里華は嬉しいのか 生ビールをぐいっと飲干し
「あーあ 美味しいですね お昼のビールって ねぇー奈々子さん」
「ほんと美味しいわ ふふふ 翔ちゃんも専務のように こうやって
ビールを呑める所に連れて来てくれると点数が上がるんだけどなぁー」
杉田は何も言えないで 下を向いてしまった
「そうですよ 先輩 神山先輩と一緒だとビールが呑めるけど
杉田先輩と一緒だと ビールなしですからね もう少し考えてください」
「おいおい 翔をそんなに苛めなさんな 事情があるんだろう なあ翔」
「ええ 済みません みなさん あのぉー 挙式後のお金を、、、」
そこへ大きなピッチャーを女将と洋子が持って部屋に来た
「はい 絵里華ちゃん どうぞ ふふふ」
洋子が注ごうとしようとしたが 重たいので神山が注いだ
そうすると屋敷や奈々子もジョッキを空けて 神山に催促をした
「ははは はい 順番だよ」
注ぎ終わると神山は洋子に小声で
「洋子 部屋に戻ったら奈々子ちゃんに2千万渡してください」
洋子は何も言わずに頷いた
「さあ 奈々子ちゃん 絵里華ちゃん どんどん呑んで食べてね
今夜は徹夜でしょ 呑む方は程ほどかな ふふふ」
「洋子先輩 絵里華ちゃんは大丈夫ですよ テツちゃんや翔ちゃんよりも
全然 強くて ほんと男みたいな呑みっぷりですよ」
「へぇー そんなに強いの じゃ 二人とも安心ね ふふふ」

杉田の節約原因は挙式後の生活資金を安定させる為に 普段のお小遣いを
使わないよう努力し 会社での自由費もなるべく使わないよう努力していた
その結果 昼食や夕食時でも神山と違い 呑む事を極力避けていた
楽しく話が弾み食事が終わるとタクシーで帰社した
次長室に戻るとき安井奈々子を呼んだ
部屋に入ると奈々子は何か悪い事でもしたかと緊張していた
神山が洋子に合図をすると 2千万円の包みが出され
「奈々子ちゃん これはね 食事をするためにあげるお金だよ
催事課のみんなやGプロの仲間たちと呑んだり食べたり いいね」
安井奈々子は杉田の節約を知っているので 胸が熱くなった
「ありがとうございます 大切に使わせていただきます」
「うん翔も理事だしね もっとみんなに美味しいものをご馳走しなければ」
「はい 分かりました ありがとうございます」
「それで 足りなくなったら来なさい いいね」
「はい 本当に気を使ってくださり ありがとうございます」
「うん 元気出して ははは」
安井奈々子は洋子に見送られ次長室を出て行った
「そうね 杉田君だと 理事でしょ まだ200万円いかないでしょ」
「そうだよな まあ しかし理事だし 身内のご馳走は持たなければね」
「そうね いつもあなたが居るわけじゃないし ふふふ 見直したわ」
「おいおい 何も出ませんよ、、、 そうだ 今夜はどうしよう」
「そうか ねぇー久しぶりに上原の駅前寿司はどう? 桃子ちゃんや
由貴さん そうしたら泰子さんや香織さん真由美さんも呼べば」
「ははは そうしたら洋子に任せるよ お願いします」
「もう 自分で連絡するのが面倒なんでしょ もう 嫌ねぇー ふふふ」







2014年1月21日火曜日

Vol.1291 きんもくせい -1-71



神山は直ぐにアルタの内藤やARXのJrに電話をした
両者ともお見舞金は神山と同様に30万を包み 見舞う時期については
先発でいった杉田の報告を待つことにした

Gプロで打ち合わせをしていると杉田から連絡がはいった
「そうか 良かった でも過労って どうしてだろう、、、」
「ええ 例のオリンピック記念グラスですが 製作時間は12時間ですが
大森さんは準備や終わった後のグラスの点検やマシンの調整で
結局 睡眠時間が少ないそうなんですよ それでらしいです」
「そうか 12時間稼動っていっても大森さんは違うものな わかった
それで 僕や内藤さん Jrはこれから伺います」
「僕達は戻りますね」
「うん その方がいいね 病室に居ると休めないからな」
「はい ではこれで失礼します」
「うん ありがとう」
神山は電話を切ると内藤やJrに電話をして直ぐに行くよう伝えた
「じゃ考ちゃん そういう訳なので 後はお願いします」
「大森さんも大変ですね」
「うん まあ これで少しゆっくりとして また無理をしないで復帰だね」
「そうですね」
神山は次長室に戻ると洋子を連れて直ぐに病院に向った

病室に入ると大森はぐっすりと寝ていた
「奥様 ご心配になられたでしょ」
「ええ 驚きました いつも元気な主人が突然ですから はい」
神山と大森夫人が話していると内藤やJrもお見舞いに駆けつけた
話し声が聞こえたのか大森が目を覚まし ベッドから起き上がろうとした
「ははは 大森さん 駄目ですよ 寝ていてください」
「いやぁー 面目ないです 歳ですかねぇー ははは」
「それで マシーンの稼働時間は減らす事が出来ないと思います
でもこのままでは又 大森さんが過労で倒れられると大変ですから
ARXから3名ほど応援をだします 如何でしょうか」
「ええ 助かります 点検作業は結構 時間が掛かるんですよ 助かります」
「わかりました そうしたら 大森さんが復帰される時に応援を出します」
「はい ありがとうございます 2,3日で帰れますよ」
「じゃJr人選を速やかに行い 本日の夕方から応援です
尚 勤務形態が本社と異なりますが それは残業なり休みで調整」
「了解しました 涼子さん 直ぐに人事に連絡をしてください
午後から人選の会議をします 色々な手配をお願いしますね」
「はい 畏まりました」
篠原涼子は皆に一礼をし病室を出ると携帯電話で会社に電話をした

「内藤さん Jr ありがとうございます」
「ははは でも山ちゃん 良かったね 過労で」
「ほんとです 良かったです 神山さん人選が決まり次第連絡をします」
「うん お願いします 指導は大森さんが推薦した人だから間違いないし
本人たちにはキツイ仕事になるけれど 頑張るよう伝えてください」
「ええ それで辞令を出します そうすれば賃金の件も大丈夫です」
「うん 応援している本人達から苦情が出ないよう頼みますね」
「はい 了解です では失礼します」
Jrが篠原涼子と車で病院を出ると 内藤が
「山ちゃん どうだろう うちでも3,4名募集を掛けてみようか
ほら小田原工場のように職業訓練生さ」
「あー それは良いですね そうすれば大森さんも楽になりますね」
「うん 軌道に乗るまで 賃金はうちで支払いをしても良いし」
「そうですね そうすればARXの方も助かるし」
「じゃ そうしましょう ただし1ヶ月位後になりますよ
募集を掛けて 直ぐに現場じゃないですし」
「それは仕方がないですよ でも大森さん 喜びますよ ええ」
「じゃ それでは 失礼しますね」
内藤の車を見送ると 神山も洋子を乗せて銀座に帰った

お昼ごはんは杉田や安井奈々子 屋敷、山崎絵里華を連れだした
「さて お嬢様たちは何を食べたいのかな?」
奈々子や絵里華はヒソヒソと話して神山に
「専務 美味しいお寿司が食べたいです」
「ははは じゃタクシー2台だな 手配してください」
屋敷と杉田が表通りまで駆け足で行くと 直ぐにタクシーがつかまり
神山たちが居るビルの前に来た
「じゃ 翔とテツは僕と一緒だ」
そう言い 2台のタクシーは銀座築地 寿司屋いせ丸へ向った
暖簾をくぐると女将が笑顔で迎えてくれた
「専務になられまして おめでとうございます」
女将が丁寧にお辞儀をするので神山は照れながら







2014年1月20日月曜日

Vol.1290 きんもくせい -1-71



「6台や7台じゃなくて 10台でしょ だって全員だもの」
「あっ そうか ははは」

次長室には10時少しを過ぎて出勤した
神山は直ぐにホテル禅へ電話をして地下駐車場の契約を結んだ
それが終わると 御殿場の不動産屋 勝間田に電話をした
「ええ そういう事情で どうでしょうか 空いている所はありますか?」
「大丈夫ですよ 年内で引越しをされる方がいまして 空き家になります
その部屋を押さえますよ 大丈夫です」
「ありがとうございます それで家賃はどうでしょうか」
「ええ はっきり決まっていませんが 相場ですと7万円くらいです
ただ 神山さまのお客様ですので 勉強をさせて頂きます はい」
「ははは そちらが損をしないようにお願いしますね」
「大丈夫ですよ はい」
「部屋は何階になりますか?」
「ええ 庄司さまの丁度下のお部屋になります テラスが南向きの部屋です」
「えっ その部屋って 確かしゃぶしゃぶ屋の女将が住んで居た所でしょ」
「ええ 実はご本人がマンションを建てられたんですよ
それであのお部屋はそれまでの繋ぎって感じですかね
なので あのお部屋も実は賃貸で契約をしたんです」
「へぇー 事情が色々とあるようですね ではその部屋のリフォームなども
ちょんとお願いできますね」
「ええ 大丈夫ですよ 内装に関しても 庄司様のお部屋と同様
神山さまのご希望に沿うようにさせて頂きます」
「ありがとうございます では日にちがはっきりしましたら連絡します」
「はい ありがとうございます お待ちしております」
電話を切ると洋子が
「良かったわね カトリアーナの住みかが見つかって」
「そうだね 早めに手を打っておいて良かったよ ARXに就職を
頼んでおいて 住処は知りませんじゃ カトリアーナに怒られるよ」
「ふふふ そうね そうするとGGIのアルバイト時期ですね」
「うん 昨日も話をしたんだけど 来年正月半ばになると思うよ
年末は25日のクリスマスまで鈴やで働いて その後になると思うよ
ただ 年末年始はホテル側も研修する時間が無いし 本人もフランスに
帰国するか 母親を日本に呼ぶか迷っているんだよ」
「へぇー お父様はどうされたの?」
「うん これは言わないでね 怒られるからね お願いだよ
5年位前 ガンで亡くなったそうだよ なので思春期を母親の手で育ち
それから努力して日本の大学に入ったそうだ」
「へぇー そうですか、、、」
「ただ お兄さんが居て 今は結婚をしてお母さんと一緒に
暮らしているそうだよ お嫁さんとお母さんが仲が良いんだって」
「そうなの なら一人で寂しいって事はないのね」
「うん 赤ちゃんが居るそうで 毎日大変だって ははは」
「そうね 楽しく生活できれば大丈夫ね それで帰国するか お母様を
日本に呼ぶか悩んでいるんですね」
「うん 子供のことを考えるとどうしたものかってね」
「うーん こればかりは仕方がないわね まあ 来られたら良いけれどね」
「そうだね さあ お仕事お仕事 ははは」

神山がGプロで高橋孝一らと話しているときに杉田が慌てて部屋にきた
「先輩 大変です」
「どうした」
「ええ 大森さんが入院です まだ詳しくは分からないのですが
今朝 いつものように現場に出ると 倒れてしまったそうです
今 奥様が入院先から電話をくれました」
「わぁー 大変だな 困ったな それで翔 どこだって」
「ええ 恵比寿の総合病院が空いていたので そこへ入院です」
「わかった 奈々子ちゃんを呼んでくれ」
「はい」
杉田は隣の部屋に居る安井奈々子を呼んだ
「奈々子ちゃん 大至急翔と病院にいきなさい それで包みは連名
役職などは不要 いいね」
「いくら包みますか?」
「そうだな、、、20万円でいいでしょう お願いします
翔 大至急行きなさい いいね それで向こうから連絡をください」
「はい 分かりました 奈々子ちゃん 準備が出来たら直ぐにいくよ」
「はい このままの格好でいいですか?」
「うん 普段着のほうが良いよ お願いね」
杉田と安井奈々子が慌しく隣の部屋に戻ると洋子へ電話をした
「わぁー 大切な時期に大変ですね それでお見舞いは?」
「うん 翔が先発隊で20持って行くよ だから僕達はその後にいく
えーと 30万も包めば良いよ 準備だけしておいて」
「はい 分かりました」 






2014年1月19日日曜日

Vol.1289 きんもくせい -1-71



最悪 由紀枝の部屋に泊まればいいかと考えていた

7時頃になると 泰子や洋子 真由美や香織などみんな起きて来て
スタジオの中は華やいだ雰囲気になった
「さあ 神山さーん 用意が出来ましたよ どうぞこちらへ」
「おぉー ありがとう 直ぐに行くよ」
食卓につくと由紀枝と亜矢子が居なかったのでちょっと寂しかったが
顔に出すと ここに居る女性群に起こられるので 明るく振舞った
いつもと同じように缶ビールを呑み洋子に
「午前中にVWの販売店に寄って それから出社します」
「はい 分かりました 誰かの車が故障ですか?」
「いやいや カトリアーナの分だよ」
「わぁー カトリアーナ 良かったわね」
この話で白いゴルフVR6の話題になり キャーキャー言いながら
食べたり箸を休めたりして 楽しく食事が出来た

食後のデザートを食べながら神山は
「こうやって大人数で食べると楽しいね ほんと」
またキャァーキャァーと騒ぎ出し 桃子が
「そうしたら 全員をここに住まわせて ねぇーみんなぁー」
そうそう それがいいなどと勝手な事ばかり言いだしたので神山が
「おいおい そうしたら僕は 毎晩みんなに降参しなければいけなくなる
うん それは不味いなァー 絶対に不味いと思うよ」
「なぁーんだ そっちの話は聞き飽きました ねぇーみんなぁー」
そうそう 元気が無いもの 駄目よねぇー
またまた不利になり 何も言えなくなってしまった
意気消沈している神山を見て 洋子が
「ふふふ いいじゃない こうやって時々集合するのが新鮮で でしょ」
そう助け舟を出されて少しは元気になった神山だった
「こちらだって 時々会うから楽しいのよ でも毎日顔を会わせていると
どうかしら 嫌な部分が見えてくるでしょ きっと上手く行かないわ」
「そうだね 分かった うん 時々にしよう ははは」
女性軍も大笑いしながら神山を励ましたが
洋子が言うように このメンバーで毎日24時間顔を付き合わせわせいると
当然 嫌な部分が目に付き上手く行かなくなるだろうと 感じていた

祐子に頼み30分寝て起きると 部屋に居るのは 祐子、洋子、
カトリアーナと3人だけだった
時計を見ると8時だったが 女性軍は一回自宅へ戻り それから出社と
いうことで 桃子や由貴 泰子や香織などは神山が寝ている間に帰宅した
暫くスタジオで寛ぎ VW販売店の開店にあわせ出かける支度をした
「じゃ そろそろVWに行こうか 時間も丁度いいでしょ」
「そうしたら私 書類を揃えて玄関で待っていますね」
「うん そうだね 今日すべて揃っていなくてあるだけ揃えておいてね」
カトリアーナが先にスタジオを後にすると 神山は祐子に
「そうすると今日はカトリアーナとゴルフの練習なんだ へぇー」
「ええ 午前中はスイミングに行くわ 教えて貰うのよ 良いでしょぉー」
「分かりました 頑張ってね それで午後からゴルフかぁー」
「そうよ そうそう夜も一緒ですよ」
神山は洋子を見ると頷いているので
「よし そうしたら 寿司屋にでも行きましょう 連絡します」
「わぁー 嬉しいわ ふふふ」
3人が玄関で話をしているとカトリアーナが嬉しそうに手に持った
事務封筒を振りながら駆け足で来た
「はぁー お待たせです 免許書の書き換えした書類も持って来たわ」
「おぉー 大事なものだもね じゃいこう」

「神山さん ありがとうございます」
「うん 今日は無理としても 不揃な書類を早く揃えてね
そうすれば早く納車が行われるよ」
「はーい ほんとありがとうございます 頑張るわ」
「うん 僕の方もホテル地下駐車場と契約しておきます」
「ありがとうございます では失礼します」
カトリアーナと祐子は楽しそうに話しながら赤坂スカイハイホテルへ向った
「準備が良いねぇー もうスイミングだよ ははは」
「ほんと楽しそうね 羨ましいわ」
「おいおい まあ 時間を有効に使ってくれれば良いよね」
「そうね さあ それでは私が運転しましょうか?」
「ははは では お願いします」
神山と洋子は蒼いBMWで銀座へ向った
「しかし あの店員さん驚いていたわね」
「ああ あの彼女ね うん 最初から知っているからでしょ
なんと言っても 6台や7台位 この2ヶ月ぐらいで購入だもの
ちょっと普通の人と違っているから 驚いているんでしょ ははは」








2014年1月18日土曜日

Vol.1288 きんもくせい -1-71



色とりどりのカクテルがテーブルに並んだが神山が
「ねえ みんな甘口でしょ どうだろう」
「そうよ マリブ自体 甘いもの もう 嫌ねぇー ねぇー祐子さん」
「ほんと ちょっとくらい我慢しても良いのにねぇー ふふふ」
その話を聞いていた亜矢子が
「ほらほら 嫌われているわよ 文句を言わないでね ふふふ」
神山はしぶしぶと祐子が勧めるマリブ コーラを一口呑むと
「ははは これは うん 美味しいよ 普通のコーラより美味しい」
「もう 嫌ねぇー 美味しいのは当たり前じゃん ねぇー祐子さん」
祐子と由紀枝は神山を相手にしないで みんなに色々なカクテルを
試飲してもらいながら 注文が在るとキッチンで作った
由紀枝や祐子がシェーカーを振ってところを見るとプロのように
格好が良く 決まっていた
二人がカクテルグラスをトレーに載せ戻ってくると 神山に
「はい マティーニです どうぞ」
神山は頷きグラスを受け取ると 一口舐めてみた
「わぉー 美味しいよ うん ありがとう」
祐子と由紀枝は神山に頷き 他のカクテルを美女軍団みなに配った
「では 改めてかんぱーい カクテルの綺麗な色をドレスと思い乾杯!」
美女軍団はキャーキャー言いながら それぞれのグラスを軽く合わせた
「わぁー このブルーって素敵な色ねぇー」
「このイエローも素敵よ」
特に若い子達はカクテルの色に酔い 香りにも酔っていた
カトリアーナが準備したイージーリスニングが心地よくさせ話が弾んだ
カクテルのお供にプレーンなクッキーが出されたが それも綺麗に無くなり
楽しい一時が過ぎていった

9月8日
昨夜の神山はみんなと一回ずつ交わり 寝たのが2時を過ぎていた
早く目が覚めたが 誰も起きてこなかった
テラスでタバコを吸っていると 由紀枝と亜矢子が起きて来て
「おはよう 早いね」
「おはようございます ふふふ 昨日はご馳走様」
「おはようございます 楽しかったわ ふふふ 私たちこれで帰りますね」
「そうか 早い時間のほうが道が空いているし わかったよ」
「由紀枝さんの所へいったら 朝食を頂くわ ふふふ」
「うん 気を付けてね」
「はーい 時々来てね 寂しいもの ふふふ」
由紀枝と亜矢子は神山に軽くキスをすると 帰り支度を始めた
みなに気を使い 音を立てないよう身支度が済むと 玄関で神山と別れた
「じゃ 亜矢子 メイドさんの件で何かあったら電話をしなさい
それから由紀枝 亜矢子の相談に乗ってあげてね」
「はーい もう 小学生じゃないから 大丈夫よ ふふふ」
「心配してくれてありがとう 何かあったら連絡します」
亜矢子の白いゴルフVR6は由紀枝が運転して赤坂を後にした
神山は車が玄関を出るまで手を振って見送った

スタジオに戻ると カトリアーナと祐子が朝食の準備をしていた
「やあ おはよう 二人とも早いね」
二人は顔を見合わせて 笑いながら
「だって 私たちは元気よ 神山さんが元気をなくしたでしょ ねぇー」
又 顔を見合わせクスクスと笑い出した
昨夜は祐子やカトリアーナが言うように 2回戦を望む美女軍団だったが
神山の肉棒が最後にはマヒしてきて 降参をしてしまった
なにも言えないでソファーで寛いでいると 祐子が
「ねぇー 神山さん カトリアーナの車だけど、、、」
「そうだね みんなと同じ白いゴルフVR6でも買おうか」
「わぁー 嬉しいわ ありがとう よかった祐子さん」
「でも 寮に駐車場はあるの?」
「ええ お部屋毎に駐車場があります 大丈夫です」
「そうすると 銀座の駐車場だな うーん、、、」
「神山さんが利用しているホテルの地下にある駐車場はどうですか?」
「あっ そうか 分かった 今日聞いておくよ 大丈夫だよ」
「それと神山さん 来年からゴテンバ グランド イン勤務でしょ
宿泊先はどうされるんですか?」
「あっ すっかり忘れていたよ そうだね その件も考えておきます」
「由紀枝さんのマンションじゃ駄目なの?」
「あそこはね分譲マンションで 賃貸は扱っていないはずだよ
まあ それも確認しておきます 祐子 良く覚えてくれたね ありがとう」
「ふふふ ほら 話題に上がるから それで覚えているんですよ」
「いやぁー 教えてもらわなかったら カトリアーナに怒られてるよ」
「じゃ 神山さんに任せておけば良いのね 嬉しいわ祐子」
「良かったわね さあ 早く作りましょ ふふふ」
神山はGOLの工事が始まったら どこに泊まるか考えていたが







2014年1月17日金曜日

Vol.1287 きんもくせい -1-71



「ありがとうございます でも亜矢子さんが出してくれたわ」
「亜矢子 ありがとう」
「ううん だって棟上の時にお世話になっているし ふふふ 大丈夫よ」
「そんなに気を使わないで ねぇー洋子」
「まあ 良いじゃないですか 亜矢子さんの気持ちだから
あーあ 私も買いたかったなァー 残念 ふふふ」
「大丈夫よ 洋子さん ちゃんと6本 亜矢子からって贈りました」
「えっー そんな でも ありがとうございます ふふふ 嬉しいわ」
「それで亜矢子 全部精算したの 一人で?」
「ふふふ そうよ だって安いし美味しいから良いでしょ」
「まあ そう言われればそうだけど でもありがとう」
「私のホテルでこの下のクラスを出しているんだけど 凄く安かったし」
「へぇー そうかぁー亜矢子や由紀枝はホテルで扱っているワインと
味や値段などを比べる事が出来るものね うん ありがとう」

ステーキを焼く時 由紀枝は神山に焼き番を任せた
焼きあがるとみなの取り皿に盛り付けると 美女軍団は良く食べた
デザートの時になって神山は
「ところでさ 洋子 今日は何をしていたの?」
「知りたい? ふふふ どうしようか亜矢子さん」
突然振られた亜矢子は
「ふふふ ちゃんと報告をしないと後で苛められるわよ」
「そうね 実わね 23日の衣装合わせだったの」
「あっ そうか NNのドレスかぁー だよね 全然気が付かなかったよ」
「でしょ ふふふ それであなたを驚かす為に 秘密で連絡をしたのよ」
「そうかぁー なるほど それでドレスはどうだったの」
「全員 直しがなくて 23日は大丈夫よ 楽しみでしょ ふふふ」
ドレスの話が話題になると 美女軍団は楽しそうに話をした
NNのデザイナーがチョイスしたカラーなので みな満足していた
3、4時間前試着したドレスに華が咲き キャーキャーと騒がしくなった
「それで洋子は何色なの?」
「はーい それでは各自がドレスの色を発表しますね
じゃ ここに座っている席順でいいかしら」
洋子は皆を見渡すと 全員が頷いているので
「私は ワインレッドよ 凄く綺麗な色だったわ」
「へぇー そうか 楽しみだね じゃ次の亜矢子は」
亜矢子から順番にドレスカラーを報告した
亜矢子は オフホワイト 祐子 パステルピンク 由紀枝 ライトパープル
泰子 ライトイエロー 香織 パステルオレンジ 真由美 ライトグリーン
カトリアーナ ライトブルー 由貴 エメラルドグリーン
桃子 アクアブルーと各自の報告が終わると又 キャーキャーと話しだした
「へぇー カトリアーナがライトブルーなの ピンクが合うようだけどね」
「ええ でも凄くぴったりした色よ 女優さんよ 綺麗だわよ」
聞いていたカトリアーナも
「私 あの色が凄く気に入ったわ 綺麗よ ふふふ」
「それでね 神山さん 当日は少し早めにホテルへ行って
ヘアメイクをすることになっているのよ」
「へぇー 凄い意気込みだね みんな大丈夫なのかな」
「ええ だから前日はここに集合します いいでしょ」
「えっ 22日夜はここに集合なの 良いけれど うん 大丈夫だよ」
「ただし私は当日の朝 ここに来ますね ごめんなさい」
「ははは いいよ そんなに気にしなくても 亜矢子と由紀枝は大丈夫?」
「ええ 22日の勤務は4時頃までにして貰ったから大丈夫よ ふふふ」
「披露宴終わったら 直ぐに帰るの?」
「ふふふ 大丈夫よ 翌日の出勤は12時にさせてもらったの」
「へぇー 椿さんも大目に見てくれたんだな さすが」
「なので 披露宴が終わったらここで宴会が出来るわね」
「まあ 程ほどに頼みますよ」
神山はそう言いながらもしかして亜矢子との楽しい一時も
これを機会に終わりになるのかと危惧をしていた

今回は全員で片づけをして スタジオでゆっくりと寛いだ
由紀枝と祐子がキッチンで楽しく話しながら何かを作っていた
他の美女軍団はみなでキャーキャー言いながら 楽しく話していると
「はーい お待たせしました 祐子と由紀枝のカクテルでーす」
ホテルでワインを購入する時 キャンペーンガールがカクテルを
作っていて 由紀枝や祐子 泰子たちが色々と質問すると きちんと答え
試飲を重ねるうちに 由紀枝が
「ねえ 祐子さん 今夜だけど このカクテルでどう?」
「うん そうしましょう ねぇー泰子さん」
「ええ たまにはカクテルで過ごすのも良いと思うわ」
3人でお金を出し合い ベースのジンと味付けのリキュールを買い求めた
リキュールの『マリブ』を使ったカクテル 数種類をテーブルに並べた
ミドリ コラーダ、マリブ オレンジ、マリブ コーラなどなど







2014年1月16日木曜日

Vol.1286 きんもくせい -1-71



早いね もうそんな時期になったんだよ ははは
そうすると カトリアーナはまさか電車で戻ってきたの」
「ううん 泰子さんが迎えに行って 代々木のお寿司屋さんで
会食をしたそうよ ほらインストラクラーのアルバイトが午前中で終わって
お給料を頂いて 夕方泰子さんと待ち合わせをしたそうよ」
「そうかぁー 僕が知らない所でみんな上手くやってくれているんだ」
「そうね みんなしっかりしているし 仲間意識も強いし ふふふ」
神山は嬉しく胸が熱くなった

仕事に集中していると 洋子の携帯電話がなった
「はい 洋子です はい分かりました はい了解です はーい では」
電話を切ると神山に
「お料理の準備が出来ましたって」
「おぉー もうそんな時間 よし ちょっと待って もう少しだけ」
もう少しで書き終わるデザインに集中していると30分が過ぎた
「ゴメンゴメン 終わりました さあ 帰りましょ」
神山は忘れ物を点検して 部屋を出た
洋子を乗せ 赤坂のスタジオに戻ると 駐車場に亜矢子や泰子の
白いゴルフVR6が置かれていた
玄関で祐子が出迎えると
「おいおい みんな居るんでしょ もう」
その一言で みんなが玄関から出てきて悩殺で挑発的なポーズをとった
「ぎゃはー 凄いね 分かった ありがとう」
「ふふふ たまには騙されるのも良いでしょ」
「洋子 こらっ もう さあさあ 僕はシャワーを浴びるよ ごめんね」
祐子と由紀枝が
「ふふふ すべて準備出来ました もう 遅いからビールだけ頂いてます」
「うん 分かりました じゃ もう少しだけ待ってね お願い」
(ほんと 脅かすにも程が有るよなぁー もう しかし綺麗だなァー)
神山はシャワーを浴びながら ガーデンを見下ろすと みなテキパキと
自分の仕事をしているように見えた

「やあ お待たせしました ごめんね 遅くなって」
「そうよ もう みんなくたびれて お腹はペコペコだし ねぇーみんな」
「ほんと 寄り道しないで 帰ってきたのに 損したわ」
若い美女軍団はTシャツに半パン姿で 神山を攻撃した
「分かった 分かった そんなに苛めないでください
では 久しぶりの全員集合でかんぱーい」
「かんぱーい ふふふ」
美女軍団は神山とグラスを合わせると ビールを美味しそうに呑んだ
9月になっても 残暑でまだ暑い日が続いていた
「ほんと ビールが美味しいよ ははは
今夜は僕が最初に焼いて行きますよ 祐子 材料をください」
「はーい って言っても 少しだけもう焼いているのよ ふふふ」
「おぉー 凄いね ありがとう」
神山は野菜や魚介類を焼き始めると 由紀枝が
「そのホタテだけど 新鮮なので生食でもOKなのよ それでね
それだけは私に焼かせていただけますか ふふふ」
そう言い 神山と焼き番を替わり ホタテを焼き始めた
横に2分されたホタテを上手に焼き 裏返しをして少し火を通すと
バターを真ん中に置き味付けをした
ジュージューとバターの香ばしい香がしてくると 醤油をちょっと垂らし
「はーい 出来上がりですよ どうぞ食べてね ふふふ」
横に切ったところは炙られてなく 食感を楽しめた
「おぉー 美味しいよ 由紀枝 うん いままで食べた事が無いよ」
「ふふふ 由紀枝流 ホタテの炙りでーす」
他の美女軍団も 美味しいと言いながら直ぐに平らげてしまった
祐子と洋子が気を使い ワインとワインセラーを運んできた
「はい どうぞ 今日のワインはライトボディーにしました」
「ありがとう では味見でーす」
神山はワイングラスの赤く澄んだ液体を口に含むと
「うん 若くてフルーティーだね 美味しいよ うん」
「良かったわね 祐子さん」
「ふふふ ほんと 良かったわ 神山さん これね ホテルで期間限定で
凄く安かったの それで試飲を皆でしたけれど 全員がOKで
それで買ってきたのよ」
「ほぉー そうなんだ ありがとう 感謝します」
「みんなね 美味しいものだから 自宅配達をしたんです
そうしたら そのワイン 完売です ふふふ」
「えっ そんなに買い込んだの 大丈夫なの?」
「ふふふ だって 一人6本でしょ 元々在庫が少なかったと思うわ」
「そうしたら ここも6本買ったの?」
「ふふふ ううん 12本買いました だって今夜は11名居るのよ」
「そうか 6本じゃ足りないか 美味しいものね じゃこの分は後で渡すね」








2014年1月15日水曜日

Vol.1285 きんもくせい -1-71



みんなが驚いていると祥子が洋子に
「お忙しい所 ありがとうございます」
「いえいえ これも滅多に無い事ですから 嬉しいわ ふふふ」
「それで 今回の試着が最後になります 微調整は大至急行い
23日の挙式までに間に合うよう手配させていただきます」
「ありがとうございます」
「さあ それでは皆様 ご自分のドレスやパンプスのご試着をお願いします」
祥子の一言で男性係員は部屋を出ていった
マネキンの前に荷物置きのテーブルがあり そこに名前が書かれていた
ライトパープルのドレスの所には由紀枝 オフホワイトのドレスの所には
亜矢子というよう 分かるようになっていた
皆がドレスを着ると 殆ど微調整無しで祥子が
「洋子さん みなさんお直しなしですね 大丈夫ですよ」
「わぁー ありがとうございます でもこのワインレッドって綺麗ね」
「ええ このお色は若い あっ 失礼しました」
「ふふふ いいのよ そうね 私の年齢じゃないと似合わないわね」
「ええ 桜川さまと田所さまは 若い人と違った所で美しさを出したいと
そう思い デザイナーもこの色をチョイスしました」
「ほんと美しい色だわ 亜矢子さんのオフホワイトも凄く綺麗
それにしても みんな美しいわね ねぇー亜矢子さん」
「ほんとね みんな綺麗だわ ふふふ」
NNの祥子が洋子に
「それでは 記念写真を撮りますので ここに並んで頂けますか」
美女軍団は 洋子と亜矢子を中心にして並び 撮影をしてもらった
「田所さま ありがとうございました それでドレスのお箱には
みなさまのお名前を書かせて頂いてます これで本日こちらのホテルに
預けられましても 当日は間違わないと思います」
「そうね ありがとうございます あとシューズやバッグは、、、」
「はい それも分かり易くお名前を書かせて頂いています バッグなどは
箱が小さいので 大きな紙袋をご用意させて頂いています」
「そうね その方がいいわ 幾つも箱があると間違えるもの ふふふ」
暫くして着替えが済むと 部屋の電話で担当者を呼び
衣装などを預ける事や当日のヘアメイクなど細かい事を打ち合わせをした
「田所様 お疲れ様でした これで確認も出来ましたし
打ち合わせも これで大丈夫だと思われます
当日までに変更がございましたら 私かこちらの者に連絡をください」
「はい 分かりました ありがとうございます」
田所洋子と担当者 その補佐をするものが名刺交換をして部屋をでた

「さあ それでは私は会社に戻って 神山さんと行くわね」
「ええ ではお先に赤坂へ行っていますね」
「はい お願いします 祐子さん 皆さんをお願いしますね」
「はーい 了解です お買い物はホテルでしますから 大丈夫ですよ」
「そうね そうそう はいこれ お食事代とタクシー代」
「ふふふ ありがとうございます」
「では みなさん お疲れ様でした 今夜が楽しみね」
若い子たちはキャッキャキャッキャと楽しそうに話をしていた
ホテルの車止めにはタクシーが待っていて 祐子たちを送ると
最後に洋子、亜矢子、由紀枝が乗車して 銀座すずやへ帰った

次長室に戻ったのは4時半過ぎだった
亜矢子と由紀枝はパーキングから車を出し赤坂へ向った
「やあ お帰り あれっ みんなはどうしたの?」
「ホテルから帰ったわよ」
神山は折角みなに会えたのに残念だと思った
「まあ 色々と忙しいし 仕方がないよな ははは」
「ねえ それはそうと 私 今夜ねぇーお泊まりが出来るんだ
それでね 祐子さんにバーベキューしましょうって話しで どう ふふふ」
「おぉー いいねぇー 久しぶりじゃないか だったらみんな一緒でもね」
「まあ いいじゃないの それで祐子さんに食材は全部任せたわ」
「じゃ こちらで買っていくものは無しでいいんだ」
「ええ 大丈夫よ」
「じゃ これから帰ろうか?」
「ふふふ 駄目よ まだお買い物しているし 準備もあるでしょ」
「まあ そうだね 分かった ありがとう」
「そうそう カトリアーナがね ほら10日からでしょ サービス課」
「うん そうだ それで」
「今日ね 制服を合わせにきたんですって でもスタイルが抜群だから
お直しが必要になりましたって ふふふ」
「だよね 出ているし 括れているし 本物フランス人だもの」
「ふふふ それでカトリアーナの用事が無ければ 今夜参加よ」
「そうか もう こちらに戻って来ているんだ」
「ええ ほら向こうから荷物っていっても そんなに無いでしょ」
「まあ そうだね 引越しと違うからね そうかぁー10日からだね









2014年1月14日火曜日

Vol.1284 きんもくせい -1-71



「ええ みなさん綺麗な方ばかりで、、、なにがあるんですか?」
神山は訳が分からないので
「いや 僕も分からない まあ何処かに行くんでしょ さあ仕事だ」
杉田は普段の神山と様子が違うので 安井奈々子と顔を合わせていた

「ふふふ 今頃 一人蚊帳の外だから きっとふくれているわよ」
「そうね でもねぇー ドレスの試着に男が居てもねぇー」
「そうそう いいわよ ほおっておきましょうよ」
洋子と亜矢子 由紀枝と祐子が同じタクシーに乗った
祐子が亜矢子に
「亜矢子さん 先ほどの件ですが 住み込みの件ですがOKですよ
先ほど会社から連絡がありました」
「わぁー そうなの ありがとう ふふふ そうそう そうしたら
その件は神山さんに話してあげて その方が喜ぶわよ」
「ええ そうします では会社の色々な条件も神山さんに話しますね」
「ええ そうして じゃないと話が可笑しくなるでしょ」
「はい 分かりました」
聞いていた由紀枝が
「へぇー 住み込みかァー ちょっと大変だけど 良い勉強になるわね
サービス業の大先輩が居るし 介護もあるし うーん大変かな」
「でも 私と違って二人でしょ その点は羨ましいわよ」
「そうね 祐子さんは一人だし、、、でも私たちが居るじゃん ふふふ」
「まあ そうね 泰子さんも居るし うん ありがとう」
「そうよ祐子さん 何か辛い時があったら遠慮しないでね ねぇー洋子さん」
「ええ そうよ みんな直ぐに駆けつけるからね ふふふ」
由紀枝は祐子としっかりと手を重ね合わせ 励ましていた

直ぐ後ろのタクシーには カトリアーナ、由貴、桃子が乗っていた
カトリアーナは神山の勧めで9月10日木曜日から鈴やサービス課で
修行する事になっていた
「ねえねえ カトリアーナ どう鈴やさんって」
「うーん まだ勤務していないけど 良い先輩達ばかりみたい」
「そうだよね 神山さんがしっかりしているから大丈夫だよ」
「今日も制服を合わせたんだけど ほら普通の制服だと合わないのよ
バストやお尻に合わせると ウエストがだぶだぶで」
「うんうん 私たちもそうよ それでどうしたの」
「そしたら上司の人が来て 婦人服を直している人を呼んで それで
10日までに何とか間に合わせるって」
「へぇー 凄いじゃん でも良かったよね」
「そうよ ぶかぶかだとちょっとみっともないしね 嫌よねぇー」
「私たちも 特に桃子ちゃんのときはねぇー」
「なぁに もう 由貴先輩 嫌ねぇー 笑って もう」
「だって 一回お直しして 今度はきつ過ぎて それで3回目でしょ」
「あれは 採寸が悪いんです もう 私が申告したのに
その通り直さないから もう」
「でも 制服を着ると良いわね 何か社会人って感じかな ふふふ」
「そうね そうすると カトリアーナはこれからずっと赤坂なの?」
「ええ そうよ 昨日無事にスイミングトレーナーを終了しました」
「そうしたら これから一緒にゴルフの練習が出来るわね」
「そうね 今度は優勝を取りたいわね ねぇー頑張りましょうね」
「そうね 頑張りましょうね」

3台目のタクシーには泰子、香織、真由美が乗っていた
「ねえ泰子ちゃん 今夜はどうするの 何か聞いている?」
「ええ 神山さんの処でバーベキューで 全員お泊まりですって」
「へぇー 私 用意してこなかったなァー でもいいかぁー」
「そうよ 祐子さんには悪いけれど 貸してもらえば大丈夫よ」
「そうすると亜矢子さんや由紀枝さんもお泊りできるのかしら?」
「ええ 明日の勤務が12時からなんですって だから大丈夫ですって」
「そうしたらほんと久しぶりね みんなで一緒って」
「楽しい夜になりそうね」
香織と真由美はこの頃 神山に抱いて貰っていない事もあり
今夜を楽しみにしていたが 泰子は逆にそうならないだろうと感じていた
前回のゴルフの時でも結局 神山は誰とも体を合わせないで寝てしまった
あの時は生理中の女性が居た事もあり 神山が気を使ったと思うが
今回は 果たしてどうなるか分からないが 多分神山は一人で寝ると思った

みながそれぞれ楽しい話をしていると ホテルオートモに着いた
3台のタクシーに分乗していた美女達は 係員の先導で
NNの久保祥子が待つ部屋に向った
部屋に入ると ホテル側が用意したマネキンにカラフルで
素敵な光沢を放つドレスが見事に飾られていた
「わぁー 素敵なドレス ねぇー洋子さん」
「ほんと 素晴らしい光沢ね 綺麗だわ」






2014年1月13日月曜日

Vol.1283 きんもくせい -1-71



神山はちょっと不思議に感じたが 自分のために呑まないよう
気を使ってくれてると思った
食事中の話は亜矢子の新居の事に集中した
「ええ 普通 鉄筋コンクリートだと引き渡しに早くても4ヶ月なの
それが12月の半ばまでにはOKなんですって」
「へぇー 早いね いや凄い早さだよ うん」
「ほら 全て現金で支払いをしているでしょ それもあるみたい」
「やっぱりね その方が資金繰りに苦しまないものね
そうすると 引越しは年内に済ませて 新年は新居ですか」
「そうね 母も喜んでいるわ ふふふ だってね 勝間田さんに聞いたら
夜までお仕事をするって 新年は新居でを合言葉ですって 凄いわね」
「そうかぁー 合言葉があるんだね なるほど それで分かったよ
ほら先日 家具の出来上がりが本物より良く出来ていますって」
「ええ」
「あれって 出来上がりがちょっと早いと感じていたんだよ それでか
もしかすると 12月初旬に引越しになるよ 多分」
「へぇー そんなに早いの ふふふ 由紀枝さんお仕事お願いね」
「はーい 任せて置いてください 大丈夫ですよ」
「亜矢子さぁー 引越しもこの頃便利になって 引越し屋さんが
荷物を纏めたり 引越し先では開梱までしてくれるようになったんだよ
そこに頼めば 亜矢子やお母さんは大事なものだけ纏めればOKだよ
それに 新居には新しい家具が入るから 今使っている家具は 殆ど
廃棄処分にすれば良いし 凄く楽だと思うよ」
「そうね でも こちらにそのような引越し屋さんがあるかしら」
「大丈夫だよ 僕が探しておきます 任せてください」
3人は顔を見合わせ大笑いをした

食事を楽しく終えると神山はフロントで部屋の使用料や食事代を精算した
駐車場から車止めに戻ると 亜矢子の白いゴルフVR6も止まっていた
「じゃ 亜矢子 お疲れ様でした」
「はーい 今日はありがとうございました」
神山は由紀枝と亜矢子に手を振って車を出すと 由紀枝が運転する
白いゴルフVR6も動き出した
神山の蒼いBMWが御殿場ICに向うと 由紀枝たちも一緒について来た
(あれっ こちらの方に用事があるのかな、、、まあぁーいいかぁー)
余り関心を持たないで マイペースで運転していたが
御殿場ICに入ると白いゴルフVR6も一緒に入ってきた
(あららっ 東京方面に用事があるのかな、、、
だったら さっきちゃんと話してくれれば良いのに もう、、、)
「ふふふ 今頃 驚いているわよ きっと」
「そうかしら あのひとそこら辺が鈍いもの きっと東京に用事があって
それでたまたま一緒 だったら何故 食事の時に話さないって」
「そうね さすが亜矢子さんね ふふふ」
神山は由紀枝の運転する白いゴルフVR6を見ながら運転していたが
それでも時々ウインカーを出して追い越しをしていた
由紀枝の白いゴルフVR6も神山の後ろにぴったりと付いてきた
二台の車は首都高銀座で降り 神山は真っ直ぐにホテルの駐車場に入った
由紀枝たちは鈴やのパーキングにいって車を預けた

次長室に戻ると洋子が
「お帰りなさい どうでしたか 面接は」
「うん 二人ともしかっりした子だよ 亜矢子も喜んでいた」
「へぇー 良かったですね」
洋子は神山の話を聞いていたが 何か普段と様子が違った
「どうしたの洋子? そうかこれから用事があるんだよね それでかな」
「ええ まあ そうですね ふふふ」
洋子は時計を見ると丁度14時になっていた
その時に インターフォンがなると洋子が出て
「ふふふ ぴったりね どうぞ ええ 驚くわよ ふふふ」
洋子が次長室の扉を開けると 神山は驚いた
「どうしたの みんな揃って」
由紀枝、亜矢子、祐子、由貴、桃子、泰子、真由美、香織、カトリアーナ
と神山女性軍団が勢ぞろいした
「ふふふ 驚いたでしょ でもね 今日は女子だけよ ふふふ」
「おいおい ほんとどうしたの こらっ亜矢子 なぜ教えてくれないの」
亜矢子は由紀枝に
「ねえぇー 話したらつまらないでしょ ふふふ」
みんながワイワイと賑やかになったので洋子が
「それでは外にタクシーを呼んであるから それで行きましょうね」
「おいおい洋子 僕は、、、?」
「だって あながた来ても役に立たないわよ お留守番をお願いね」
神山はみんなと一緒に ビルのところに行って見送った
丁度 杉田と安井奈々子が食事から帰ってきて洋子に挨拶をした
「先輩 洋子さんたち美女ばかりで凄いですね ほんとなぁー奈々子」








2014年1月12日日曜日

Vol.1282 きんもくせい -1-71



3人は面接を受けるメイドが待つ部屋に向った
神山たちが部屋に入ると 2名のメイドは起立をして挨拶をした
亜矢子たちも挨拶をして着席をすると
「さあ 着席をしてください」
亜矢子が神山を見ると 神山が
「えー それでは簡単に自己紹介をお願いします」
メイド2名は順番に自己紹介をした
履歴書を見ながら聞いていた神山は由紀枝に
「どう 大丈夫だね」
と 小声で訪ねると頷き
「二人とも しっかりした人格だし 卒業も有名な大学でしょ
それに将来のビジョンもしっかりとしているわ」
神山が亜矢子に頷くと
「えー みなさん 申し訳ございませんが 最後の質問です
なぜ メイドっていう職業を選択されたのでしょうか 教えてください」
二人は躊躇無く答えた
まずは生活をするのにある部分安定させたい事
将来を考えた時に 今まで未知数の所を学びたい などなど
結構 前向きな考え方を示した
亜矢子が神山や由紀枝の顔を見て 頷いているので
「正式には 後日こちらから会社のほうへ連絡をさせて頂きます
本日は ありがとうございました」
全員が立ち上がり お辞儀をして分かれた

二人が出て行った後 亜矢子が神山に
「どうでしたか 良い子だと思うけれど、、、」
「うん 二人ともしっかりしているよ 大丈夫さ
それに祐子の紹介という事もあるから クラブでは必死だと思うよ」
「そうね ありがとうございます ふふふ」
「それで亜矢子 あの二人の履歴書を見たら 現住所が神奈川でしょ
どうやって通勤するんだろう ちょっと疑問だね」
「そうそう それでねメイドクラブからの話しだと 御殿場に二人で住める
賃貸マンションを借りるんですって そこから出勤らしいわ」
「へぇー そうかぁー ねぇー亜矢子 そうしたらさ新居の空いている部屋
ほら 追加で廊下の向かい側だけど 14畳が二間あるでしょ
その一間で生活をしてもらったらどうかな だってそうすれば24時間
彼女達二人が居るわけでしょ どうかな、、、勿論 彼女達の普段の生活は
当然なくなってくるけれど どうだろう、、、」
「そうね お洗濯やお食事だって 3人も4人も変わらないしね
そのほうがこちらとしては助かるわ ふふふ
母の面倒をちゃんと見てもらえるしね そうしようかな、、、」
「そうだよ だってあの二人だって 亜矢子の処に来て遊ぶわけないし
ってことは 裸で来てもらえば良いことでしょ」
「そうね その方が彼女達も喜ぶと思うわ
もっとも こちらの良いことばかりを考えているけれどね ふふふ」
神山はこの事を祐子に電話で知らせると
「そうしたらあの二人が面接OKってことで良いですか
会社とお話を進めるのに そこを言われると思いますよ」
「うん 亜矢子もOKだし 大丈夫だよ 会社に聞いてもらえるかな」
「はーい 了解です でも即答は出来ないと思うわ
ほらお金が絡むでしょ それに本人達の意思もあるし」
「うん いいよ じゃお願いしますね」
「はーい 早く結論を出すように伝えるわ そうそう亜矢子さんに
替わって貰えるかしら お願いします」
「はい 了解 亜矢子 祐子が替わってって
はい 亜矢子ですが、、、」
「こんにちわ 今の件は大丈夫だと思いますが 会社から連絡をさせますね
それから今日ですが 次長室集合ですって 大丈夫ですか?」
「ええ 大丈夫よ 隣の人は驚くかもね ふふふ」
「ええ 全て内緒で動いてますからね ふふふ ではお待ちしています」
「はーい よろしくお願いしますね」
電話を切ると神山が
「僕が何を驚くの?」
それを聞いていた由紀枝が
「いいの いいの 男の子は黙っていてね ねぇー亜矢子さん」
「そうそう おちんちんは沈黙よ ふふふ」
そういって神山のおちんちんをGパンの上からポンと叩いた

面接が終わると11時30分になっていて 早めの昼食を
ホテル内にあるステーキハウスで摂った
「さあ お疲れ様でした って言っても僕は運転があるので
最初の乾杯だけですが ゴメンね」
そういってビールで乾杯して 魚介類や野菜などを焼いてもらった
亜矢子や由紀枝たちもこれからがあるので 乾杯のビールだけだった






2014年1月11日土曜日

Vol.1281 きんもくせい -1-71



神山は由紀枝の腰に当てていた手でクリトリスの愛撫を始めた
「あっ あっ いいわぁー あっ あぅー あっ」
「由紀枝の膣も絞まって来たよ うーん 駄目だ 出そうだよ」
「出して ねぇー 早くきてぇー あっ あぅー あっ」
由紀枝は顔を左右に振り髪の毛が乱れた
腰の動きが前後だけではなく ローリングするようになり
「あっ 由紀枝 凄い 出そうだ」
由紀枝は肉棒を抜く時はヴァギナを下のほうに動かし 入れる時は
お尻を突き出す形で ヴァギナの位置を変えていた
神山自身も前後に動いているので ローリングしているようだった
「あっ あっ いいわぁー あっ いきそうよ あっ」
「僕もだよ あっ だすぞー」
「きてぇー あっ あぁっっ、、、」
神山が発射するのと同じに由紀枝も快楽の頂点を迎えた
暫く 浴槽の縁で休み由紀枝が
「ふふふ 美味しかったわ でも まだまだこれからよ
今夜は覚悟してね 分かった!」

9月7日 月曜日 快晴
昨日は由紀枝の攻撃に合い 寝たのは3時を廻っていた
由紀枝より早く目を覚ますと まだ可愛らしさを充分残した顔があり
額に軽くキスをすると テラスで地ビールの缶を味わった
タバコを2本吸ったが 由紀枝が起きて来ないのでベッドに行くと
まだ夢の中のようで すやすやと眠っていた
時計を見るとまだ7時だが 朝食の準備などがあるだろうと思い起こした
「わぁー おはよう まだ早いよぉー 寝かせてねぇー」
「おいおい 会社はお休みなの?」
由紀枝は少し面倒くさそうに 神山に背を向けて
「そうよ 今日はお休みでーす だから寝かせてねぇー」
そう言うと 夏掛け布団を顔まで引き上げてしまった
一人になった神山は どうする事も出来ないで 再びテラスで缶ビールを
呑んだり タバコを吸った
時間を持て余し ゴルフクラブをだし 素振りをしたりした
8時になる頃に 漸く由紀枝が起きてきて
「わぁー 練習熱心ね ふふふ」
「もう 由紀枝ったら 休みなら休みって教えてくれたらいいのに」
「あらっ 昨夜寝る前にちゃんと伝えたつもりよ もう、、、
明日はお休みだから もう一回お願いって 聞いていなかったのかなぁー」
神山は言われて思い出した
自分が降参した事もあり 素直に間違いを認め謝った
「そうよ そうやって素直じゃないと駄目よ さーぁ 朝食の準備でーす
ねぇー その前にシャワーを浴びようよ ねっ」
二人は簡単にシャワーを浴びて 由紀枝は朝食の準備にとりかかった
「今朝は 簡単なものですが 勘弁してね ふふふ」
「うん 食べられるだけ幸せですよ それはそうと
そうすると 亜矢子の面接の時だけど 由紀枝はどうするの、、、」
「ふふふ 私も面接官よ いいでしょ」
「うん 人数が多いほうが色々な見方が出来るしね うん」

簡単な朝食といっても ボリューム満点だった
解凍食材をたくみに調理して 神山も美味しいといいながら平らげた
「おぉー お腹が一杯だよ でも短時間でこれだけのメニューでしょ
すごいね ほんと昨夜も驚かされたし 凄いよシェフ!」
「ふふふ ありがとうございます なにも出ないわよ
それで 今日はあなたの車に乗せてもらおうかなぁー」
「いいけど、、、 帰りはどうするの そうかっ亜矢子の車でOKだね」
「うん 亜矢子さんの車に乗るわ ふふふ」
「ねぇー いつもの事だけど 30分寝かせてよ お願いします」
神山は時計を見ると9時なので 10時には充分に間に合うと思った
「はーい ゆっくりと休んでね」
神山がソファーに横になると 由紀枝はお出掛けの支度をした
9時半過ぎに神山を起こすと
「やあ ありがとう すっきりとしたよ じゃ支度をするね」
神山は由紀枝の部屋に置いてある着替えを出し 出かける支度をした

蒼いBMWに由紀枝を乗せ ホテルに着いたのは約束の10分前だった
車止めには亜矢子が待っていて
「おはようございます わざわざ 済みません ありがとうございます」
「いやいや やはり紹介した以上 ある程度責任があるし」
由紀枝が車から降りると 自分で駐車場へ運転した
「先日はありがとうございます 母も大喜びでした」
「良かった 顔色も良いし 病人には見えない元気だったよ ほんと」
「そうね お家が出来るって刺激がいいように働いているんじゃないかしら」
「そうだね 良かったよ」






2014年1月10日金曜日

Vol.1280 きんもくせい -1-71



神山はこの話を聞いたときに 何も言えず心が痛かった

鍋料理の具材も殆ど無くなると 由紀枝はキッチンでソーメンを
茹で始め 時計を見ていた
「由紀枝 どうしたの そんなに時間を気にして」
「うん 美味しい状態でソーメンを出したいのよ 我慢してね ふふふ」
そう言い 2分くらい経つと 茹で上がったソーメンを
先ほどの鍋に入れ 卓上コンロの炎を強くした
鍋に入れたソーメンを解しながら 均等に熱を加えると 神山に
「さあ 美味しい味噌湯麺でーす ふふふ」
由紀枝は神山の小鉢に湯麺を取り出すと 自分も器に入れた
「どう 美味しいでしょ ふふふ」
「おぉーなに これ ほんと美味しいよ へぇー素麺がこのように変身か」
「そうよ ほら お中元で頂いたものを使ったのよ
この時期だと 冷たいソーメンって 如何なものかでしょ」
「うん うん ほんと美味しいよ へぇー 由紀枝って凄いね
チャレンジして 結果を出すようにしているもの 凄いよ」
神山は自分で言っていて まだ気が付いていなかった
「でしょ だって あなたはいつも美味しいステーキやお寿司でしょ
以前のお話だと そう言っていたわ」
「うん そうだね うーん ある部分仕方がないけれどね
僕は仕事と割り切っているよ でもこうやって 美味しい普通の食事も
大好きだよ ほんと 由紀枝に感謝です」
神山はこの言葉を発した時に 心に何か引っかかるものを感じた
少し考えていると 由紀枝の用意したデザートが卓上に並べられ
「わぁー これって 由紀枝が創ったの へぇー」
それは大きなお皿に色とりどりのフルーツが氷の山に飾られたものだった
「まぁー そんなに驚く事無いでしょ もう なにも出ないわよ」
由紀枝は更にプレーンヨーグルトに赤ワインを垂らしたグラスを出した
「へぇー すごいね 今夜は ほんと」
「ふふふ だって 食べて貰いたかったからよ
いつもお酒ばかりだと 体を壊すでしょ だから色々とね ふふふ」
神山と由紀枝はデザートをお互いの顔を見ながら食べた

「ねぇー お湯加減は如何ですか?」
「うん 今夜は大丈夫 先ほど同様 丁度良い湯加減だよ」
「私も入ろうかな、、、」
「うん 早くおいでよ」
(ほんと 子供ね ふふふ)
由紀枝は微笑を浮かべながら 浴室に入ると
「どうしたの 由紀枝? なにか付いているかな」
「ふふふ おちんちんが付いているでしょ」
「ははは これは産まれた時からさ そうじゃなくてさ 微笑んでいるから」
「なんでもないわよ ふふふ」
由紀枝は神山の正面に向くと ワザと膝を開き 大事な所を見せながら
体を洗い始めた
この頃の由紀枝は大胆になり このように挑発をするようになった
自身もこうする事で 神山に何回も抱いて貰いたいという気持ちと
大胆に挑発することで 日常のストレスを発散させていた
「わぁー 気持ち良いわね ほんと良い湯加減 ふふふ」
神山はジャグジーを作動させると 入浴剤が泡立ち その泡で戯れた
「駄目よ もう そんなにしたら ベッドまで持たないわ ふふふ」
そう言いながらも由紀枝は 神山のおちんちんを弄り回した
「由紀枝だって 駄目だよ この頃上手になったから 直ぐに出ちゃうよ」
「いいわよ 出しても ふふふ」
由紀枝は微笑みながら神山を斜視し 肉棒をマッサージした
神山は体を少し起こして 由紀枝を抱き躰を入れ替えた
ディープキスから始まり 乳首の愛撫 舌先で転がしたり唇で挟んだり
軽く咬むと だんだんと喘ぎ声を出すようになった
「うーん もう そんなにすると欲しくなっちゃうわ」
神山は何も言わず クリトリスを触り始めると 由紀枝の顔が歪み
「駄目よ ほんと 欲しいわ」
「そうだよ そうやって正直に欲しいって言いなさい」
「もう あっ 駄目っ あっ」
由紀枝は腰を自ら神山に突き出すようにして 刺激を求めた
神山は由紀枝の前に立ち上がると 肉棒を突き出した
「わぁー 大きいわ」
硬直した肉棒を口に含み フェラチオをはじめ 両手も上手に使った
充分な硬さになると由紀枝は後ろ向きになり お尻をむけ突き出し
神山の肉棒を向い入れた
由紀枝は大きな声を出しながら 腰を前後に動かしながら
「どう 気持ち良いでしょ ふふふ」
両手を由紀枝の腰に当てがいながら 自らの前後運動も早くしていった
「あっ 駄目よ いきそうだわ あっ、、、」








2014年1月9日木曜日

Vol.1279 きんもくせい -1-71



ホテル勤務の中で聞いたレシピなどを参考にしたものを腕によりを
掛けたものを準備した
色々と考え 神山が食べた事が無いだろうと思われる料理だった
「おぉー 良い匂いだね 由紀枝」
「ふふふ ありがとうございます ねぇー 直ぐに食べられるから
バスローブのまま ここに座ってくださいね」
「うん 由紀枝さぁー お風呂は?」
「まぁー ご親切に でもね いいのよ ねぇー 早く座ってよ」
テーブルには土鍋の蓋から 湯気が少しだけ噴出していた
由紀枝が鍋の食材などをお皿に盛り付け テーブルに置くと
神山は冷蔵庫から地ビールの缶をだし 二人のグラスに注いだ
「お待たせしましたァー 由紀枝鍋でーす」
由紀枝はお風呂に入っていないのに顔を紅潮させていた
「では かんぱーい」
「はーい かんぱーい ふふふ 嬉しいわ、、、」
由紀枝は神山の目を見つめながら グラスのビールに口をつけた
神山が鍋の蓋を開けると
「わぁー 由紀枝 これは凄いね 色々なものが入っているよ
お肉も 鶏肉や豚肉でしょ 野菜も色々だし 凄いね」
「ふふふ まあまあ 食べてみて」
由紀枝はニコニコと食材を神山の小鉢に取ると 自分の処にも盛り付けた
神山が一口食べてみると
「わぁー 凄いね 美味しいよ」
「良かったわ ふふふ」
「でも この豚肉や鶏肉の味って しっかりとしているね」
「ふふふ でしょ だって もともと別の料理で使うために
味付けをしてあるから それでだと思うわ」
「そうかぁー それでも 美味しいよ うん 初めての味です」
「ふふふ 私も初めてです ただね こうやってお味噌仕立てにすると
和風の味付けって 馴染むし 相乗効果で美味しくなるみたい」
「へぇー しかし 美味しいよ 白菜がそのパイプ役だね」
「ええ そうね 白菜やモヤシでしょ えのきなどが パイプ役で
お肉やお野菜 お魚を上手に美味しくしているんだわ」
「あー これが鮭だね」
「ええ 薄塩の鮭だから 美味しいわよ」
「ねえ 由紀枝 これだけ美味しいと お店が出せるよ いやほんと」
「駄目駄目 こんなのさぁー 誰でも出来る事だもん
お店を持つったら 味などにもっと個性が無いと駄目よ」
「そうかなぁー これだって銀座や上野で食べた事ないしさ 美味しいよ
だって 豚肉だって 団子になっているのと ロースの薄切りでしょ
鶏肉だって 団子の中は玉ねぎと絶妙な味の競演だし ささみだって
下味がしっかりとしているしさ ほんと 食べた事が無いよ
味噌仕立てって仕上がったときの味が難しいのに ほんと上手だよ」
「わぁー ほんと そんなに美味しいの、、、」
「そうだよ ほんと 美味しいよ」
由紀枝と神山は目の前にある鍋の事で話が弾んだ

「ねぇー これからもっと美味しくするからね ふふふ」
由紀枝はニンニクのすりおろしと色の濃い味噌を鍋に入れた
暫く沸騰するまで待ち 白菜を神山の小鉢に分けると
「どうぞ 美味しいわよ、、、多分 ふふふ」
神山は小鉢にある白菜を一口食べると 八丁味噌と肉汁や魚の汁の
うまみが混じって 先ほどの鍋より更に美味しく食べられた
「おぉー なに これ! 美味しいよ 凄い ほんと美味しい」
「わぁー 良かったわ これが由紀枝鍋でーす ふふふ」
「うん ニンニクが程よく 全部の具材に絡んでいて うん 美味しい」
「でもね ニンニクはここまでよ これ以上入れると 先日のように
ただただニンニクを味わっているだけになるからね」
神山はちょっと痛いところをつかれ
「はい 了解です うん でも別なお味噌を少し加えるだけで
こんなに味が違ってくるものなんだね 初めてだよ ほんと」
「ふふふ まあね これもスキルと林さんのお陰かな ふふふ
ねえ このお大根 食べてみて きっと美味しいって」
神山は小皿に盛り付けられた 茶色くなった大根を食べると
「おぉー なんだ 凄いね ぬかずけじゃなくて味噌漬けだぁー
だけど 味が普通のお味噌じゃないね 美味しいよ 初めてです」
「ふふふ やっぱね じつはね 私も初挑戦だったのよ 八丁味噌にラー油 
ニンニクでしょ その他に色々と それを混ぜ合わせたお大根でーす」
「あー なるほど しかし 美味しいよ 熱々のご飯があれば
何杯でもお代わり出来るよ ほんと」
「ほんと 嬉しいわ ふふふ
今まで 夜って言うとバーベキューが多かったでしょ 今夜のように
外で出来ないときの事を思うと メニューを考えなければいけないでしょ
だから 一人の時はいつもこうやって試行錯誤しているのよ」







2014年1月8日水曜日

Vol.1278 きんもくせい -1-71



「今 洋子から聞いたけれど 契約時のときに行った方がいいのかな?」
「ええ やっぱりあなたが居た方が安心よ ふふふ」
「分かった それで何時ですか?」
「うん ごめんなさい 出来れば明日の午前中がいいんだけど」
「了解ですよ そうしたら僕はどうしたらいいかな、、、」
「そうね 私は女の子なのよ 残念ね、、、 ねえ由紀枝さんの所は?」
「ははは もう 大丈夫かな 由紀枝が怒らないかな」
「大丈夫よ 本音は悔しいけれど 仕方がないでしょ
それに今夜は母親の事もあってゆっくりと出来ないし ふふふ」
「分かった 明日はどこで契約するのかな?」
「ええ ホテルのお部屋が空いているところを提供していただいたわ」
「じゃ 時間は?」
「10時です お願いできますか?」
「ははは 大丈夫だよ では明日10時にホテルに伺います
そうそう メイドさんって どんな方なの?」
「ええ お二人とも身元は凄くしっかりしているわよ
若くて美人で可愛くて そうね由紀枝さんと祐子さんのようかな」
「へぇー それは楽しみだね」
「まぁー そんな でもあなたも会えば分かるわよ
凄くしっかりとした女の子たちよ」
「分かりました ところで由紀枝には連絡をした?」
「ふふふ あなたからどうぞ ふふふ」
「まあまあ そんなに苛めないで 分かったよ これから電話をします」
「はーい では明日 ホテルでお待ちしています」
「うん お願いしますね」
電話を切って洋子に
「亜矢子のところのメイドさんだけど 由紀枝と祐子のような二人だって」
「へぇー 良かったわね ふふふ」
「おいおい 勘違いしないでよ 亜矢子曰く二人ともしかっりしているって」
「でしょ だから良かったわねって まぁー変なこと考えていたんでしょ」
神山は言えば言うほど立場が悪くなり 次長席についた
由紀枝に電話をすると凄く喜び 今夜のメニューを告げられた
「分かった ありがとう でもさ ニンニクは程ほどにね」
「まぁー 嫌ねぇー 自分で美味しいって一杯食べたんでしょ もう
なんで 私にそうやって振るのよ もう 判ったわ」
「ゴメンゴメンそうでした 謝りますから準備してくださいお願いします」
「そうよ 素直に謝れば許してあげる その代わり今夜は3回よ」
「はい 分かりました 頑張ります」
電話を切り 反省していると洋子が
「ふふふ また由紀枝さんにやられたのね もう 駄目よ」
「そうなんだよ ニンニクの事を話したら 自分で美味しいって
追加をしたのに 臭くなったからって 私に振るなって怒られた」
「もう 当たり前じゃない 酷いわね 由紀枝さんじゃなくても怒るわよ」
「だよな 反省でーす さあ お仕事お仕事 ははは」

夕方5時になると神山は洋子に
「じゃ これから行ってきます 明日は多分夕方には戻れます」
「ふふふ もっと早く戻れるでしょ もう 駄目よ」
神山は顔を赤くしながら 出かける準備をした
「ねえ 私 明日ですが 2時過ぎにちょっと行く所があるんです
勿論 戻ってきますがお願いします 多分2時間くらいです」
「へぇー 洋子がそんな事をいうなんて珍しいね いいよ」
「はーい ありがとうございます」
神山は忘れ物が無いか 確認をして部屋を出た

洋子は部屋の窓から神山に手を振り見送った後に色々な所に電話をした
「ええ 2時半にはホテルに着きます」
「分かりました そうしましたら私どもは2時に伺い準備をしています」
「お願いします それでお部屋は13時からキープしてありますし
そうそう 担当者の方はxxさんです 何かありましたら電話をください」
「はい 了解しました 明日が楽しみですね」
「ふふふ そうね 楽しみだわ 皆も同じでしょきっと」

神山は蒼いBMWを駐車場に留め 由紀枝が待っている部屋に行った
「やあ 由紀枝 先ほどは失礼しました」
「そうよ もう でもいいかぁー さあ お風呂に入ってね
今夜はちゃんとお湯を入れておきましたから 大丈夫よ ふふふ
その間にニンニク一杯のお料理を準備しますから、、、」
「由紀枝 分かったから もう苛めないでください お願いです」
由紀枝はニコニコと笑顔で更衣室にいき 神山の服を脱がせた
神山が浴室に消えると キッチンに戻り料理の下準備を始めた
今日は朝から小雨で この時間になってもテラスを利用できないので
鍋料理の準備をしていた
由紀枝自身 あまり凝った鍋料理を作ったことが無いが 今までの経験や







2014年1月7日火曜日

Vol.1277 きんもくせい -1-71



時田は4名から履歴書を受け取るが 杉田と内野誠二の分は
自分の机の上に置き 小谷美佳と篠原涼子の履歴書に目を通した
暫く見ていると 篠原涼子の最後の行に【アルタ 英語教師 契約社員
9月2日付け】となっているのを見つけ 神山に聞いた
「ええ 実は内藤社長が引き受けて頂いても 社員ではない為に
それで急遽の策です 勿論実態はあります 現に小谷美佳さんは
就業時間以外のところで アルタ社員の英語教師で働いています
篠原涼子さんは ARXでは私の部下ですが そこですね」
「そうか まあ その方が話のとおりは良いな 分かった
しかし 内藤さんもやるものだね ははは よし後はじっくりと
拝見させて頂きますよ こちらこそ宜しくね お嬢様たち」
小谷美佳と篠原涼子は一安心したのか 笑顔でちょこんと挨拶をした
「あのぉー 時田社長 私たち男性の履歴書は、、、」
「ははは 大丈夫だよ 山ちゃんを見ていれば分かるだろう
それとも 不味い事でも書いてあるのかな ははは」
杉田は顔を真っ赤にしながら ペコリと頭を下げた
暫く楽しい雑談が続いたが神山が杉田に
「翔 内藤さんにこの事を報告しなければいけないな
出来ればこの後に伺ったほうが良いよ ねぇー社長」
「おぉー 喜ぶぞ 善は急げだ 山ちゃん そうだ いく前に各理事へ
挨拶周りをしておきなさい なぁー秋山君 どうだ」
振られた秋山はニコニコと頷き
「大丈夫ですよ お待ちしている様子です」
「ほら山ちゃん お待ちかねだ それで今日は今日 会場では
又 別に包ませてもらうよ」
時田は4名を個別に呼び 現金のご祝儀を渡した
杉田たちは改めて時田に挨拶をすると 神山の先導で各理事に挨拶した
本来ならば各理事が社員以外の慶事に付いてご祝儀は無いが
4名の上司に当る神山のこともあり 包みを用意した

次長室に戻り 美佳と涼子が紙袋を確認すると年収以上の金額で驚き
内野誠二が神山に
「山ちゃん こんなに頂いていいのかなぁー」
「ははは 誠二ちゃん 貰える時は頂いておきなさい」
隣で杉田も頷いているので 内野誠二はちょっと戸惑ったが
現金を丁寧に包み直し 紙袋にいれた
「ねえ 誠二さん こんなに現金を持ち歩くと怖いわ そこの銀行で
預けておきましょうよ ねぇー美佳さん」
「ええ そうね そうしましょうよ翔ちゃん ねっ」
杉田も頷き 神山に
「先輩 とりあえずそこの銀行で入金をしてきます
アルタさんはそれまで ちょっと待っていて下さい お願いします」
神山が頷くと 杉田達4人は紙袋を大事そうに抱えながら部屋を出た
「ははは 若くて純情だね いいねぇー」
「まぁー 年寄りで済みませんね もう」
田所洋子は再び窓を開けながら笑っていた

9月6日 次長室
「おはようございます ふふふ」
「やあ 早いね それに元気だし どうしたの?」
「喜んでね 今ね 亜矢子さんから電話があって 例の家政婦さんや
介護士さんの事で連絡があったのよ」
「へぇー 僕の所には無かったけれど、、、」
「まぁー 電話をしたら祐子さんが出て 出た後だったんですって」
「そうか うん」
「それでね メイドクラブの方とお会いして面接をしたんですって」
「それは 早いね へぇー」
「そうしたら お二人ともOKで 雇う事にしたそうよ
それで 一人の方は介護の経験があって 亜矢子さんにしては
願ったり叶ったりで大喜びでした」
「そうか それは良かった そうすれば安心してパートでも働けるしね」
「そうでしょ だから 私も良かったわねって ふふふ」
「そうすると あとは金額だけだな 祐子の話しだと月に25万円位と
話していたが どうなんだろう、、、」
「そうそう それでお買い物やお料理などあなたの所と同じ条件で
月に25万円でOKですって」
「そうすると 住み込みになるのかな、、、」
「そこなんだけれど 交代制で泊まり勤務って話していたわ」
「なるほど 幾ら家が広くても二人を住み込みに出来ないかな、、、
それで契約はしたのかな」
「ううん あなたに立ち会って欲しいって もう直ぐ電話があるわよ」
洋子の話が終わった時に亜矢子から電話があった
「よかったね 良い人が見つかったみたいで」
「ありがとうございます 助かります ふふふ」







2014年1月6日月曜日

Vol.1276 きんもくせい -1-71



「えっ、、、 披露宴は、、、」
「うん 時田さんがどうしてもって言われるんだよ、、、」
「そうですかぁー 困ったなァー」
「そうしたら 山ちゃんが勤めれば だって正真正銘の上司だし」
「ははは そうですね はい 了解しました」
「では 挙式時間など詳細は内野誠二君から聞きます」
「はい ありがとうございます お願いします」
電話を切って 直ぐに時田へ電話をした
「やあ 山ちゃん 申し訳ないなぁー」
「いえいえ 挙式だけでもありがたい話です」
「ワシもちょっと色々と事情があってな、、、」
「いえいえ そうだ 4名に近々履歴書をお持ちするよう伝えます」
「おぉ そうだな まあ披露宴じゃないけど うん 待っています」
「はい 朝早くから申し訳ございません」
「いやいや お目出度い話じゃ ありがとう」

時田との電話を切り 4名に
「って事で 挙式御仲人さんはうちの時田副社長と内藤社長
披露宴御仲人は僕と内藤さんだ これにて決定でーす」
神山がにこにこして皆に話すと杉田が
「先輩 ありがとうございます でも時田さんはなぜ?」
「ははは 翔 人には色々と事情があるんだよ
挙式の御仲人さんを引き受けて頂いただけでも ありがたいと思いなさい」
「はい 分かりました ありがとうございます
それで先輩 そうすると今日ですけれど 一応履歴書を用意したんです
このまま4人で時田さんの所へ伺ったほうが良いですか?」
神山は洋子の顔を見ると頷いているので
「よし では一緒に伺おう」
神山たち6名は時田の居る本社ビルへ向った

「しかし 先輩 ニンニクが臭いですよ 食べすぎですよ」
横に居た洋子がタブレットケースを出し ブルーの粒を神山に渡した
本社ビルへ入ると受付の女性が神山たちにお辞儀をして
エレベーターまで先導案内をしてくれた
箱に入ると杉田や内野誠二は
「やっぱり先輩 臭いです ははは」
「おいおい 先ほどから一杯のんでいるのに効かないのかな ねえ洋子」
「まぁー 食べすぎまでは知りませんよ ふふふ」
「あーあ また言われるな ははは」
エレベーターを降りると フロアの従業員が笑顔で迎えてくれた
人事課の若い女の子から
「杉田さん おめでとうございます 残念だわ ねぇーみんな」
「ほんと わたし杉田さんの大ファンだったのに 遅かったわ ねぇー」
それを見ていた上司が
「はいはい お仕事ですよ でも神山専務はまだよ ふふふ」
「まぁー 先輩 駄目ですよ 洋子先輩が居るし 敵が多すぎるわ」
「そうそう 先輩だって神山専務の事 狙っているんでしょ」
「はいはい 分かりました お仕事よ」
上司はニコニコしながら部下に伝えると 神山には笑顔で挨拶をした

秘書室に着き秋山係長と目が会うと神山に
「お待ちですよ どうぞ」
丁寧にお辞儀をして 時田のいる部屋に案内をした
「おはようございます 朝早くから申し訳ございません」
神山が挨拶をすると 洋子たちもお辞儀をして挨拶をした
「まあ まあ 堅い事は抜きだ さあ座って」
6名がソファーに座ると さすがに朝からウイスキーとはいかず
お茶を用意するよう秘書に命じたが
「山ちゃん 良い臭いがするな ニンニクにビール ははは
おーい お茶は止めだ ビールでいいぞ 冷たいのを用意して 早くな
ところで 先日のゴルフでは お嬢様方は良いスコアでしたね」
突然ゴルフの話をされた小谷美佳と篠原涼子は顔を見合わせて
「覚えていて下さったのですか ありがとうございます」
二人が丁寧にお辞儀をしていると ビールが用意された
秘書の秋山や洋子が皆に配ると 時田が
「まあ 目出度い日じゃ 乾杯」
みながグラスを合わせて 口につけると杉田が起立をして時田に
「時田副社長 挙式の媒酌人を引き受けて頂きまして
誠にありがとうございます 妻になる小谷美佳や内野誠二さん
篠原涼子さんカップルも 大変喜んでいます」
杉田の挨拶が終わると 他の5名も起立をしてお辞儀をした
「ははは まあまあ 堅い話は抜きだよ 杉田さん 座ってください」
「ありがとうございます それでは履歴書をお持ちしましたので
どうぞ目を通してください お願いします」








2014年1月5日日曜日

Vol.1275 きんもくせい -1-71



本来 内野誠二はアルタ常務の杉田に対しこのように呼べなかったが
神山を真似たのか否か プライベートの時は呼びやすい愛称で呼ぶよう
Gスタッフだけではなく皆に伝えた
「大丈夫ですよ 誠二さん ねぇー美佳」
「まぁー 私に振って ねぇー涼子先輩」
「そうよ 杉田さんが胸を張って神山さんにお願いすれば大丈夫よ
あの人って きちんと筋を通せば 幾ら変な話で賛成するわよ」
「へぇー 涼子 良く知っているね」
「だって 会社でも色々とお話を伺っているでしょ それだけではないわよ」
「そうだよな 山ちゃんだったら引き受けてくれるよ
翔ちゃん ここはさ ほら ぼくらのスターって事で お願いします」
「まあまあ そんな スターじゃないけれどさ 頑張るか」
この日 Gプロジェクトの部屋には アルタの小谷美佳 アレックスJPの
篠原涼子と2名の女性が朝早くから来ていた

翔たち4名は 下の階にある神山の次長室へ向った
部屋右にある入り口のインターフォンで洋子に挨拶をすると扉が開き
4人は部屋に入り 整列をし神山に挨拶をした
「神山専務 おはようございます」
神山は尋常でない4人の態度に少し驚いたが 洋子が
「このお部屋 臭いでしょ もう ニンニク臭充満状態よ ふふふ」
神山が呆気に取られていると 洋子がソファーを勧めた
「おいおい 翔 どうしたの それに小谷美佳さんや篠原涼子さんまで
もしかして 結婚破談とか、、、」
それを聞いた洋子が
「まぁー 縁起でもない そんな事ならみんなで来ないでしょ もう」
神山はみんなにゴメンゴメンと謝り 洋子に
「じゃ 缶ビール お願い」
4人は皆で顔を見合わせたが 神山の流儀に任せることにした
洋子が翔や内野誠二らに缶ビールを渡し 小谷美佳に渡す時
「大丈夫? これから会社でしょ」
「ありがとうございます 大丈夫です 今日は涼子とお休みなんです」
洋子はニコニコして 小谷美佳と篠原涼子にも缶ビールを配った
「さあ 翔 なんだね 相談って」
神山は缶ビールを呑みながら 話を始めた
「ええ 実は先輩 今度の挙式披露宴ですが 御仲人さんになって頂きたい
と思いまして お願いに伺いました」
神山自身 この話は時田副社長と内藤社長で決まっている事と思い
自分から4人に対し何も相談をしていなかった
「そうか 御仲人さんか、、、」
神山は暫く考え 杉田に
「時田さんには聞いたの?」
「いえ まだですが、、、」
「そうかぁー、、、 でも やはり時田さんだよ 僕じゃないよ、、、」
そう言われ 沈んでいる杉田を見て 内野誠二が神山に
「でも山ちゃん 4人の上司って事になると 山ちゃんと洋子さんですよ」
そう言われると確かに4人の上司は神山と田所洋子だった

神山は暫く考え 内藤に電話をした
「やあ 早いですね」
「ええ たまには、、、それで実はご相談があるのですが、、、
、、、、、、、、って事で 今 当人達がここに来ているんですよ」
「そうですね 篠原涼子さんだけがうちと関係ないわけですね」
「ええ そこですね、、、」
「良いですよ 小谷美佳さんの英語教室も順調で教師不足なんです ならば
涼子さんが契約社員になれば問題なくうちの社員でしょ どうですか」
「はい ありがとうございます そうしたら彼女を契約社員扱いにして
挙式御仲人と披露宴御仲人を時田副社長とお願いできますか」
「ははは 山ちゃんのお願いじゃ 断れないものね いいですよ
それで時田さんにはどうしますか?」
「うーん 私から電話をするより 社長からお願いできますか」
「ははは 分かりました では直ぐにお返事しますよ」
電話を切ると 杉田たち4人に
「内藤さんと時田さんが御仲人さんを引き受けてくれるそうだ よかったね」
杉田や内野誠二 小谷美佳と篠原涼子はお互いに顔を見合わせ喜んだ
「そこで 篠原涼子さんはアルタと関係を持つために これからは
アルタの英語教師として契約社員とします」
篠原涼子が驚いている時には神山はARXのJrに電話をしていた
「そう そうなんですよ ここは一つお願いします」
「大丈夫ですよ 神山さん 嬉しいお話じゃないですか」
「でも 2週間に1回 夜はアルタでお仕事だよ 大丈夫だね」
「大丈夫ですよ 夜は余程の事が無い限り 空けられますから」
「協力をしてもらい ありがとうございます」

神山が電話を切ると暫くして内藤から電話がはいった
「山ちゃん OKですよ 但し挙式だけだけど」








2014年1月4日土曜日

Vol.1274 きんもくせい -1-71



9月23日 水曜日 快晴
ホテル オートモ 雅の間 杉田、小谷美佳 内野、篠原涼子の
合同披露宴会場

「おはようございます 山ちゃん」
「やあ 美佳さん おはよう どうですか 良く寝られましたか?」
「ふふふ 駄目です やっぱり お嫁さんって意識すると寝られなかった」
「そうだよな いくらお婿さんでも そこは今までと違うものね」
神山はホテルオートモへ早めに来て 各両親と簡単に挨拶を
済ませ 控え室でゆっくりと寛ぐときだった
「ところで 翔はどうしたの」
「ええ 挙式を済ませた後はまだ会っていないんですよ ふふふ」
「そうか 緊張して体が動かないのかな ははは」
「まぁー でも そうかもねです ふふふ」
そんな話をしていると 篠原涼子が廊下に出てきて
「おはようございます 神山さん ありがとうございます」
「いやいや それにしても涼子さんって分からないよ」
「まぁー お上手 ねぇー 美佳」
「いや 本当に綺麗で美しいよ うん」
「ほんと よく褒めて下さる気持ちは嬉しいけれどねぇー」
4人で話していると 落ち着いたのか翔と内野誠二が廊下に現れた
「おぉー 漸くお出ましだね 二人とも格好がいいよ 決まっているよ」
「先輩 ありがとうございます」
「山ちゃん ほんとありがとうございます」
翔と内野の二人は神山に深々とお辞儀をした

9月2日 銀座 次長室
「やあ 昨日はお疲れ様でした」
「あら 早いですね」
「うん まあね そんなにゆっくりも出来ないでしょ」
「そうね ふふふ 随分とニンニク臭いわよ」
「そうかぁー 昨夜はバーベキューで青森の美味しいニンニクって言うので
少し食べ過ぎたかも でもなぁー 食べている時は そんなに
匂いはしなかったけれど やっぱ臭う?」
「ええ 良い臭いですよ ふふふ」
洋子は苦笑いを抑え 自分の引き出しから綺麗なブルーの粒が一杯入った
タブレットケースを出し 神山に
「はい これをどうぞ 多少だけど臭いが解消されるわよ」
「やあ ありがとう」
洋子は席に戻る前 ガラス戸を開放して空気の入れ替えをした
「おいおい そんなに臭いか?」
「ふふふ 祐子さんは何も言わなかった?」
「だって 由紀枝のところから直だから、、、」
「じゃ 車の中は凄い臭いよ、、、」
洋子は笑いを抑えて 席に戻った
普段なら缶コーヒーなど飲物を用意してくれるが 今朝は余程臭いのか
洋子は神山の傍に寄ろうとしなかった
神山は自分で冷蔵庫から缶コーヒーをだし ソファーで飲み始めた

「しかし 洋子さぁー 林マネージャー ほらホテルのステーキハウス」
「ええ どうされたんですか?」
「うん 31日の日には美味しいとおもろこしでしょ そしてニンニク
とおもろこしは親戚が作っていて 今年は甘くて美味しいものだから
ホテルの女子従業員に配ったんだって そしてニンニクも青森の親戚から
今年のは美味しいと言われて 卸値で大量に仕入れたんだって」
「だから どうされたんですか」
「まあ まあ それで由紀枝が林マネージャーと話があり調理室へ訪ねたら
林さんから安く譲って貰ったって話しです」
「へぇー そんなに美味しくても 翌日にこんなに臭いとねぇー ふふふ」
「おいおい そんなに苛めないでください あーあ 臭いかなァー」
神山は意気消沈して缶コーヒーを飲干すと次長席に着いた

机の上に溜まっている書類を整理していると杉田から電話があった
「やあ おはようさん 早いね どうした?」
「おはようございます 実はご相談がありまして、、、」
「えっ なんだよ 改まって、、、」
「お部屋に伺っても宜しいですか?」
「おいおい 怖いな いいよ どうぞ」
電話を切ると洋子に
「洋子 翔がさぁー 何か改まって お願いだって なんだろーね」
「まぁー 改まってですか 何でしょうね 皆目検討が付かないわ」
「だよな 翔らしくないんだ なんかさ、、、」

「誠二さん 篠原涼子さん 美佳 よかった 会えるよ」
「でも 翔ちゃん大丈夫かなぁー」







2014年1月3日金曜日

Vol.1273 百日紅 -9-70



「それでお料理のお土産はちゃんと頂いたのかな?」
「はーい しっかりと日持ちしそうなのを頂きました」
「そうだね 3時に若いのが食べてくれるし」
「それで貴方は由紀枝さんのところでしょ」
「うん どちらにしても 明日は早く出社するよ」
「じゃ 今夜は帰れないわね」
「うん」
「祐子さんに話しておくわ」
「そうしてくれるかな しかし何が楽しいのかね ほんと騒がしいね」
「まぁー 言いつけるからね 可哀相に」
「ははは ゴメンゴメン」
神山と洋子が話しているところへ亜矢子と母親がやってきて
「神山さん 洋子さん 助かりました ありがとうございます」
母親も亜矢子の後ろから丁寧にお辞儀をしていた
「それでは私たち これで失礼します 洋子さん又 ホテルに来てね」
「はーい 伺いますよ 大丈夫よ ふふふ」

亜矢子と母親は女性軍みなと挨拶をし 亜矢子の運転で御殿を後にした
「では 神山さん 私たちも帰りまーす」
「うん 呑んでいる人は運転駄目だよ」
「もう 分かっているわよ ほんと小学生じゃないんだから ねぇーみんな」 
「ほんとよね 自分はたっぷりと呑んでさぁー ねぇー由紀枝さん」
「そうよ 私が運転だから 自分は朝から呑んでいるのよ もう
今日は目出度い日だって ねぇー」
神山は居場所が無くなり 車のほうへ歩いていった
思い出したように携帯電話で 駅前寿司に電話をして器の回収を
4時過ぎに来てもらうよう手配した
「勝間田さん この器ですが駅前寿司が4時頃回収に来ます お願いします」
「はい 本当にありがとうございます それで樽酒ですが、、、」
「ははは 縁起物ですから 皆さんで分けてください」
「ありがとうございます お言葉に甘えさせて頂きます」
「では 私たちはこれで帰りますが 何かありましたら 携帯まで」
「はい なにも無いですよ そうそう例の特注家具ですが
出来上がりまして 本物より良く出来たと話していました」
「そうですか それは良かった 桜川さんも喜ぶでしょ」
「納品が楽しみですね はい」
神山は勝間田と別れると 洋子たちの白いゴルフVR6を見送り
由紀枝の運転でマンションへ帰った

「あーあ 漸く終わったね」
神山は由紀枝の部屋に戻るとソファーに沈み 両手を挙げ寛いだ
「そうね 亜矢子さんの念願が叶って嬉しいわ」
由紀枝は言葉とは裏腹に少しくらい顔付きで神山に話した
神山はその顔付きを見逃さずに
「どうしたの?由紀枝 嬉しくないの なんか暗いよ」
「ふふふ 分かった」
神山の言葉で明るい顔で
「だって 亜矢子さん 今年一杯で辞めるんだって」
神山は今朝 椿から聞いたことを改めて実感した
「まあ 仕方がないよ あれだけの建物だもの 大変だよ」
「そうね 仕方がないわね まあ 私が頑張るかァー ってねっ」
「そうだよ 愛さんと盛り上げなければね」
「でもね 一つ問題があるのよ」
「えっ なんで、、、」
「ええ ほら お家が広いでしょ なので家政婦さんを探しているんだけど
なかなか見つからないんだって」
「あっ そうか」
神山は以前 亜矢子とメイドの件で話したことを思い出し
「そうしたら 祐子のところに聞いてみようか」
「あっ そうね その方が心配ないし」
神山は直ぐに携帯電話で祐子に電話をすると
「はい その話は了解しました お部屋に戻りましたら 会社に聞きます」
「うん そうしてください 詳細は又 あとで」
「はーい ふふふ 由紀枝さんといちゃいちゃしているの?」
「おいおい まだです お風呂にも入っていないよ もう」
「呑み過ぎると駄目よ 由紀枝さんを可愛がってね」
「はい 分かりました もう 前向いて運転しなさい」
電話を切ると由紀枝が
「ふふふ 祐子さん なんだって?」
「もう 由紀枝さんといちゃいちゃしていますか?だって ほんとにもう」
「祐子さんも言うわね よぉーし 今度電話したら反撃だぁー」
「おいおい 仲良く頼むよ もう ほんと怖いね」
由紀枝は口を押さえ笑いながら浴室へ向い 入浴の準備を済ませた
「あなた 用意が出来ましたよ どうぞ」
「ありがとう ではお先に失礼します」
神山は着ている肌着類を洗濯機に入れると 浴室に入った

「あーあ さっぱりしました ありがとう」
「どういたしまして」
由紀枝は冷蔵庫からビールを出し 神山のコップに注ぐと
「うん 美味しいよ ありがとう」
神山は地ビールを飲干すと由紀枝に
「由紀枝 少し寝かせてください 30分でいいかな」
「はーい ゆっくりと寝てくださいね 私は夕食の準備をします」
「うん では失礼します」
神山は寝室のベッドに横になると直ぐに寝てしまった








2014年1月2日木曜日

Vol.1272 百日紅 -9-70



「はい 大丈夫ですよ 取り皿などと一緒にトレーとラップを
用意させて頂いていますので お土産でお持ち帰りできますよ」
「そうか なるほど ありがとう 助かりますよ
しかし 凄い量ですね 魚も美味しそうだし ありがとう」
「では 私はこれで失礼します なにか不足していましたら
直ぐに伺いますので 電話をください お願いします」
「はい 今日は忙しい所 ありがとうございます」
駅前寿司の大将は亜矢子や母親に丁寧にお辞儀をすると御殿を後にした

暫くすると棟梁が儀式の準備を確認し 始まった
棟梁が棟木に幣束(ヘイグシ)を立て破魔矢を飾り 建物の四方に
酒・塩・米をまいて清め上棟の儀が無事に終了した
この後に亜矢子の挨拶があり そして母親の挨拶も行われた
棟梁が建築に携わる関係者の紹介と挨拶が行われ それが終わると
宴会になった
この時は洋子や由紀枝など女性軍が活躍をして 料理が手早く準備され
神山の音頭で乾杯が行われた
和やかに食べ始めると 亜矢子は棟梁たちにご祝儀を渡し始めた
後ろから母親がついて来て みなに丁寧にお辞儀をしていた
若い大工は 礼儀正しい母親の姿をみて 起立をしてご祝儀を受け取り
亜矢子と母親に丁寧にお辞儀をして挨拶をしていた

さすがに若い大工は良く食べ良く呑んでいた
椿は神山の隣に座り話しながら食事をしていたが
「神山さん 実は亜矢子さんが正社員を辞めたいそうなんですよ」
「やはり そうですか もっともこれだけの家ですから 仕方がないですね」
「ええ それで正社員は辞めても パートとして 都合がいいときに
日中だけお仕事をして貰おうと考えているんです」
「そうですね お母さんの具合もある事ですし
しかし 病院が直ぐ傍ですから 安心は安心ですね」
「ええ 聞きました この丘の下にあるそうですね」
「ええ 先生もいいお人柄ですよ 任せて安心です」
「へぇー そうですか それは良かったですね」

神山はやはり来る時がきたと思ったが それは仕方のない事だった
後出来る事は この家を出来る限り使い易く 住み易くする事だと思った

宴会が始まって1時間が過ぎただろうか 棟梁が亜矢子のところに来て
「桜川様 宴会をそろそろ切り上げたいのですが 如何でしょうか?」
亜矢子は驚いたが 時計を見ると12時なっていた
「はい お願いします でも まだ残っていますよ 食べてくださいね」
「はい 3時の時に又 頂きますよ でも皆さんでお土産にしてください
うちらは 少しあれば充分ですから はい」
「そうしたら ビールも残しておいて大丈夫ね」
「ありがとうございます」
棟梁は亜矢子に挨拶すると 関係者を集め始めた
神山が心配して亜矢子に聞くと 女性軍を呼び 料理のお土産を作り始めた
「亜矢子 そうそう このダンボールに入っているホテルの地酒だけど
お土産に出来るように熨斗紙が巻いてあるんだ 帰る人に渡さないとね」
「あっ そうか そうしたら勝間田社長に頼んでいくわ
私も 母が居るから早めにここを出ないといけないし」
「そうだね その話は僕から話しておくよ
そうだ 洋子たちにも分けないといけないから 今のうちに渡すよ」
「そうね 気が付かなかったわ ありがと ふふふ」

神山は地酒の入っているダンボール箱のところに勝間田社長を呼んで
理由を話し 皆に手渡すようお願いをした
「はい 大丈夫ですよ 今日は弟と最後まで居ますから
設備関係や玄関周りなど 確認事項がまだまだありますから はい」
「では お願いしますね」
神山は洋子たちを呼び 地酒のお土産を女性軍皆に配った

13時になると家を囲んでいた紅白幕が撤去され
準備していた木材や金物が敷地内に運ばれ始めた
この時間になると 家に居ると運搬の邪魔になり 
施主や椿 神山など敷地内に居られなくなった
「では 神山さん お先に失礼します」
「はい ありがとうございます クーラーBOXは後日お返しします」
「はい 急がないでもいいですよ 余り使いませんから ははは」
「ありがとうございます では又 伺います」
「はい お待ちしております」
椿は亜矢子と母親に丁寧にお辞儀をし スカイラインでホテルへ戻った

「じゃ 私たちも帰りますね」
「ほんと 洋子たちが手伝ってくれたから 助かったよ ありがとう」
「いえいえ これだけ居ると何かと役に立つわね ふふふ」







2014年1月1日水曜日

Vol.1271 百日紅 -9-70



由紀枝の運転でホテルに着くと 椿総支配人が車寄せで待っていた
「神山様 由紀枝さん おはようございます」
「おはようございます 支配人 早いですね 遅刻だわぁー」
「いやいや 人手が空いている時に手伝って貰い そのままだと
心配なので ここに居たんですよ」
神山と椿の二人で缶の地ビールが入った クーラーBOX2個を由紀枝の
車に運び込んだ
「しかし 椿さん 随分と重いですね」
「ええ 氷の他に保冷剤も入れているんですよ だからでしょ」
「なるほど ほんと一人だと持てないし セダンだと積めないですね」
「ええ このクーラーBOXしか空いていなかったんです 済みません」
「いえいえ こちらが急に注文したものですから 大丈夫ですよ
それでは 亜矢子御殿へ行きましょうか」
「そうしましょう 早めに行ったほうが準備も出来ますし そうしましょう」

由紀枝と神山が乗る白いゴルフVR6と椿が運転するスカイラインは
儀式が行われる新居へ向った
亜矢子御殿に着くと 玄関まで車が溢れていて神山が先に下りて
玄関のほうに向うと不動産屋社長と挨拶をした
「おはようございます 神山様」
「いやぁー 良い天気で何よりですね」
「ええ やはり建前の時は 晴れて欲しいものですよ」
「ところで 車ですが 後4台ばかり来るんですよ
少し整理をしないと 後からの車はお客さんですからね どうでしょうか」
勝間田社長は 直ぐに社員を呼び玄関の外に出すよう指示をした
制服を着た若い社員は 設備関係や工務店関係の車を 綺麗に歩道に出した

空いたスペースに椿の車を誘導して 由紀枝の車も直ぐ傍に停めた
時計を見ていると 洋子や泰子の白いゴルフVR6が玄関にきた
「やぁー 早いね おはよう」
「うん 安全運転ですよ おはようございます」
白いゴルフVR6から洋子 泰子 祐子 由貴 桃子 カトリアーナ
真由美 香織ら8人が降りてくると 由紀枝も混ざり挨拶が始まった
「ほらほら お客さん同士の挨拶は程ほどにね でも亜矢子が居ないなァー」
まだ壁が出来ていない鉄筋だけの家を見渡しても 何処にも居なかった
「神山様 桜川様ですが 銀行に行かれ 直ぐに戻られると思いますよ」
「施主様が、、、腰を据えて貰わないと困るね ははは」

神山や椿 洋子たちが話していると 亜矢子の白いゴルフVR6が
玄関に入ってきた
「わぁー みなさんお揃いで ありがとうございます
こちらが 私の母でございます お母さん こちらが神山さんです」
「おはようございます 亜矢子がいつもお世話になり
ありがとうございます」
亜矢子の母は体調が良いのか 顔色も良く ニコニコして
洋子や由紀枝など みんなと丁寧な挨拶をしていた
「亜矢子 あのさ 驚かせてゴメンね それで今日の料理だけど
ホテルの地酒や地ビールなども追加をしました それでその分は
こちらで支払いするから 安心してね」
「まぁー そんなぁー ふふふ 甘えちゃおぅー」
「そうよ 亜矢子さん 滅多にない儀式ですもの 甘えましょうよ」
「洋子さんも 教えてくれればいいのに 驚いたわ ふふふ」
洋子と亜矢子は直ぐに直近の話などに花を咲かせていた
神山は由紀枝たちに 包みを用意させ 母親に渡すよう指示をした
「じゃ まずは僕から渡すから 順番にね いいかなぁー」
「はーい もう 小学生じゃないんだから 嫌ねぇー ねぇーみんな」
「そうよ 学校の先生みたい ふふふ」
由紀枝たちは口々に神山を非難したが 顔は笑っていた

母親に包みを渡し終えると 亜矢子がみんなに丁寧にお辞儀をした
10時少し前になると 儀式の準備で忙しくなり
洋子や由紀枝など みんなでお皿や御手もとなどをテーブルに並べ
椿や神山も由紀枝の車から地ビールの入ったクーラーBOXを
会場に運んだ
家の周りには紅白幕が張られ 準備は整った
ちょうど 神山が玄関で作業をしていると 駅前寿司の車が入ってきた
「いやぁー 神山さん おはようございます すみません 遅くなって」
「大丈夫ですよ 時間は充分ですよ」
神山は女性軍を呼び お寿司屋など料理を運ぶよう指示をした
そうしていると 酒屋がきて一斗樽を運んできた
台車にのせ樽を運ぶが 敷居を跨いだり 大人4人がかりで
祭壇にあたるところまで運んだ

神山は洋子を呼び 駅前寿司屋の大将に支払いをするよう指示した
「では神山様 終わりましたら連絡をください 器の回収をさせて頂きます」
「ええ そうですね それで余った分はどうするかなァー」