「よかったわ この玉子 あなたが好きだから買ってきたわ」
「どうもありがとう 嬉しいよ」
神山は祥子との生活をありがたいと思っているが 果たして
祥子自身どこまで本気で 考えているものか頭をよぎった
毎日このように朝食を食べさせてもらって
夜は激しいSEXをして 本当にこのままでいいのだろうか
由香里との事もあるし 亜矢子の純情さも捨てがたいし、、、
「どうしたの? なにかあるの?」
「どうして?」
「だって 私が聞いているのに無視されているもの」
「ごめんごめん 仕事の段取りを考えていたのさ
ごめんね もう一回言って」
「だから 今夜は何時ごろお出かけになるのですか」
「うん 銀座が終って上原の墨出しチェックが終ってだよ」
「そうしたら 夕飯はどうされるの?」
「夕飯はぬき と言うよりも軽く食べるけどね」
「そうしたら 今夜と明日の朝食は私一人なのね」
「うん しょうがないだろ」
「そうね お仕事ですものね」
「それはそうと 今夜は見に来るの」
「ええ そのつもりですよ 銀座が残業なので一緒に帰りましょ」
「うんそうしよう 8時ごろには出られるかな?」
「もう少し掛かりそうだけど 何とかするわ」
「そうしたら 僕が終ったら呼びに行くよ」
「ええそうして その方が出やすいから」
「そうだね ではそうしよう」
今夜の予定が決まった二人は 朝食を平らげた
まだ出かけるまで時間はたっぷりとあったが 何も出来ないので
「祥子 こっちにおいで」
神山は祥子を呼び寄せると 久しぶりにおっぱいの感触を確かめた
「何しているの 嬉しいけど、、、」
「だって 久しぶりだろ ほらおっぱいちゃんも喜んでいるよ」
「ば~か 私が喜んでいるんでしょ だめよ、、ねぇったら」
「分りました しかし素直なおっぱいちゃんだ」
「分りましたから 離して お願いだから」
キスをしようとすると 近づけた唇をとうざけた
「どうして おっぱいは良くて 唇はだめなの?」
「ごめんなさい 納豆の匂いがして、、、」
「そうか 悪かった ごめんね」
「いいの 私が食べられればいいんだけど ごめんなさい」
神山は気を取り直して
「今朝のスケジュールはどうなっているの
僕は直ぐに現場に行きますが」
「私は会社に寄ってから銀座ですけど 朝は少し空いています」
「そうしたら 現場に着なよ 基本が分るから」
「ほんと お邪魔しても怒られないかしら?」
「怒るなんて 皆びっくりするよ」
「そうしたら 教えてくださいね 基本を」
祥子は先ほどまでの暗い感じだった顔が一変で明るくなった
普段の明るい顔に戻った顔を見て内心ホットした
自分の生理で神山を満足させる事が出来ないジレンマで
神山のご機嫌をとろうとしていたが 逃げ道が見つかり安心した
「おはよう」
神山は祥子と一緒に上原の現場でアルタの皆に挨拶した
約束の9時にまだ充分な時間に現れた二人に高橋は驚いた
現場には施工を請け負った作業員が墨出しの準備をしていて
高橋の本心としては準備段階を見られることは好まなかった
しかし神山の技量から考えれば誤魔化す事は出来ないし
ありのまま下準備から見てもらったほうが上手く進むと思っていた
「孝ちゃん 久保さんが時間があるので見てみたいと言っているので
現場に来て貰いました お願いしますね」
「山ちゃん 連絡をくれれば 綺麗にしておくのに、、、」
「いいじゃないですか ありのままで」
高橋は祥子に照れ笑いをしながら
「うん 久保さん 不明なところや疑問のところは仰ってください」
「ありがとうございます 神山さんにも言われてきました」
3人は図面やスケールモデルを見ながらイメージを中心に話が進んだ
「神山さん 本当に思ったとおりに出来上がるのですね」
「勿論ですよ アルタの仕事は間違いないですよ」
「久保さん ご安心下さい 神山さんが付いていますから大丈夫」
「嬉しいわ 神山さんお願いしますね」
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