「お客さん 上原に着きましたよ」
すっかり寝込んでしまった神山はタクシーの運転手に起こされた
神山はマンションに戻り郵便受けを覗くと
宅配業者からの不在表が入っていて
【ゴテンバ グランド インさん からのお届けものは
管理人さんに預けました 受け取りをお願いします】
神山はエレベーター後方の管理人室に行き荷物を受け取り
台車を借りて自分の部屋に運んだ
送られてきた日本酒を筒井の分を取り出し祥子に電話した
「神山ですがお楽しみのところ 済みませんね
どう盛り上がっていますか」
「はい 私です ちょっと待ってくださいね」
祥子は居酒屋のような所に行っているらしく雑音が酷く
聞こえないために静かな場所に移った
「ごめんなさい 聞こえますか?」
「うん 聞こえるよ 大丈夫です
ところで筒井さんの住所を知りたいんだけど、、、」
「どうしたの?」
「うん 御殿場のお土産を送りたいんだ」
「はい 少し待ってね 今手帳を持ってきます」
「うんお願いします」
神山は祥子から住所を聞くとメモをしてから
「どうもありがとう 今夜中に宅配業者さんに出しておきます」
「はい 分りました お仕事頑張ってください」
「そちらも頑張ってください」
神山はメモを書き直して日本酒を台車に載せ管理人室に行くと
管理人は荷物を受け取り寸法と重量を測り送料を割り出した
神山はお届け伝票に必要事項を記入し送料を渡し部屋に戻った
時計を見ると22時30分なので銀座の部屋で
杉田が仕事をしていると思い電話した
「おばんです 神山ですが どうだい仕事は」
「こんばんわ どうされたんですか?もう自宅ですか?」
「うん 今帰ってきた」
「随分と早いですね」
「うん 皆は2次会に行ったが そうも出来ないからな」
「ありがとうございます お聞きしたい事があって
電話をしようにも どうしたものかと考えていた所です」
「そんな 遠慮しないでくれ 時間がもったないぞ それで」
神山は杉田の悩んでいる事を聞きだし 適切に指示をした
杉田は神山から聞いたアドバイスで
「分りました その方法で合い見積もりを行います」
「うん その方法がいいと思うよ」
「ええ ありがとうございます たすかりました
これから書類を作って明日各業者にFAXします」
「うん 頑張ってくれてありがとう 23時頃には帰れよ」
「はい それで明日はどうされますか?」
「うん 午前中は上原の現場で午後から銀座に行く」
「分りました 気をつけて下さいね」
「うんありがとう 翔も気をつけろよ」
神山は杉田と電話を終えると 由香里に電話した
「こんばんわ 神山ですが」
「こんばんわ お早いですね」
「そう 10時過ぎに終って帰ってきた」
「倉元さん達とご一緒ではないのですか」
「うん 翔が今も部屋で残業していたし
それに自分の仕事が山ほど残っているからね」
「そうですか 大変ですね それで翔君もまだ部屋で仕事?」
「うん 今電話したら仕事の最終段階だったよ」
「頑張っているわね 早く課長さんになってもらえるといいわね」
「うん それから例の日本酒が届いていて筒井さんに送っておいた」
「あっ そうそうありがとうございます 私の所にも届いています」
「良かったね」
「ええ 先ほど母と味わって 美味しいって言っていましたよ」
「へぇ~ まだ呑まれるの お母さんは?」
「ええ 昔は私より呑んでいたみたいよ
今は呑んでいるけれどそんなに量は呑まないけどね」
「しかし 美味しいお酒でよかったね 喜んでもらって嬉しいよ」
「そうね 私も嬉しいわ いい日本酒に出会えて」
「また一緒に御殿場に行こうよ」
「ええ お願いしますね」
「それと 明日だけど午前中は上原です 午後から銀座に行きます
それと 翔の書類を見てあげてくれる?FAXする前に、、、」
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