祥子は今まで味わった事の無い美味しさに
「本当に美味しいわ くせになるわね」
「うん 少し送ってもらう事にしてあるから待っていてね」
「楽しみにしています」
ビールを呑みながら朝食を食べ終わると祥子が
「そうしたら 今朝は早めに出ます 迷惑を掛けたくないし」
「そうだね そうしたら後片付けを手伝うよ」
「いいわよ そのままで でも助かるわ」
神山は立ち上がった祥子を後ろから抱き寄せキスをした
「ねぇ お願い 仕度をさせて お願い」
神山は片手でバストを愛撫すると
「そんな事をして私を困らせると 今夜はお預けですよ」
「わかった わかったよ お預けはなしにしてね」
神山が笑顔で答えると祥子も笑った
祥子の仕度が出来ると神山は部屋に戻り
外出着に着替え祥子と代々木上原の駅まで歩いていった
4月は緑の香りがして 清々しい気分になった
仕事も順調に進み二人にとっての気分は今のようだった
いつものように祥子のバストが腕にあたり神山はこんなにも
自分を愛してくれている人がいて幸せだと思った
祥子自身ももそれを最愛の人に対する愛の信号と考えていた
出会ってからまだ数日しか経っていない二人だったが
歩調にぎこちさが無くなりテンポが合って来た
改札口に近づくと突然
「ねぇ 愛している?」
「えええっ?」
「だ・か・ら 愛している」
「うん なんで?」
「いいの」
祥子は言い終わらないうちにキスをして改札口に向かった
神山は一瞬の出来事を把握できないまま手を振って見送った
部屋に戻るとまだ9時になっていないので由香里に電話を入れた
「神山ですが、、、」
「おはようございます お疲れ様でした」
「どう 体調は大丈夫?」
「ええ ごめんなさい 私 帰宅して連絡もしないで、、、」
「いいよ それより今まで僕が介抱される役だったのに、、、」
「ええ それと ブレスレット ありがとうございます」
「とんでもないよ これからもお願いしますね」
「今日からこれ付けていっていい?」
「いいよ なんで?」
「だって、、、」
「それより どうした 本当に躰は大丈夫?」
「うん あなたがいけないのよ」
「なんだよ それ」
「だって いっぱいしたでしょ だから躰がおかしくなったのよ」
「なに それ」
「だけど私 今朝女性になりました」
「うん、、、」
「分らないのね 本当に おばかさん
まあ いいわ あなたがいけないことにしておくわね」
「そんな 理由を説明してよ」
「今はだめ 母がいるから あとで」
「分りました ところで出張の件お願いします」
「はい 任せておいて ところで今日のご予定は?」
「うん 12時に上原の最終確認で筒井さんが出席立会いだ」
「まあ 大変ね 筒井さんも」
「もっともアルタの儀式だけどね」
「まあそうね 久保さん一人では可哀相ですもんね」
「その後昼食で3時頃には部屋に行きます」
「はい 奥村さんにはそう言っておきますね」
「うん頼みます では」
神山は 由香里との電話を終えると三島の亜矢子に電話した
「おはようございます 神山ですが」
「おはようございます 亜矢子です」
「昨日は色々とお世話になりまして ありがとうございます」
「そんな こちらこそ しかし大丈夫ですか」
「ええ ちゃんと自分の部屋にたどり着きましたよ」
「よかったわ 心配しました」
「ありがとう ご心配をお掛けしてすみません」
「今朝 如何でしたか 起きられましたか」
「ええ 仕事の電話で起こされました」
「えっ そんなに早くですか」
「仕方ないですよ」
神山は亜矢子と会話をしていると今にでも会いたい気分になり
「亜矢子さんは 連休をとる事は出来ますか?」
「ええ ハイシーズンは出来ませんが なぜ?」
「やっぱり ゆっくりとしたいでしょ」
「ええ」
亜矢子は疑うつもりは無かったが
「本当に いいのですか そんなにして頂いて」
「今でも 逢いたい気分で一杯ですよ」
「そんな 由香里さんが怒りますよ」
「また 彼女はお仕事ですよ」
「その時まで来て下さらないのですか?」
「いや 必ず行きます 待っていてください」
「本当ですね 信じていいのね」
「ええ 出来れば今月の末あたりを考えているのですが」
「ごめんなさい 月末と月初の連休は難しいわ」
「そうですよね、、、」
神山は彼女の都合が悪いと知っていても言ってしまい気落ちした
「ごめんなさい 折角のお気持ちなのに、、、」
「そうしたら 今度の土曜日は如何ですか?」
「ごめんなさい 勤務で泊まりです」
「でも 僕の部屋に来る事は出来る?」
「そんな いくら仮眠でも客室では、、、」
「う~ん そうしたら 都合のいい日を連絡くださいね」
「ええ あなたの動ける日のほうがいいわ」
「そうだね 来週の水曜日はどうなっていますか」
「ちょうどお昼で上がります」
「そうしたら 来週の水曜日に三島に伺います」
「本当ですか うれしいわ」
「又近くになったら 電話しますよ 待っていてください」
「はい 楽しみにしています」
神山は亜矢子との連絡を終るとFAXの整理や仕事をまとめた
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