2010年12月14日火曜日

Vol.157 若葉 -6-13

13日 月曜日
時間を忘れ仕事をまとめていると電話が鳴った
「はい 神山ですが」
「山ちゃん 高橋です おはようです」
「どうも まだ時間あるよね」
「うん 実は昨日の写真だけど OKでした」
「どうしたの まだ11時だよ そんなに急いでいたの」
「そう 9時前から打ち合わせで大変だったみたい」
「ふ~ん よかったじゃない 仕事が取れて」
「ほんと 山ちゃんさまさまですよ 本当に」
「それで 御殿場のカメラ代だけど、、、」
「うん いくらになりましたか?」
「合計で48万円です」
「随分と揃えましたね」
「うん この際だから 彼女に選んでもらった」
「了解です お昼に渡しますよ 領収書を忘れないでね」
「うん 了解 それでは12時に」
「お願いします」
電話を切るとすぐに電話が鳴った
「私です」
祥子からだった
「どうしたの?何かあった?」
「やはり 12時には間に合いそうに無いの 大丈夫かしら」
「うん 筒井さんがいるから大丈夫だと思うよ」
「ごめんなさい 少し前に筒井に電話しておきましたが、、、」
「そんなに急がなくても大丈夫だよ 銀座をしっかりみてね」
「ありがとう でも心配だわ」
「何時頃来られるの?」
「やはり30分くらい遅れるわ」
「それだったら全然問題ないよ 大丈夫さ」
「分りました 出来るだけ早く行きます」
祥子は現場で大切な儀式なのに自分が居ない事に憤りを感じていた
電話の口調で感じてはいたが神山はそれ以上言えなかった
銀座店の仕事と上原の仕事をまとめ現場に行くとアルタの高橋と
ニーナ・ニーナの筒井が先に来ていた
「山ちゃん 凄いね 高橋君が大喜びじゃないか」
「そんな でも筒井さんも大変ですね」
筒井と神山はショップの中に入ったが
話題は神山の仕事振りに集中した
アルタの高橋も神山に随分と助けられていたので
「筒井さんもいい人を見つけましたね 山ちゃんは最高ですよ」
「そうだよね 実際ここまで実力を見せ付けられると驚くばかりだよ」
「そんな事無いですよ パートナーが美しいからやる気がでますよ」
「おいおい 山ちゃん ほんと?」
「なんだよ 孝ちゃんだって美しいって言っていただろ」
「まあまあ 久保君も喜ぶよ 二人から言われたら」
結局3人は祥子が到着するまで現場の話は出なかった

筒井が時計に目をやったときにタクシーがショップの前に止まった
祥子が皆に謝りながら車から降りてきた
「どうも済みません 遅くなりました」
「お疲れ様 銀座は大丈夫だね」
「ええ 大丈夫です」
「すみませんね お忙しい時間にお呼びたてをしまして」
「いえ 何時もの事ですから 慣れていますよ」
祥子が揃ったところで現場の最終確認が始まった
アルタの高橋が説明をして部下の内野や田中が補足の説明や
床材などサンプルを筒井に分るように設置した
説明は順調に進み筒井のクレームが無いくらい完璧だった
詳細はやはり神山が説明して筒井を納得させた
「充分分りました 後は出来上がりを待つだけだね」
「そうですね 現場は僕もちょくちょく覗きますよ」
「うん お願いしますね 久保君も頼むよ」
「はい 分りました ありがとうございます」
現場の最終確認が無事終った喜びか祥子は筒井にお辞儀した
「それで高橋さん 引渡しはいつになるかな?」
「最終日程は おって筒井さんにご連絡します」
「お願いしますね」
「ええ 今の予定で行けば4月25日の土曜日を見ていますが」
「えっ 半月以上も早くなるの? ほんと 嬉しいよ」
「ええ 什器はもう製作していますし 出来るだけの事はしています」
「どうもありがとう 山ちゃん ありがとう 凄いね」
「では 最終確認も無事終了という事で
お昼の席をもうけていますので どうぞごゆっくりしてください」
高橋が内野や田中を呼びお連れするように命じた





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