2010年12月5日日曜日

Vol.148 若葉 -5-12

「でも、、、」
「そんな事されたら これからこれないじゃないですか ねぇ」
神山は亜矢子にそう言うと
「はい ではちょっと待っていて下さいね」
亜矢子は部屋に備えてある電話で金額を聞き神山に伝えた
お会計が済み1階に下りようとした時に由香里がよろけた
「大丈夫か 由香里殿」
「ええ 大丈夫 部長殿」
「ほんと 大丈夫ですか」
由香里は神山の後ろをでもたれるようにゆっくりと階段を降りた
玄関で亜矢子の叔母さんに挨拶し外に出ると
少し足元が定まらなかったので
「由香里姫 今日の撮影は中止にしましょうね」
「そんな 大丈夫です」
見かねた亜矢子が
「私 三島までタクシーで帰りますので
よろしかったら 私の部屋で休んでください」
「大丈夫ですよ 大丈夫」
由香里は同じ言葉を何回も言っているが少し休ませたほうが
いいと思い亜矢子の申し出を受け入れた
亜矢子は自分が呼んだタクシーに
3人が乗り三島のマンションに向かった

10分すこしで亜矢子のマンションに着いたが由香里は
足元がおぼつかず二人に抱えられ部屋に入った
亜矢子の賃貸マンションは7階建てで三島駅から5分の所にあり
周りには医療関係や役所も直ぐ傍にあるいい場所だった
部屋に入ると亜矢子が自分の寝室を提供し由香里を寝かせた
亜矢子は神山に
「由香里さんの肌着を脱がせますからお願いします」
部屋のドアを閉めて由香里の着ている物を脱がせた
亜矢子は由香里を楽にさせるとリビングに戻ってきて
棚から出した薬箱の中から白い錠剤を取り出し水を持って
寝室に戻った
暫くして亜矢子がリビングに戻ってくると
「由香里さん 相当疲れているみたいですね」
「どうしたの?」
「ええ 酔い止めのお薬を持っていくともう寝ていました」
「そんな だってちゃんと寝ていましたよ 知っている限りは」
「だけど 今の由香里さんは睡眠不足からきているみたいですね」
「大丈夫かな」
「ええ 気持ちが悪くないので 数時間寝れば元気になりますよ」
「すみません 折角の楽しいひとときが、、、」
「そんな事無いですよ ゆっくりしていってください」
「しかし 折角の貴重な時間を申し訳ございません」
「平気ですよ ホテルのお客様と比べたら」
「しかし ごめんなさい」
神山は亜矢子に自分の事のように謝った
「そんな 大丈夫ですよ 私は慣れていますから」
「しかし 折角の楽しい時間を台無しにして 申し訳ないです」
「だけど由香里さん そんなに睡眠不足なのかしら」
「昨夜は12時過ぎに床に入り 今朝は8時ごろですよ」
「そうかしら 随分と疲れているみたいでしたよ」
「多分 慣れない写真撮影が有ったからでしょう」
「緊張の糸がほぐれたのかした」
「多分」
亜矢子と神山はそのあと言葉が無かったが
「亜矢子さん 少し熱いシャワーを浴びてすっきりしたいのですが」
「ええ どうぞ 使ってください」
「潮風と頭をすっきりさせたいので すみません」

亜矢子は浴室を案内するとバスタオルを用意した
神山は浴室に入ると熱いシャワーを頭から全身に浴びせ
気持ちをすっきりさせた
ボディーシャンプーを使おうとすると見かけない
棒状の物がボトルの後ろに置かれていた
手にとって見てみるとハンドマッサージャーで
浴室で肩こりなど治療を行えるマッサージ器だった
しかし神山は肩こりだと猫の手になっていないと
充分な効果は得られないだろうと思い
スイッチを入れ自分の肩に当てたが不十分だった
もとの場所におき考えたが何に使うか分らなかった
神山は充分に熱いシャワーを浴びたので浴室を出て
バスタオルで躰を拭くと乱れ箱の中にはバスローブが置かれていた
「亜矢子さん このバスローブを使っていいのですか」
亜矢子がリビングから





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