催事課の部屋に入ると 奥村課長が神山に
「山ちゃん 大変だよ もう店長が大喜びでさ」
神山は何を言われているのか 全然検討がつかなかった
「もう 課長 大丈夫ですか 今朝だって 主語が抜けていたし
今だって 本人はなにも分からないんですよ」
「ごめんごめん そうだったな いや上原の現場が
余りにもスムーズに事が運んでいるので アルタの内藤社長や
ニーナ・ニーナの筒井社長から お礼の電話があって
それで 是非山ちゃんに会いたいんだと これで分かった」
「課長 当たり前の話でしょ そんな」
「おう でもな店長は 特別に嬉しいんだよ 分かってくれよ」
「で どうするんですか 僕は」
「うん 大至急 秘書課に行ってくれ 頼むよ 昼から電話で
まだかまだかって 何回も言われているんだよ」
「たはぁー そうすると今朝の再現ですかね ははは」
「まさか」
奥村と神山が笑うと 部屋に居るみんなも大笑いした
「でもな お酒が入っているしな、、、」
「おう 酒も仕事のうちだぞ」
「そうですね では行ってきます でもなんだろう?」
神山が催事課の部屋を出ると 奥村は秘書課に電話をした
「秘書課です」
「催事課の奥村です あのー 神山部長ですが
ただいま現場から戻り そちらに向かわせました」
「あら大変 店長も催事課さんに行ってくるって出ました」
「えっ 参ったなぁー それでしたら 部長がつきましたら
大至急 催事課へ戻るよう伝えてください お願いします」
「ふふふ 奥村さんも大変ね 分かりましたよ」
奥村が電話を切り
「あーあ 店長がこちらに向かっているんですって 参った」
「おう 電話すればよかったじゃないか 山ちゃん又 怒るぞ」
「うん どうしよう なんか今朝から山ちゃんに振り回されてるな」
「ははは しっかりしろよ 奥ちゃん」
みんなで大笑いしていると
「おや 催事課は元気で賑やかだな 山ちゃんは来たか」
「はっ いらっしゃいませ 実はもうすぐきます」
「おう そうか じゃ待たせて貰うよ」
催事課の部屋に突然現れたのは 池上店長だった
「はい店長 コーヒーです」
「おう いつもすまんね ありがとう」
斉藤由香里が入れたコーヒーを 池上店長は美味しそうに飲んだ
「店長 すみません 入れ違いになりまして」
店長はきょとんとしたが 事情を察し
「山ちゃん わざわざ悪かったな 何しろ嬉しくてな
こんなに嬉しくなったのは 久しぶりだよ」
神山は店長の傍に座ると
「何があったんですか?」
池上店長は 上原の現場が予想以上早く進み 業者や
ニーナ・ニーナから褒められた事が 嬉しいといった
「はい ありがとうございます もう寝る時間も割いて
がんばっています」
池上店長は笑顔で神山をみて
「そこでだ これ ワシからの気持ちじゃ 受け取ってくれ」
池上は胸ポケットから 茶封筒と取り出すと神山に差し出した
「そんな でも 頂きます ありがとうございます」
「うん 仕事が出来るといいな みんなから喜ばれる
おう 奥村君 少しは山ちゃんを見習いなさい」
「はっ 見習わせていただきます」
「なあ 倉さんもそう思うだろ」
「まあまあ 奥ちゃんも それなりにやってますよ」
「そうか でもみんなに喜ばれて無いぞ」
「ははは それは店長 組合の折衝の時でしょ」
「うん まあな ははは 今日は気分がいいな」
斉藤由香里はこの言葉が出たので 直ぐにビールを用意した
「はい店長 はい山ちゃん どうぞ」
「おう 倉さん こっちにこいよ ほら隅に隠れるな ははは」
倉元はしぶしぶ 店長の脇に座ると 由香里からビールを貰い
「おう では山ちゃんの発展を願って 乾杯」
「はい かんぱい」
3人はビールを呑み神山が上原の進捗を説明した
「そうすると そのチーフってのが綺麗なんだな」
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