このさっぱり感が女性にも受けているんだと 感心した
祥子もスープが美味しいといい ラーメンを残さず食べた
お店を出ると祥子は美味しかったと何回もいって
「今度 会社で聞いてみますね 知っている人手を挙げてって」
祥子は幼子が宝物を探し当てたような喜び方をしていた
「ははは 全員が手を挙げたらどうするの 言われるよ
今頃 食べに行ったんですかって」
「そうか だったら秘密にしておこぉっと ふふふ」
神山は無邪気な祥子を見ていて 一緒に生活できたら楽しいだろう
そう思い始めてきた
毎日が明るくて 楽しくて笑いが絶えなければ きっと幸せな
二人の時間が過ごせると 思い描いた
「ねえ 家電量販店で ラジカセを買いたいんだけどいいかしら」
「うん いこう」
二人は手を繋いで先ほどの家電量販店でラジカセを購入すると
「祥子 帰りは上り坂だからタクシーで帰りましょう」
「そうしようか 早く帰って CDも聞きたいし」
神山は大通りに出て タクシーを拾い上原のマンションを指示した
マンション前で降りて部屋に戻ると神山の携帯がなった
「はい 神山です」
「山ちゃん こんにちは 高橋です」
「こんにちわ どうしたの?」
「うん 例の床サンプルが届いてね この時間で
サンプルを見るとどうかなと思って 電話をしたの」
「わかった そうだね これから行きます」
電話を切ると 祥子に床サンプルがきた事を伝え
一緒に現場で確認をして欲しいと 話した
「行くわ お邪魔じゃないかしら」
「ははは 大丈夫さ そうしたらこのまま行こうか」
祥子は頷き キスをして部屋を出た
「やあ 考ちゃん 久保さんにも確認してもらう為に来て貰った」
「いらっしゃい 凄いね そうすれば床だけでも進めば早いよ」
「ははは サンプルはどれですか」
田中が奥から相当数の床材を運んできて タイルの上に並べた
高橋と神山が手伝って 見やすくすると
「考ちゃん お勧めはこの色でしょ」
「うん そう よく判るね」
「まあね 経験ですよ」
神山はそういうと 入り口に近い日が当たるところに並べた
祥子を呼び外に出てもらい 床材の色を見てもらうことにして
同じ床材を4枚並べ 色加減を変えていった
神山はそういうと 祥子に外から床材の色加減を見てもらう事に
した 床材を4枚ずつ並べると 部屋の中で見るのと違い
薄く感じられる事が分かり 祥子自身も確認できた
「分かったわ だいぶ違うんですね 部屋の中と外とでは」
「ええ なので僕は多少 濃い目の感じでいいと思います
店内照明を明るくすれば このままの色でも充分いけます」
「そうね 最初は暗い感じだったけど 外光が当たると
ちょうどいい加減で いいと思います」
「考ちゃん この色を中心にして 少し明るいのと暗いのを
3種類を3x6パネルで2枚づつ大至急作ってくれないかな」
「うん 大丈夫だよ 在庫は充分あるから コンパネに張るよ」
「うん お願いします」
「それからね 天井の解体がこれから始まります」
「早いね」
「それでね 周りのお店には挨拶をしてきたよ」
「ありがとう 夜までかかるね」
「うん 仕方ないよ 電気は明日仮設が入ります」
「はい 了解 久保さん あとは什器や棚類を決定してもらえば
直ぐにでも 工事は進みますよ」
「わぁー そんなに早く出来るんですか」
「そう 久保さんがOKと言ってくれればすぐです」
「大変な事ですね」
「なので このモデルを家に持って帰りますか」
「いいえ大丈夫です 図面をみて考えます 遅くなってごめんなさい」
「大丈夫ですよ ゆっくりといい案を練ってください
こちらは 基礎にあたる部分を進めていますから」
祥子は笑顔に戻り 神山に
「でも 早ければオープンは早くなるんでしょ」
「ええ でも材料とかの問題もあるので 一概に
その分早くなると言えない所があるんですよ 分かってください」
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