3人はビールだけにして おつまみを少々頂きお店を出た
「じゃ 明日は9時ごろでいいのかな?」
「ええ 現場でお待ちしています」
神山は佐藤や高橋と別れると 自分の部屋に戻った
まずシャワーで体をすっきりさせると
内藤から貰った封筒を開けてみた
現金が10万円と無料宿泊券が3枚入っていた
神山は無料宿泊券をインターネットで調べると
結構大きなホテルで 設備や部屋の中もワンランク上の感じがした
冷蔵庫から缶ビールを取り出し呑みながら休みの事を考えていた
「はい神山ですが」
「斉藤です お疲れ様です」
「うん どうでした休みの件」
「その件ですが 今課長に聞いたの」
「そしたら」
「原則は1週間に2回休む事が出来ますって
しかし現状休めないと思うが 1回は休んで欲しいって」
「そうか 参ったな」
「だけど言っていたわ」
「なんて」
「一区切りついたら 長期で休めって」
「そんな、、、」
「まあ仕方ないでしょ 新部長」
神山と由香里の経緯を知ってか否か 周りで笑いが起こっていた
「なに 今の笑い声 聞いているの」
「まあ そんな所ね」
「参ったよな」
「ちょっと待っていてね 課長に替わるわね」
「奥村ですが 青山の会議 お疲れ様 今 筒井さんから
連絡が入って 大変喜んでいたよ そうそう
休みの件は 山ちゃん 仕方ないよ がんばってください」
「あっ はい分りました しかし出勤についてはどうしますか」
「本来ならば 部長席にある出勤簿に出勤印を押印するのだが
現場仕事という事で 自己申告になる
そこで 週に2回休んだ事に申告をしてくれればいいですよ」
「そうすると実際の休みは どこかに消えてしまうのですか」
「まあ その時はこちらで調整するよ
一区切りついたら 一杯休んで良いからさ
しかし 最低週に1回は休んでくれよ」
「はい 分りました 一杯休めるよう昼夜励みます」
「おいおい ちゃんと寝てくれよ」
今回もみなが聞いていたのか笑いが起こった
「しかし 山ちゃん 少しでも仕事をしたら
一日は一日だからね 後は何をしても構わないよ
もうタイムカードが無いから そこは時間を上手に使ってよ
どこに行ったって 構わないよ それにその時掛かった
経費は会社から出るようになっているから心配しなくて良いよ」
「はい わかりました ところで課長
今度の土日に御殿場を見て来たいのですが いいですか?」
「うん 銀座が何も無ければ」
「ええ 翔にきちんと伝えておきます」
「こちらは別に何もないからいいよ 上原の現場は?」
「アルタは休みです ニーナ・ニーナも休みだと思います」
「うん 支障がなければいいよ」
「そしたら 斉藤さんも良いですか」
「いいけど 出張扱いにはならないな」
「では公休と有給だったら大丈夫ですよね」
「うん 大丈夫だ でもどうして斉藤さんなんだね」
「だって セミプロカメラマンでしょ 現場撮影と記録です」
「うん分った 気をつけてな 今 替わる」
「斉藤ですが なに今の話」
「課長に頼んで 御殿場出張だ 君は連休で来るのさ」
「えっ そんな話 聞いていませんよ」
「そうだよ 今決まった事だから」
「分りましたけど 何をするの 私」
「うん御殿場の現場はもう更地になっているので
君のカメラで記録写真をお願いしたいのさ」
「わかりました 出張届を出しておきます」
「うん 新幹線と宿の手配を頼む」
神山は新幹線の行き先と大体の時刻
宿泊先は後ほど連絡することで電話を切った
すぐにアルタの高橋に電話した
「神山ですが 高橋さんは居ますか」
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