店外催事の1週間前に流通センターに什器を運ばせます
そこにメーカーから来た商品を検査検品しながら掛けていけば
殆ど問題は無いと思いますが 如何ですか」
「そうですね しかし1週間の間保管はどうしますか?」
「それは 空き部屋に保管しておけば問題ないでしょう」
「そうですね センターさん お願いできますか」
「ええ 一つくらいは開いていますから大丈夫ですよ」
販促課長が
「では 同じように当日陳列時間が無い売場はないですね」
各担当が大丈夫と言うのを見て
「では催事課さん スポーツ用品売場のハンガー什器は
流通センター納品でお願いします」
杉田が 神山を見て
「はい 分りました」
販促課長が
「今回催事担当は 神山部長でしたが
今後 横にいる杉田係長が担当します
従いまして これからは杉田係長まで ご連絡ください
それと お手元に配りました会場図面の訂正は無いでしょうか」
会場図面の中には什器備品の配置やレジスターの位置
コーナー看板など準備するもの殆どが網羅されていた
各売場担当者が図面を見て質問がないようなので 杉田が
「什器など変更は1週間とさせて頂きます」
そう言ったあと神山を見ると頷いてくれた
「では これで店外催事の会議を終了します」
杉田が
「先輩 ありがとうございます 助かりました」
「何言っているんだ 当たり前だよ」
それを聞いていた販促課長も
「いや 神山部長にはいつも助けられて ありがとうございます」
「さあ 翔 部屋に戻って来週の打ち合わせをするか」
「はい お願いします」
会議室の棟と催事課の入っているビルとは多少離れているため
外を歩かなければいけなかった
「翔 良かったぞ 今日の説明 大したもんだ」
「先輩が傍に居てくれたから 安心していました」
「おだててもだめだ 今度は一人で行きなさい」
「ありがとうございます がんばります」
「そうしたら そこのレイでも寄って行くか」
「大丈夫ですか」
「大丈夫さ 何かあったらこの携帯が鳴るから」
「では ご馳走様です」
杉田と神山は喫茶レイで今 終った会議の今後を打ち合わせした
催事課のメンバーは会議室の帰りには殆どこのレイを利用していた
だから緊急の用事のときでも店内放送で呼び出しをするより
レイに電話をしたほうが探し出せた
「ねえ 別れる事を課長から聞いたけど 本当なの?」
「はい ご心配を掛けました 別れます」
「しかし分らないわね あんなに一緒になると言っていたでしょ」
「ええ しかし家内に分ってからは、、、」
「当たり前でしょ 奥さんの事 可哀相だと思わないの?」
「はぃ」
「なんで別れる気になったの?」
「家内の親が出てきて たっぷりと絞られたんですよ」
「それだけ?」
「あと、、、別れるとなったら慰謝料を請求すると言われたんです」
「それだけなの?」
「あと 子供が成人するまでの養育費などもろもろです」
「だって 市川さんはそこは 覚悟をしていたわけでしょ」
「えぇ しかし父親から言われ反省をしてしまいました」
「へぇーそんな簡単な愛情だったんだ」
「違います と言ってもどうにもならないですよね」
「当たり前じゃない 浮気して子供作ったら大変でしょ」
「だけど 愛しているんです」
「あなたの愛は 純粋じゃないのよ」
「なんでですか」
「当たり前じゃない 奥さんが居るのに」
「だけど、、、さやかを愛しています」
「その覚悟があったら さやかさんを選べばいいでしょ」
「しかし 僕にはそんな大金を払えることが出来ないし」
「だったら 最初から付き合わなければいいでしょ」
「えぇ、、、」
「それで さやかさんはどうするの」
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