2010年10月16日土曜日

Vol.98 若葉 -1-8

「その前に 自己紹介をしよう 
これから色々な場面で合う事になるからな」
「まず久保君から」
「はい 私は久保祥子です 上原出店のマネージャーをしています」
次に林 浜野とニーナ・ニーナの自己紹介が終った
筒井が 
「まあ皆さんよくご存知だと思いますが 神山さんお願いします」
「はい 私は銀座鈴や催事課の神山と申します
この度 重大なプロジェクトの一員にお招き下さいまして
ありがたく思っています」
神山が終るとアルタの佐藤部長から自己紹介がされ
上原の工事計画の日程などの詳細説明があった
神山は日程を聞いて余裕を感じたが黙っていた
筒井が神山に対して
「神山さん 何かございますか」
随分と改まって言われたので 笑いを堪えながら答えた
「現在 上原店の工事は着々と進行しています
目標の5月半ばにはオープンできるよう 頑張っていますが
勿論 最終的には久保さんに確認をさせてもらいます」
祥子の方を観ながら言ったが彼女はくすっと笑い手で口を隠していた
「神山さん 私のほうにも連絡を下さいね」
筒井が笑いながら催促をしたのでその場の硬い空気はほぐれた
「はい勿論 筒井社長にもご連絡をさせて頂きます ご心配なく」
筒井が催促することなくニーナ・ニーナの林や浜野から質問が出た
上原出店についての質疑応答がなされ大よそのところで皆納得をした
「それでは上原出店についてはこれにて終了
午後から御殿場出店についての会議です これから昼食にしますが
場所をご用意してありますので案内いたします」
筒井は6階の女性スタッフに目配せをして1階で待つよう指示した
エレベーターには全員が乗れない為3回に分かれておりた

浜野やニーナ・ニーナの女性社員が先を歩き 中華料理屋に入った
2階にある中型回転テーブルを2台使う大人数だった
ちょうど6名6名に分かれた
アルタの佐藤と神山 筒井とニーナ・ニーナの女性3名
もう一つのテーブルにはニーナ・ニーナの女性軍が6名となった
「さあ 好きな物を頼んでくれ」
筒井は女性軍のテーブルに向かって注文を促した
「社長 ビールはどうでしょうか?」
年長の林が女性郡を代表して筒井に聞いてきた
「うん 食前酒程度ならOKだ 頼んでいいぞ」
女性軍から呑める事に対してではなく意見が通った事に対して
歓声が上がった
「もう一つ お願いがあるのですが」
「うん なんだ」
「あの~ 神山さんがこちらに来て下さると
食事がいっそう美味しくなると思うのですが 如何でしょうか」
筒井は指名された神山に目で聞いたが OKのサインを出したので
「よし それでは渋谷君はこちらのテーブルに来るように」
筒井は林をわざと残し彼女の動向を探る事にした
神山と渋谷のトレードが終った
各テーブルにビールが置かれたのを見届けて筒井が
「まずはご苦労さん まだ御殿場が残っているが
上原はなんとしても成功させる 乾杯」
みな隣同士でグラスを合わせていた
神山は祥子と同じテーブルについたものの
隣は浜野と林で祥子は正面にいた
「先日はご馳走様でした」
浜野が言った
「いえ こちらこそ 慌しかったですね
そのうち時間を作ってゆっくりご馳走しますよ」
今度は林が
「先日は お忙しいところ
お時間を割いて頂きましてありがとうございました」
「しかし急でしたね」
神山は今回の件をはじめて聞いたように振舞っていた
浜野が神山の忙しさを感じ
「だけど神山さんなら 何でも出来るから大丈夫ですよね」
神山はなんと答えて良いものか考えながら祥子を見てみると
きつい顔で睨み返された
(そんなに だらだらしないで 浜野なんかにでれでれしないでよ)
神山はわざと浜野の話から逃れようとしたが
「私 上原のマネージャーを勤める事が決定しました
今後ともご指導宜しくお願いしますね」





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