2010年10月18日月曜日

Vol.100 若葉 -1-8

「では 解散 ご苦労様でした」
神山と佐藤が筒井と話しながら会議室を出ると 一足早く出た
林と祥子やニーナ・ニーナの美女軍団が 整列して待っていた
神山はエレベーターに乗るとき祥子に向かって 頷くと祥子も頷いた
NNビルを出た佐藤と神山は一緒に上原の現場にいった

現場に着くと高橋が佐藤を見て
「部長 どうされたんですか」
「ははは たまには見に来ないとな だいぶ進んだな」
「ええ 天井が解体されれば 後は墨だけですから」
「うん いや今日はね ニーナ・ニーナさんで会議があって
神山部長が御殿場の監修と正式に決まったよ」
「えっ それは良かったですね 動きやすくなるし 山ちゃんおめでとう」
「って 言われても 自身の力じゃないからね 程ほどに」
「まあまあ ご謙遜」
「どうだね高橋君 オープンは」
「ええ 明朝久保さんが確認をしてくれて 正式にGOがかかれば
早いですよ 小田原の工場も空いているそうです」
「そうか 来週の初めくらいだと 5月に入るか?」
「うーん 難しいですね 横浜が8箇所でしょ 大きいのばっかりですし」
「そうだな うーん 急かしてあとから言われるのも嫌だしな」
「でも山ちゃん 結構 理解して進んでいるよね」
「うん なので 大枠で決定すれば 細かいところは微調整できるからね」
「うん そうだね 明日にも聞いてみようかな」
「それで 筒井さんを交えて 最終判断をして貰えばいいと思うよ」
「うん そうする そうそう サンプルが来ていますよ」
神山は壁面サンプルを立てかけ 床材サンプルを手前に置くと
「ねえ 考ちゃん ここの電気はどこ」
高橋は壁面の照明スイッチを入れると神山が
「やっぱりな 多少写りこむね」
「うん これだけの色だから 仕方ないかなって思っているんだけど」
「まあ 什器が来るし あまり気にならないけれどね」
「兎に角 明日ですね」
「うん そうしよう」
二人の話を聞いて佐藤が
「山ちゃん 少し時間空いているかな」
「ええ 今日はもう銀座には戻りませんよ なにか」
「高橋君 ここを閉めて 寿司屋で軽く呑もう」
「はい 分かりました」
高橋は店舗の中を片付けると 神山と一緒に駅前寿司屋に行った

「さあ 来て貰ったのは 特別な話じゃないんだ」
佐藤はビールが来るのを待っていた
女将がすぐにビールと枝豆を持ってくると
「なあ 高橋君 神山部長をどう思う」
「えっ 突然どうしたんですか って言われても スーパーマンですよ」
「そうだろ ところで山ちゃん どうだね うちにこないか」
神山はハットしたが ヘッドハンティングとわかり
「お気持ちだけ頂きます 僕の力を買被りされているんですよ
僕なんて 大した事無いですよ 本当に」
神山は正直 鈴やの社風や職場環境が好きで特に銀座は楽しかった
お金をいくら積まれても 再就職するつもりは無かったが
「それに お給料だって 充分すぎるくらい頂いています」
「うーん 無理か」
その話を聞いた高橋が
「山ちゃん どうだろう ここで結論出さないでさ 考えて ねっ」
神山は高橋をみて頷いた
佐藤が茶封筒をだし神山に手渡すと
「山ちゃん これは内藤から預かってきたんです どうぞ」
神山が中を見ると現金と手紙が入っていた
【山ちゃん お疲れ様 この頃の仕事振りは部下から聞いています
そこで このお金を使って少し休んで英気を養ってきてください 
これから現場が本格的に動き出すと休む事が出来ないと思います
それと宿泊券も入れておきました どうぞ使ってください 内藤】
「わぁ 現金と宿泊券ですよ いいのかなぁー」
「山ちゃん なんて書いてあるの」
神山は内藤のメモを高橋に渡した
「さすが 社長ですね 山ちゃん今度の土日は休みだから
ゆっくりと羽を伸ばして英気を養ってきたら」
「そうしようかな もう4月に入ってゆっくりと休んでいないんだ」
「休んだ方がいいよ」
佐藤が神山にビールを注ぎながら
「私の話と 社長の件は一切関係ありませんから ご心配なく」
「はい わかりました」 





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