「はい 高橋ですが 山ちゃん どうしたの」
「うん お願いがあってさ」
「なんでしょ」
「実は今度の土日に御殿場に行ってくる」
「えっ はい」
「そこで 記録写真を撮影するんだけど もう一人行きます」
「わかりました 2人分用意すればいいの」
「いや 僕は内藤さんから頂いたから 1人分用意出来ますか」
「そしたら 明日持ってゆきます 片手で足りる?」
「充分だよ ありがとう」
「しかし急だね どうしたの」
「ほら 頂いた宿泊券を見ていたら行きたくなった」
「えっ ほんと 凄いじゃないですか」
「会社に休みの件なんかを聞いていたら生き抜き出来なくてさ」
「なるほど 休めないもんね」
「うん それで御殿場を思いついたのさ」
「だけど 山ちゃん 現場の写真は僕らも欲しくて
来週かその次の週に行こうかと 話が出ていたんですよ」
「じゃあ 撮影をしてくるよ 一杯」
「助かります おねがいします」
「では 明朝9時に」
「了解です」
アルタの電話を切ったその時に又 電話が鳴った
「斉藤です」
「はい どうでした」
「今 全て了承して頂きました」
「うん ありがとう」
「秘書課長の所でお認めを頂くときに出張届と前借金届けを
店長が覗き込み しかし神山君は迅速ですばらしい
部長にして良かったって言われました」
「えっ 店長に見られたか 参ったな」
「しかし あなた 私そんなにお金ないわよ」
「大丈夫だ アルタに出してもらう」
「そんな 何か嫌だわ」
「まあ聞きなさい アルタも御殿場の写真が欲しいのだ
だからこちらが先行して撮影するので問題はない
それに 今までの事を見ていても 隠して動けないから
この様に堂々と行動をしたほうが得策だよ」
「はい 分りました」
「だから撮影にはフィルムを余分に頼む」
「はい それから 新幹線は自分で購入出来るように前借で
お金を預かってきました」
「うん 明日時間などを連絡する」
「はい 連絡忘れないでね 待っています」
「うん 出来たら午前中にします」
「はい それでは 頑張ってください」
神山は土日の由香里との旅行が楽しみだが 仕事も大事なので
ニーナ・ニーナの祥子に電話をした
「はい 久保です」
「神山です 今日はありがとうございました」
「どういたしまして よろしくお願いしますね」
「それで 今夜だけれど 何処かで食べようよ」
「そうしたら7時に駅前寿司でお願いできるかしら」
「はい では7時に待っています」
駅前寿司は先ほど行ったばかりだが 安くて美味しくて近いので
都合が良く 19時まで仕事に集中出来ると思った
電話連絡から開放された神山は杉田の仕事に集中した
懸案事項があったり 杉田が打ち合わせをしてから発生した
事項もあり一つ一つを解決していくうちに時間を忘れていた
全てが解決し杉田のところにFAXを送ったのは6時を過ぎていた
もう少し早く解決できると思ったが
物産催事は予算が絡んでいたので遅くなってしまった
もう一度FAXした書類を調べながら缶ビールを呑んでいると
電話がかかってきた
「もしもし 神山ですが」
「はい 杉田です 今頂きました ありがとうございます」
「今 FAXした内容で 詰めてくれ」
「しかしどこからこんな良い考えが 生まれるのですか敬服します」
「そんな事より 頼んだぞ 俺はへとへとだよ」
「そんな 頑張ってくださいよ」
「うん 分った では」
神山は催事課の仕事を終わると 上原の仕事に取り掛かり
祥子が疑問に思うところや 分かり易く説明できるよう図面をみた
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