2010年10月29日金曜日

Vol.111 若葉 -2-9

「えぇ まだ産むと言っていますが 彼女のお兄さんと二人で
出産を止まるよう話をして説得しています」 
「そうね お兄さんから言われれば少しは考えるかもね」
「今夜も行って説得する事になっているんです」
「えっ まだ逢っているの?」
「いえ 今夜が最後です 皆に誓いましたから」
「その方がいいわ 早く楽にさせてあげないとだめよ」
「今夜はお兄さんと一緒で 説得をしてお別れです」
「その方がいいわね しかしお兄さんよく許してくれたね」
「はぃ 最終的にはお金で別れます」
「どうするの そのお金?」
「恥ずかしいのですが
奥さんのお父さんが出してくれる事になりました」
「でも 一段落だけど さやかさんが可哀相ね」
「ご心配掛けました すみません」
「だけど これから奥様を大切にしないとバチが当るわよ」
斉藤由香里は市川と小松さやかの事を事細かく聞いていた時に
マスターが
「市川さん 課長から電話で 
すぐに戻ってきて下さいと言っていました」
「はい 分りました」
「では出ましょうか」
由香里と市川が出ようとすると
入り口付近に 杉田と神山が座っていた
4人はその時にお互いが何の為にここに居るのか分った
「やあ由香里姫 大輔 大変だったな」
「うん だけど解決したよ 詳しい話は 後で又」
「うん 分った大切にしろよ かあちゃん」
「わかった じゃあ先に失礼するよ」
「私も 部屋に戻ります」
「うん 僕らももう少ししたら戻る」
「はい 分りました」
斉藤由香里と市川は神山らを残しレイを出た
「どうしたんですか 先輩」
「例の市川の件だけど決着がついたと言う事さ」
「そうなんですか」
「そうだ だから口にチャックだ 分ったか」
「はい 分りました」
「そうしたら この店外催事は大丈夫だな」
「ええ ここまで教えて頂いたのですから 大丈夫です」
「うん 安心するよ では出ようか」
「そうですね 残りも打ち合わせをしないといけないし」
「そうだな」
神山は席を立ちカウンターで会計する時に時計を見たら
ちょうど5時30分をさしていた

扉を開けるとまだ薄く日が差していて
これからご出勤のクラブの女性達が目立ってきた
この時間のご出勤はまだまだ下っ端の女の子達で
売れている綺麗どころはまだまだ先の時間にご出勤だった
神山が女の子達を見ていると携帯がなった
杉田に
「先に戻っていてくれ 電話が終ったら戻る」
「はい わかりました」
「はい神山ですが」
「私 久保です 今大丈夫ですか」
「うん 大丈夫です」
「今夜の新幹線ですが 7時がとれました」
「よかったね 早い時間で」
「神山さんは お仕事ですか?」
「うん 打ち合わせが在るのでいかれない ごめんなさい」
「いいの では気をつけてくださいね」
「うん そちらこそ」
携帯電話を切ってすぐに由香里の携帯に電話した
「はい 斉藤です」
「神山ですが」
「はい どうされましたか」
「一緒に出るとまずいだろ だから東京駅でどうですか」
「はい わかりました ではご連絡をお待ちしています」
「了解」
神山は部屋に戻ると何事も無かったように自分の席についた
隣に座っている杉田と来週の打ち合わせをしていると
「では お先に失礼します 神山さん明日お願いします」
由香里が挨拶をしに神山に近づき言った





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