2013年10月30日水曜日

Vol.1208 百日紅 -7-68



「ははは 若いときの特権ですね 羨ましいです」
「では 入りましょう」
その時 後ろから声が掛かった
「まあ 神山さま ご無沙汰しています」
「やあ お久しぶりです お元気ですか」
声を掛けてきたのは 三山百貨店店長秘書の山脇絵美だった
「ええ お仕事がなかなか大変で 過日は失礼しました 洋子さんも
お忙しいでしょ ねぇーもう直ぐですもの」
「ふふふ 色々と大変ですね でもお元気で良かったわ ふふふ」
そのやり取りを聞いていた吉永社長は山脇絵美も誘った
吉永美由紀は人懐こいのか真由美 香織 泰子と直ぐに
ゴルフの話で盛り上がり キャァーキャァーと楽しく話していた

席に着くと山脇絵美が仲居に生ビールとおつまみを注文し神山に
ウインクをした
神山は簡単な紹介をすると各自が自己紹介をした
「そうそう 神山様 今回はありがとうございます」
「今夜は大変ですが こちらも期待していますよ」
「ええ 商品は手配してあります 本当にありがとうございます」
運ばれてきた生ビールで乾杯をしておつまみを食べながらゴルフの
話しに華が咲いていたが吉永浩一郎が神山に
「神山様 先ほどから気にしていたんですが このジャケット
素晴らしく上品な輝きがありますね どこですか?」
「さすがですね これはNNですよ」
「えっ NNさんってご婦人ものでしょ」
神山は経緯を掻い摘んで説明すると山脇絵美も驚き
「へぇー しかし素晴らしいジャケットです 惚れ惚れしますわ」
「あのぉー ちょっと試着をさせて頂いてよろしいですか」
神山は吉永浩一郎にジャケットを貸すと 袖を通し
「わぁー 軽いし 動きやすいし さすがパリですね」
「ええ 何しろ軽いのが気に入りましたよ」
「この光沢はもしかしてシルクですか」
「ははは さすがですね そうです 綿麻にシルクです」
「はぁー 高そうですね でもいいなぁー ねぇー美由紀」
「ええ シルエットも凄く素敵で 綺麗なラインですよ お父様も
発売されたら購入されたらいかが」
「うん なかなかいいよ」
吉永浩一郎はジャケットを脱ぐと神山に返した 山脇絵美が
「神山さん そのジャケットって30万円位ですか」
「えーっと 確かまだ決定はしていませんが 45万円でしたね」
「へぇー ちょっと触らせてください お願いします」
神山は山脇絵美にジャケットを貸すと
「わぁー ほんと軽いわね それに綺麗な光沢 わぁー素敵です」

「ははは いいですよ こちらで置いていただいても」
神山はGOLで展開し世界に発信する計画を簡単に説明した
「へぇー 世界中にこのジャケットが出回るんですか 益々ここに
置きたくなりました 素晴らしいです はい ありがとうございます」
山脇絵美からジャケットを返してもらい脇に置くと
「この他にもこのジーンズやシャツ シューズ バッグなどと 今後は
トータルファッションで展開しますので 訴求力は充分ですよ」
「へぇー 検討させてください お願いします」
「ええ 発売は来年の4月です それまでは待ってくださいね」
「しかし 着る人がしっかりされているから決まるのね ふふふ」
「まあまあ ここの支払いは私がしますので どんどん注文してね」
吉永美由紀や若い女の子はキャァーキャァーいいながら食べていた

会食が終わると洋子が精算して三山百貨店を後にし次長室に戻った
神山は引き出しから500万円分のGCを持ち
「ちょっと店内に行ってきます」
2Fにあるポワモールのブティックにいくと以前 カトリアーナの
ARX入社お祝いで購入したペンダントトップを探し購入した
ゴテンバ グランド インの亜矢子宛に配達手続きをした
隣にあるゴルフ用品売場でARX製の新製品ゴルフクラブセットを
同じようにGGIの亜矢子宛に配達手続きをした
ポワモールは吉永美由紀に ゴルフセットは加藤にプレゼントしようと
考えた 洋子一人のバースディーでも良いが 盛り上げるのに
二人も一緒の方が会場も楽しくなると考えた
店を出ると亜矢子に電話をした
「って事で 3人のバースディーですよ ははは」
「大丈夫よ ふふふ それでその配達日はいつなの」
「うん 前日だから17日午前指定で手続きをしているよ
届かないようなら連絡をください こちらから準備していきますから」
「はい 私宛ね」