2013年10月7日月曜日

Vol.1185 百日紅 -7-68



「ええ 基本は崩さないようにしています ただ言われたように商品として
シルエットが何処まで残せるかはまだ検討中なんです」
「うーん このシルエットが充分生かせるようなら良いと思うけどね
そうしたら明日でも デザイナーと話をさせてくれるかな」
「ええ お願いします マネキンはその後ですね ごめんなさい清水さん」
「いえいえ 全然大丈夫ですよ では山ちゃん 連絡を待っています」
「ええ お願いします じゃ失礼します」

「時田さん さすが山ちゃんですね」
「うーん 杉田君や奈々子ちゃんが廻れない所をちゃんと挨拶している」
「良かったですね いい部下ができて」
「内藤さん あなたの所でも部下じゃないですか ははは」
「いえいえ 別会社の社長で助けてもらってますよ 例のグラスにしても
資産があるARXがバックについているし 年間売上高はあのお陰で
凄い伸びになりますからね ほんと敵に廻さなくてよかったですよ」
「うん そうだな 山ちゃんにはもう少し給料を上げたいがな、、、」
「ええ うちもあげたいんです 規約があり困っています」
「4月ころには課長だったのに 今は会社のトップ3だからな」
「ええ 凄い実力者ですね ははは 私も負けていますよ」
「しかし今夜の山ちゃんは決まっているな なにかいい事でもあったのかな」
「先ほど聞きましたら NNのメンズで試作品と話していましたよ」
「ほぉー 進んでいるのか うん 上品な光沢で柔らかい感じだな うん」
「ええ 触らせてもらったんですが シルクが入っているそうですよ」
「えっ シルクか 大したものだ ははは 筒井君も嬉しいだろうな
あんなに宣伝してもらえれば 言う事無しだな」
「そうですよ 下手なモデルが着るより全然訴求力があります」
「うん ワシも販売されたら買ってみるかな ははは」
「そうですね お願いします うちも絡んでいますから ははは」
「そうか うん 分かった ははは しかしジーパンはちょっとな、、、」
「まあ ジャケットだけでも試しに購入ですね ははは」
「うん そんな所だな」

神山が取引先を廻っていると
「ははは 漸く来てくれました お待ちしていましたよ」
「ははは どうも済みません どうか杉田や奈々子ちゃん 山崎を
宜しくお願いしますね」
「ははは 大丈夫だよ 山ちゃん それよりいい人が見つかったの?」
「もう 全然ですよ 時間が無くて それどころではありません ははは」
「そうか ほら素敵なジャケットを着ているからさ 心境の変化でも
あったのかと思ってさ ははは」
「ああ これですか これはNNメンズの試作品ですよ
来年発売されますから お願いしますね」
「へぇー NNって婦人だろ それがメンズをだすんだ」
「ええ お願いしますね ははは」
神山がお酌をすると女性とジャケットの話になり
酒を酌み交わし暫く話すと又 別の取引先のところに座った

宴たけなわそろそろお酒が廻ってきたのか 顔を真っ赤にし
男性も女性も上着を脱いでいた
市川が会場の顔色を見てタイミングよく
「それでは 恒例の『お尻合いゲーム』を行います
奥のテーブルは片付けますので お土産の方は仲居さんに申し出て下さい
あのぉー くれぐれも ご自分の分だけでお願いしまーす」
「尚 準備の為 少しお時間を頂きます
商品はこちらにございますので お好きなのを選んで下さい」
市川の案内が終ると 仲井達が一斉にテーブルを片付け始め
中には お土産にするからと申し出ている様子もうかがえた
この後は〆を行うだけなので
化粧室を利用する人が部屋から出て行った
ルールは簡単でくじ引きで決まった二人が背中合わせになりお尻を突き出し
相手の足を動かせば勝だが 女性にはハンデが有り2歩動いてもOKと
とんでもないハンデがあった しかし女性同士の場合はハンデなし
4月の親睦会ではスーパーデコの細川社長が優勝している
勝ち抜き戦だが 女性のハンデは有効だった
「それでは テーブルも片付きましたので 対戦相手の抽選会を行います」
神山はこの時ばかりは 催事課の一員として動いた
「洋子 一緒に手伝ってあげようよ」
「はーい 分かりました」
杉田や奈々子も大きな模造紙に対戦相手を書き入れていった
女性同士が当らぬよう抽選箱をわけ 
洋子は女性用 神山は男性用の抽選箱を持って
皆の所を廻り 細川女史のところに来た
「どうしようかしら私 参加 やめようかしら」
「えっ どうしてですか」