2013年10月12日土曜日

Vol.1190 百日紅 -7-68



「えっ ほんと」
「彼女が入社早々の時 一緒にプレーをした覚えあるわ 聞いておきますね」
「うん 聞いてくれるかな お願いします じゃそろそろ時間なので
協会に行ってきます」
「今日は どちらですか?」
「繊維協会だよ それでお昼は多分うなぎだと思う ははは12時頃に
電話をするから 一緒に食べようよ」
「はーい 待っています」

神山が繊維協会に行くと泰子はニコニコと笑顔で迎えた
「やあ おはよう なにかいい事があったのかな 笑顔が素敵だよ」
「はい これが本日の顧問希望会社と面談企業の資料です」
神山がリストに目を通すと
「えっ ルコーワとバードが ほんと 凄いな」
「ええ 昨日連絡がありまして 急遽リストに入れました」
「へぇー そうすると例のグラスが効いているんだね」
「ええ 繊維業界を活性化させるいい機会だと話されていました そこで
どうせなら神山理事に顧問になって頂きたいというお話です」
「うん 分かった そうそう今月19日の水曜日 コンペをするよ
今度は大人数で大変だけどね」
「はーい では早速休暇証にお認めをお願いしますね ふふふ」
泰子は有給休暇証を提出して認めを貰った
「では香織さんと真由美さんにも 休暇証を持って来るよう伝えます」
「うん お願いします」
今回は泰子の働きがけがあったのか 大手婦人肌着の顧問希望会社もあり
神山はどうしたものか考えたが 割り切って引き受けようと思った
「ねえ この株式会社銀座物語って 聞いたことが無いよ」
「ふふふ 理事が毎日穿いているTバックショーツの会社ですよ」
「へぇー でも会社は銀座じゃないね」
「ええ 先代が横浜で立ち上げて 銀座の女性たちに着て貰いたい願いを
籠めてネーミングされたそうです」
「そうなのか へぇー じゃ今日は話が弾むかもね ははは」
「そうそう 今日来られるのは社長のお嬢様で販売担当専務さんですよ」
「えっ 女性が来るの 参ったなぁー 話が出来ないなぁー」
「ふふふ だってルコーワさんやバードさん 顧問希望されている会社は
全員女性が来られますよ」
「えっ わぁー 参ったぁー それで顧問の給与関係は話してあるの?」
「ええ 何処の会社もOKって返事が来ています だから大丈夫ですよ」
「よかったよ ははは でもなぁー」
神山は泰子にクスクス笑われたが 資料に目を通した

12時になると食品協会の眞鍋香織と建築協会の安堂真由美がやってきた
「わぁー ありがとう ご苦労様」
「ほんと この書留っていつまで続くのかしら ふふふ」
「凄いわよね 今まで無かったもん ねぇー泰子さん」
「ほんとよ じゃ 先に車に積み込みましょうか」
神山が各協会の書留を1台の台車に纏めて乗せても まだ残ってしまい 
余った分はもう一度 台車で運ぶ事にした
タクシーで鈴やのうなぎ屋に入ると洋子が先に来ていて
「お疲れ様です 注文はしてあります」
「うん ありがとう」
みんなが席に着くと 生ビールやおつまみが運ばれた
乾杯をすると洋子が
「ねえ ゴルフですが アルタの内藤社長から電話があって 横浜支店の
田代支店長も参加されます それから東都食品の田宮副社長ご夫人の
里香さんも参加 奈々子ちゃんも参加 筒井さんも参加です」
「そうすると28名 7組かぁー 凄いなこれは」
「ホテルのお部屋は大丈夫かしら」
「うん 亜矢子が一応10部屋キープしてくれている」
「ねえ 今回は夕食代だけでも 例えば半額自費負担ってどうかしら
ほら 賞金や賞品はあなたが負担するでしょ どうかな」
「そうよ 理事 たとえ5千円でも自己負担すれば 参加者の気が楽になる
部分と同じ土俵って思えるようになると思うわ」
「うーん、、、」
「だって お金があることは私たち仲間は知っているわよ でも
仲間じゃない人まで そこまでご馳走することないと思うの
まるまるあなたが負担することはしなくてもいいと思うわ」
「うーん そうか まあ 分かりました」
「もう あなたは優しすぎるのよ ねぇー泰子さん」
「ええ でもそこが神山理事のいいところだと思っています ふふふ
だって 資金がなければこのような計画自体出来ないし 実行しません
そこだと思いますよ お金を上手に使われていると思います」
「うーん そうかしら 私は勿体無いような気がして ふふふ」
「ええ その考え方に反対はしませんよ しかし今の理事はそのくらいの