2013年10月18日金曜日

Vol.1196 百日紅 -7-68



「そうだ 由紀枝 僕の車で行こうよ 帰りはホテルまで送るよ どう?」
「ええ いいわよ」
「じゃ もう1本呑んでもいいよ 僕は後で30分寝るけれどね」
「はーい」
由紀枝は缶ビールを2本用意して神山と呑んだ

「あーあ ありがとう 寝るとすっきりだ じゃ支度をしよう」
「はーい 私はもう大丈夫よ」
神山は身支度を済ませると 忘れ物を確認して部屋を出た
由紀枝が呼んだタクシーがマンションの玄関で待っていた
直ぐ近くのホテルにつくと 由紀枝のゴルフバッグを自分の車に積み
「じゃ 由紀枝 大丈夫かな」
「OKでーす あっ 亜矢子さんよ」
「どこ?」
「ほら 玄関からこちらに歩いてくるわ ちょっと待ってね」
由紀枝はそう言うと車を降りて 亜矢子に挨拶をしていた
亜矢子と二人で神山の車に近づいてきたので 降りて亜矢子に
「やぁー おはよう」
「昨夜はありがと ふふふ楽しかったわ これからなの」
「うん」
「難しいコースですってね 頑張ってね」
「うん ありがとう」
「ねえ亜矢子さん 今日は神山さんの車でいくのよ 私の車置いておくわ」
「はーい 分かったわ フロントに話しておくわね 大丈夫よ」
「お願いしま~す ふふふ ガソリン代が浮いたわ」
「まぁー そうね 燃費が良くないから 仕方ないわね ふふふ」
「じゃ 亜矢子 行ってきます 勝又さんのところで連絡がはいったら
教えてくださいね 出来れば泊まりで来るようにするから」
「ふふふ もう 無理言って 大丈夫よ 分かりました」
「じゃ」
「はーい 行ってらっしゃい 楽しんできてね」
亜矢子が見送る中 車を発進させた

日曜日とあって伊豆山カンツリークラブまでスムーズに来れた
9時前に着くと 二人は着替えを済ませレストランで朝食を摂った
「さすがに日曜日ね お客さんが多いわね」
「うん 団体さんも多い感じだね そうすると今日は渋滞かな ははは」
「でもさ 先日泰子さんが話していたじゃん 易しいピン位置だって
だから下手な初心者だと困るけれど 大丈夫でしょ」
「だといいね しかしここの朝食ってボリュームがあるね」
「ほんと モーニングサービスをイメージしていたから 驚きね ふふふ」
「このパンも美味しいし 玉子料理も美味しいね」
神山たちが選んだ朝食は 純和食のおコメご飯ではなく パン食を選んだ
サンプルケースに飾られたパンを食べたくなり 神山が決めた
「これってさ 多分ホテルのバイキングと同じメニューじゃないかな
だから美味しいと思うわ」
「そうか 近いし 向こうで調理をしてこちらでは温めるだけか」
「うん ほら赤沢の時 女子寮がそうだったもの 美味しかったわよ」
「そうだね 懐かしいな ははは」
「もう 私が懐かしいんでしょ ふふふ」
ボリュームたっぷりの朝食を済ませると キャディーマスター室で
スタートの確認をした
まだ時間があり パターを練習した
今日のスタートも先日同様西コースからで 次に北コースだった
スタート10分前に呼び出され 西コース1番に向った

この日の二人はグリーンが易しかったせいもあり 神山は33で廻り
由紀枝も41で廻った
「由紀枝 凄いね 調子が良いね」
「うーん グリーンが少し易しいのかな だって前回のときのパットが
22でしょ 今回は19だもの」
8月5日の由紀枝は46でパットが22だった スコアが良くなったのは
パットにすくわれた事になる 一方神山も前回は35でパットが18に
対し 今回はパットが16になり由紀枝と同じ理由だった
レストランでスコアをチェックしていると由紀枝が
「やっぱり全体的に難しいのかな」
「うーん 僕も精一杯だよ ショットだってこれ以上望めないし」
「そうね グリーンがもう少し易しいといいけれど でもここって
広いから 落としどころで随分と違うわよね 今日のように グリーンの
真ん中ばかりにカップがあれば良いけれど ふふふ」
「ほんとだよな 前回も乗せました 残り40yです これじゃ
ほんと ショットの正確性が問われて難しいよね」
「ほんと まあ 午後から頑張りましょうね」