2013年10月8日火曜日

Vol.1186 百日紅 -7-68



「だって これ以上勝っちゃうとお嫁に行けないでしょ この間も勝ったし」
「ははは 大丈夫ですよ 尻に敷かれる良い旦那さんが見つかりますよ」
そんなやり取りを聞いていた廻りは 笑い出してしまった

全ての抽選が終ると
「今回も 不参加者なしです 皆さん凄い元を取るため必死です」
これでまた会場は沸いた
「では 第一組目から行きます」
市川が対戦両名を呼び出し 二人を立たせ試合開始
順調に試合が進むと神山と洋子の対戦になった
「おーい 大輔 なんでまた もう 仕組んだな こら」
「ははは 楽しいでしょ はい では行きますよ」
市川の合図でお尻を合わせると 神山が準備する前に洋子がしたから
突き上げてきて 簡単に負けてしまった
「はーい 田所さんの勝ちー 山ちゃん残念でした」
負けた神山は罰ゲームが無くてよかったと安心した
一回戦最後の組み合わせは 杉田とナタリーになった
この時は女性を応援するものが多く 特にJrは自分のように応援した
「ナタリー 頑張れ 僕がついている」
この言葉に旦那で副社長のジャックが
「Jr その応援は僕ですよ」
「そうか ゴメンゴメン ははは」
市川の合図で開始されると ナタリーは上手にハンデを利用したが
杉田の粘り腰に負けてしまった
「あーあ 杉田さん 勝っちゃったよ もう 負けてあげなよ」
取引先からブーイングがでた
杉田としては婚約者の前で決勝まで負ける訳には行かないと決心していた

準決勝に進んだのは スーパーデコ社長細川と杉田 奈々子と洋子の
4名が駒を進めてきた
準決勝 奈々子と杉田の試合では 奈々子への声援が多く奈々子も
「頑張るわねぇー」
とみんなに答えていた 一方 杉田には美佳と涼子の応援があり
「うん 負けないよう 頑張ります ははは」
奈々子の声援が多い中 試合が開始されるとハンデを利用しない奈々子が
簡単に負けてしまった
「あーあ 杉田さん また勝っちゃった 駄目だよ もう 負けなきゃ」
Gプロの高橋や内野誠二らが杉田を非難した
この時 涼子と美佳が内野誠二の傍にいて
「いいじゃない もう 可哀相よ ねぇー美佳」
「ふふふ 誠二さんって優しいのね 涼子にも優しいのかしら」
「分かりました はい ごめんなさい ははは」
次の試合 細川と洋子の試合は熱戦だったが 細川が勝ちあがった

決勝では細川を応援するものが多かったが 主役の杉田を応援する
取引先も多かった
杉田は前回のように縫ぐるみを着ていないので体が自由に動くと思った
市川の合図で直ぐに動いたのが細川で そのお尻攻撃一発で動いてしまった
時間にすると僅か2秒とか5秒で 負けた杉田もあっけにとられていた
会場からはやんやの喝采で細川は 小さくなっていた
「あのぉー 審判 僕はまだ戦う体勢になっていなかったんです
もう一回お願いできませんか ねぇー課長」
市川と奥村が話し合い
「細川さん ここは決勝ということで先に2連勝したら勝ちって如何ですか」
「ええ いいわよ ふふふ でもそんな事になると ますます
お嫁にいけなくなるわ 奥村課長責任取ってね」
奥村は後ろに引き下がると市川に試合再開を促した
2回目は杉田が充分な体勢で細川を動かした
3回目は細川の勝ち 4回目は杉田の勝ち このように順番に勝っていて
なかなか勝負がつかないだろうと思われた時
6回目で細川が連勝して優勝した
負けた杉田は非常に悔しそうだった
「優勝 細川社長でーす おめでとうございまーす」
試合が終わると賞品配りで神山と洋子 奈々子と山崎絵里華など
みんなで取引先に渡した
「えー 3等賞でーす 田所理事と奈々子ちゃん どうぞこちらへ」
神山から商品を手渡されると洋子が
「奈々子ちゃん 楽しいでしょ ふふふ」
「ほんと 専務から頂くなんて 幸せです ふふふ」
「えー準優勝 杉田理事 残念でした こちらへどうぞ」
神山が杉田に賞品を渡すと丁寧にお辞儀をして受け取り 体を反転させ
「お取引先の皆様 ありがとうございます 今後も催事課をお願いします」
この挨拶で杉田はまた株をあげた
「ははは やりますね 杉田君は」