2013年10月3日木曜日

Vol.1181 百日紅 -7-68



「ははは 少なくて文句言われるより良いでしょ 会場に行ったら担当に
全額渡してください お釣りが発生したら帰りに受け取ればいいよ」
「はーい 分かりました 市川君喜んでいましたよ」
「あっ そうだ 5千円から1万円にしたんだよ 話しておこう」
神山は市川に電話をした
「ごめんごめん市ちゃん実はさ5千円から1万円にしたよ それと6時半に
いせ丸からお寿司が届く事になっている」
「えっ 5千円から1万円ですか へぇー それにお寿司ですか」
「うん だから80万円で料理は大丈夫でしょ それとお寿司はこちらで
もつからね」
「わぁー ありがとう さすが専務だね 凄いや」
「ははは 翔だって理事だよ その位してあげないとね」
「そうだね 山ちゃんの部下だものね」
「まあね じゃ お願いします」

アレックスジャパン社長秘書 篠原涼子はアルタの内野誠二と電話を
していた
「ええ そうなのよ 今夜 急にパーティーですって ごめんなさい」
「そうか 僕の方も急に昇進祝いで帰りが遅くなるよ ごめんね」
「ふふふ ほんと邪魔が入るわね もう」
「まあまあ 怒らないで お買い物は次の機会にしようよ」
「そうね でも 残念だわ」
「仕方がないよ お互い社命だもの 涼子はそれに秘書だしね」
「ええ そうね そうしたら明日にでも時間は作れる?」
「うん 明日は大丈夫だと思うよ でもね部長が仕事作るの上手だからね
ほんと山ちゃんに似たのか すぐ仕事を作ってくれるんだ ありがたいよ」
「そうね お仕事があるって良い事ですもの」
「じゃ今夜さ 終わったら連絡をくれる?」
「ええ 良いわよ」
「じゃ 頑張ってね」
「ええ あなたも呑み過ぎないようにね ふふふ」
「涼子こそ呑み過ぎないように もう ははは」
「はーい」

17時半を過ぎたころ神山は洋子と次長室に戻ってきた
「このカランダッシュだったら喜ぶな 絶対に」
「ええ 奈々子ちゃんも喜びますよ」
二人は『銀座 田中や』で昇進お祝いの記念品として 自分達も使っている
カランダッシュのボールペンを買いに出かけていた
思い出せば自身が使っているカランダッシュも昇進披露の日に購入した物で
時間が経つのが早いと思った
「ねえ 洋子 まだ3ヶ月しか経っていないよ ははは」
洋子は神山が何を言おうとしているのか分かり 頷いていた
「ねえ そろそろ行きましょうか」
「でも 早すぎても迷惑だろ 大丈夫かな」
「ふふふ そうしたら奈々子ちゃんと一緒に案内する?」
「あっ それいいね うんじゃ行こう」
洋子は呆れた顔で部屋を出た
神山たちが入っているビルの向かい側に 日本料理 四季があり
エントランスでは屋敷と奈々子が案内をしていた
「あら 専務 まだ早いですよ それに先輩も」
「うん 奈々子ちゃんのお手伝いだよ」
「まあ 専務がそんなぁー」
「いいって 楽しい方が良いだろ なあ徹」
「はい それはそうですが しかし でもまあいいか ははは」
「じゃ 洋子 そのお金を先に渡してきてくれるかな お願い」
洋子は頷いて地下に降りていった
神山がエントランスに立っているとよく分かるのか 馴染が神山に
丁寧な挨拶をして地下に下りて行った

時田がホテルに来ると
「やあ山ちゃん どうした」
「ははは 案内係ですよ 多い方が楽しいでしょ」
「そうか それもそうだな じゃ先に部屋に行っているよ」
時田が手をあげて地下に下りるとアルタの内藤が訪れた
「あれっ山ちゃん どうしたの?」
「ええ 案内係ですよ ははは」
「奈々子ちゃんも 案内係なの」
「ええ 専務から指示させました」
「うん 山ちゃん いいことだね こうやってさ盛り上げるって」
「ええ 楽しい方が良いでしょ どうぞ部屋に入ってください」
「うんありがとう 先に行っています」
内藤が階段をおりると神山が奈々子に
「ねえ 大森さんはもう来ているの?」