「ほぉー 素晴らしい へぇー これが世界中で販売されるわけですね」
「ええ 限定で販売されます 今回は試作品ですが これもちゃんと
底にシリアルが振ってあります」
「神山さん 貴重なお品を頂きまして ありがとうございます」
「いえいえ もっと早くにお渡ししなければいけなかったのですが」
「では 大切に使わせて頂きます ありがとうございます」
「やぁー 亜矢子 ごめんね」
「ふふふ 椿さん 喜んでいたでしょ」
「うん アルタの内藤さんから販売しないかって 連絡があったんだって
だから驚きはしなかったけれど グラスを手にしたら喜んでいたよ
由紀枝 ごめんね 気が付かなかった」
「ううん 大丈夫よ でも素敵なグラスね」
「ねえ 亜矢子 そのグラスにさ 赤ワインを入れたらどうかな?」
亜矢子はウエイトレスにグラスを洗ってもらい 赤ワインを注いだ
「わぁー 素敵 何ともいえないわね」
「ほんと 素敵ですね へぇー」
「でね シャンパンだと この絵柄のバックに泡ができて素敵なんだ」
「へぇー そうしたら今度はシャンパンも用意しておかなくてはね」
「ははは そうだね お願いします 今はね 冬季オリンピックを
デザインしているんだよ シャンパンに合う様にね」
「へぇー 神山さんっていろんな事を考えて実行するのね 凄いわ」
「おいおい 由紀枝 今に始まった事じゃないでしょ もう」
「でも 感心するわよ ねぇー亜矢子さん」
「ほんと 良くいろいろと考え付くわね ふふふ」
オードブルも残り少なくなると コック長がサイコロステーキを焼き始め
野菜や魚介類と一緒に盛り合わせ持って来てくれた
「わぁー まだあるの 大丈夫かしら」
由紀枝がウエイトレスに尋ねると ニコニコして頷いていた
ミニステーキコースを食べ終わり バースディーケーキをカットしたものが
運ばれてくると亜矢子や由紀枝は
「わぁー 美味しそう ふふふ」
神山は生クリームの上に赤ワインをたらし食べた
ステーキハウスで神山が赤ワイン代を精算し店を出ると亜矢子に
「まだ時間が早いから ラウンジで飲み直そうよ」
「うん お気持ちだけ頂くわ 明日6時なの だからこれで失礼するわね」
「えっ 6時っ それまた随分と早いね」
「ええ シフトの関係で どうしても朝がいないのよ ふふふ」
「うん わかった ごめんね」
「ううん 楽しかった ほんとよ」
神山と由紀枝は亜矢子をエントランスルームまで見送り
タクシーに乗車するまで話していた
「じゃ 気を付けてね」
「はーい 今日はありがと 嬉しいわ」
タクシーが出ると 由紀枝と神山は見えなくなるまで手を振った
「じゃ 我々も帰りますか」
「ええ そうしましょうか おうちでゆっくりしてくださいね ふふふ」
二人は自分の車をホテルに置いてタクシーで由紀枝のマンションに行った
「久しぶりでしょ 私の部屋にくるのって」
「うーん 確か鎌倉に行く前日に宿泊したのが最後かな って事は2ヶ月か」
「そうよ もう いつもあなたを待っているんだからね さあシャワーを
浴びてきて」
神山は一人でシャワーを浴びにいき髪の毛も丁寧に洗った
スッキリさせ浴室を出ると 薄手のバスローブが用意されていた
「はい お疲れ様 ウイスキーでも呑んでいてね そうそうデジカメの
写真でも見ていてね 最近の由紀枝ちゃんが一杯よ ふふふ」
そう言うとデジカメを大きなモニターに接続して画像を映し出した
由紀枝が浴室に消えると 神山は丁寧に1枚1枚眺めていた
ホテルで勤務している由紀枝の姿や 休憩時間の時 仲間と話している
姿など 結構日常生活の由紀枝を見る事が出来た
ホテル近くの風景写真 ひまわりや百日紅など花の写真も撮影されていた
目を引いたのは ゴルフ練習場で撮影されたものだろうか 由紀枝が
スイングしているところの写真も何枚かあった
いつ撮影したのか 先日の伊豆山カンツリークラブで神山がパター練習場で
洋子と話している写真があったり よく撮影していると感心した
由紀枝が浴室から出てくると 由紀枝の解説付きで写真を見て楽しんだ
ベッドに入ると
「ずーっと待っていたんだからね 今夜は寝かさないわよ」
「おいおい 明日はゴルフだよ 寝不足になるよ」
由紀枝は神山の上に躰を預けると 長く激しいキスをした
「あーあ 久しぶりよ もっときつく抱いて ふふふ」
神山は言われたとおり きつく抱きしめると 頭を反らし