「ええ もう先ほどこられてご案内しました」
「Jrは」
「ええ アレックスさんももう来られていますよ」
「Gプロはどうしたかな」
「ええ まだです なんでもまだ部長と会議だそうです」
「おいおい 肝心な翔がまだなのか」
神山はいそいでGプロの部屋に行くと丁度出るところだった
「翔 気をつけなさい 自分のために集まってくれるんだ 玄関で挨拶を
しなければ失礼だぞ」
「はい 申し訳ございません 気をつけます」
「うん 仕事も大切だが このイベントも大切だ」
神山は普段に無くきつく杉田に注意をした
「部屋に入ったら みんなに丁寧にお辞儀をして挨拶しなさい いいね」
「はい 分かりました 気をつけます」
それを聞いていた高橋孝一が
「山ちゃん ごめんなさい 僕が引き止めていたんだ ほんと杉田常務は
悪くないんだよ ごめんね」
「考ちゃんそれはそれさ このタイミングで自分をコントロール出来なくて
理事など務まらないよ 皆さんは翔の事で忙しい中来て下さっているんだ」
高橋孝一も内野誠二もうなだれてしまった
「考ちゃん 社長ももうお見えになっているよ さあ翔いこうよ」
「はい 本当に申し訳ございませんでした」
杉田はそれだけ言うと 階段を使い下りていった
「考ちゃん どうしたの こんなギリギリまで」
「うん ほんとごめんなさい グラスのデザインで揉めていたんだ
それで時間を忘れてしまって」
「まあ 仕方がないとしてもなぁー 困ったものだ」
神山は時計を見ると18時を指していたので急いで会場にむかった
部屋に入ると杉田が額が畳みに着くくらい丁寧なお辞儀をして皆の所で
挨拶していた 見ていた神山は一安心した
奥村課長が神山を呼び
「山ちゃんじゃない 専務の席はこちらです どうぞ」
「ははは 駄目ですよ 今日の主役は翔だから僕は向こうに座ります」
奥村が困っていると時田が
「こら 山ちゃん わしの傍にこい」
「ははは 主役は翔ですよ 社長 なので向こうで親睦を温めますよ」
「ははは 分かったよ」
神山はクリスタル大和の大森社長を見つけると隣に座った
「神山さん こんばんわ しかし凄いですね」
「まあ 理事ですから このくらい派手でも怒られないでしょ」
「今回は呼んで頂きまして ありがたいです」
「ええ いい機会ですから顔を売っていただいても構いませんよ」
「ははは まあ程ほどに そうそう後ろにJrさんがいますよ」
神山は振り返るとアレックスジャパンのJrが一人でいた
「やあ いらっしゃい」
「ああ 神山さんこんばんわ なにか楽しそうですね」
「うん 女の子も多いし 楽しんで行ってね みんなはどうしたの?」
「うん バラバラに座れって指示されたから バラバラです」
「ははは その方が楽しいでしょ」
「うん 煩い秘書がいないから 楽しいよ ははは」
篠原涼子は内野誠二が宴会場に入ってきたのを見つけると 携帯電話で
話をした
「私よ もう 同じパーティーだったのね ふふふ」
「えっ 何処にいるの」
篠原涼子が手を振ると 誠二は直ぐにそこに行ったが席が空いていなくて
一川ずれて座る事になった
内野が携帯で
「しかし凄い人数だな 驚きだよ 杉田常務って凄いね」
「あなたも頑張ってね 杉田常務の上は神山さんでしょ あの人に
ついていれば間違いは無いと思うわ」
「そうだね 今もさ 神山さんに怒られたんだよ」
「えっ どうして」
「うん 会議をしていたらさ 時間を忘れたんだよ そうしたら神山さん
杉田常務に出迎えて挨拶しないと失礼だろって 今日は凄かった」
「へぇー でもその通りね うん神山さんって そこはしっかりしているわ」
「だよな だから高橋さんも僕も神山さんに謝ったよ ほんと怖かった」
「へぇー そういったけじめを大切にするんだ」
「うん だからだろ ほんとはさ上座だよ でもどこかに紛れているよ」
「そうね ふふふ いいじゃない」
「呑み過ぎないようにね」
「なに言っているの 自分の前に外人さんがいるじゃない だらしないわよ」
「ははは ニーナ・ニーナのデザイナーさんだよ 大丈夫だよ」