2013年10月27日日曜日

Vol.1205 百日紅 -7-68



話しては駄目だよ 例え真由美にでも いいね 話したらお終い
それから 普段どおりに使っていないと自滅するからね いいね」
「はーい 分かりました それでこれから一緒に換金に行って貰えますか
私一人だとおっかなくて ふふふ 今も膝ががくがくしています」
「そうだよな 分かった 東京駅傍にあるからこれから行こうか」
「わぁー ありがとうございます」
「じゃ 10分でビルの1Fに行きます」

「洋子 香織が宝くじ当って 膝ががくがくして換金できないんだって」
「わぁー 凄いわね そうね いってらっしゃい ふふふ」
「うん 東京駅丸の内だから直ぐに戻るよ お願いします」
神山は車で食品協会が入っているビルで香織を拾うと銀行に向った
「ねっ 触って ほら 収まらないの」
香織の膝を触ると確かにガクガクと震えていた
「でも もう大丈夫だよ でも気絶しないでね」
「うーん ほんと初めての経験だもの 驚くわ」
「そうだね 僕も当った時は声が出なかったよ」
話していると銀行に着き 神山が付き添い換金を行った
「大切に使うわ もっとも使い道が無いから 両親に少し分けるわ」
「そうだね ほんと少しずつね 親でも変わるからね 気を付けてね」
「はーい ありがとう ふふふ」
「納車が早まると 真由美も凄く喜んでいるね」
「ええ 本当は2人で電話をしようとしたの でもね神山さんが
大変だから私が代表で電話をしたんです ふふふ ほら換金もあるし」
「そうか ありがとう ほんと大変なんだよ コンペの人数 36名だよ
参ったよ ほんと」
「えっ 36名ですか 凄いですね」
「そうそう 香織も真由美も呼びかけていないよね」
「ふふふ ええ大丈夫よ 全然話をしていませんから ご安心ください」
「分かった しかし前夜祭も大変な事になったし あーあ 参ったぁー」
「ふふふ 神山さんらしくないですね」
「そうか でもねぇー 参ったよ ははは」
話をしていると食品協会のビルに着き香織を降ろし 次長室へ向った

次長室に戻ると銀座物語の吉永美由紀が帰りを待っていた
「やあ ご苦労様でした どうですか売場は」
「ええ 杉田さんのお陰で一等地を頂きました ふふふ」
「そうですか それは良かった」
「それで顧問 今日のお昼ですが 父が あっ社長ですがお隣に来るんです
それで宜しかったら 如何でしょうか?」
「ははは 次の機会にしましょうよ」
「そうですか でも折角顧問になって頂き 父もお会いしたいって
話してました ごめんなさい こちらを利用すればよかったですね」
「あっ 違いますよ お隣も伺っていますよ ただ今日は協会の秘書にも
誘われているんですよ ご迷惑でなかったら 一緒でもOKですか」
吉永美由紀は明るい顔になりニコニコして
「では 12時にレストラン街の鰻屋前でお待ちしています 喜びます
ほんと 我侭を申し上げまして ありがとうございます」
吉永美由紀は丁寧にお辞儀をすると部屋を後にした
「って事で洋子 今日のお昼は三山さんで鰻だよ ははは」
「はーい 分かりました 又 山脇さんと会ったりして ふふふ」
「そうだね その後連絡が無いね 忙しいのかな そうだ電話だ」
神山は食品協会の眞鍋香織に昼食場所の変更を伝えた
「大丈夫ですか 私たちがご一緒しても」
「大丈夫さ 泰子だって来るんだし お願いしますね」
「はーい それでは12時に三山さんでお待ちしています」
電話を切ると洋子に
「そうだ 洋子 納車は明日じゃないの」
「そうそう ごめんなさい ついさっき連絡がありました」
「うん 香織が早いって驚き 僕に話していたんだよ」
「ふふふ 明日ですが 少し遅く着て良いですか」
「って もう決めたんでしょ こらっ いいよ 午後からで」
「多分 母も運転すると思うわ ほんと私より気違いよ 参るわ」
「へぇー そうなの」
「だってCM見ていても この形は上品じゃないとか うんちくがあるわ」
「へぇー そうなんだ」
「そうよ カタログを見ては 性能が良くないとかね 聞くほうもねぇー」
「ははは それは大変だ こう年がら年中 新車が出ていては ははは」
「でしょ まあ親孝行ってことで割り切っています ふふふ」
「うん そうだね じゃ明日はひと段落してからでいいよ」
「はーい ありがと」
洋子は神山の頬にキスをした

次長席に座るとNNの由貴から電話が入った