権田社長秘書の前田のこの一言で みな大笑いした
「社長 そろそろ時間ですが お願いします」
「おお もうそんな時間か じゃ杉田君 あがらない様に」
杉田は既に気分が高騰していて お辞儀もまともに出来なかった
「翔 どうした またロボットか おいおい」
それを聞いていた奈々子が杉田のお尻を叩きながら
「男でしょ 何しているの もう 嫌いよ」
杉田はその言葉に反応して
「何言っているんだ もう 動かないんだよ もう」
しかし 奈々子に言われ体が動いている事に気が付かなかった
「ふーん 大丈夫じゃん ほらしっかりして 美佳さんが可哀相よ
そんな姿を見せたくないでしょ しっかりしてよ」
杉田は美佳の事を言われ 発奮すると普段の動きに戻った
アレックスは秘書室に入る事が出来ないので 外で待つことにした
中村本社秘書室長が
「これから 特別人事命課を行います 杉田部長どうぞ」
杉田は呼ばれて 権田の前に行った
「杉田 翔 殿 右のもの 本日を持って東京本社理事部長を任命する
平成10年8月1日 株式会社鈴や 社長 権田三朗」
杉田は深々とお辞儀をして命課を手にした
中村部長が安井奈々子を呼ぶと
「安井 奈々子 殿 右のもの 本日を持って東京本社理事部長 杉田翔 の
専属秘書部長を任命する
平成10年8月1日 株式会社鈴や 社長 権田三朗」
奈々子は落ち着き払い 命課を手にした
中村部長が神山を呼ぶと 神山は参列者のところから権田の前にいくと
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って鈴や次長専務を任命する
平成10年8月1日 株式会社鈴や 社長 権田三朗」
神山は命課を手にし下がった
参列者みなから拍手が起こり 神山は少し照れていた
そんな神山に時田が近づき
「山ちゃん ワシと一緒だ 専務だよ これで正真正銘のトップ3だよ」
「はい ありがとうございます」
時田と話していると権田が
「山ちゃん お願いしますね 私財投資の件も考慮しています」
神山はこのとき 今回は権田が動いたと感じ ありがたく思った
「はい 大森さんをより大きな会社に育て 我が社に利益を産むようします」
「うん 大森さんは大変喜んでいらっしゃった 頼みます」
神山はこの温情を更にパワーアップしようとお辞儀をし挨拶した
参列者の理事がいなくなると アレックスたち4人が呼ばれ時田は秋山に
「椅子の用意と シャンパンだ 頼んだよ 急いでな」
洋子と奈々子が秋山と一緒に席を作ったり グラスを洗ったりした
「じゃ 改めて 杉田君 おめでとう」
「はい ありがとうございます」
みんなで乾杯をしてシャンパンを呑むと 杉田が奈々子に
「ねえ 専務って常務より偉いの?」
「もう 当たり前でしょ あなたより全然雲の上の存在よ もう」
「おいおい なんだよ もう 部長がそんな事言っていいのかな もう」
「あら だったらもっと勉強してよ 私 恥ずかしいわ もう」
やり取りを聞いていた隣の篠原涼子が奈々子に
「まあ 可哀相よ 秘書でしょ だったらもっと尊敬して教える事ね」
「だって 分からないのにもう」
反対側に座っていたナタリーが
「奈々子さん あなたは杉田さんの秘書でしょ 秘書って支える事なの
それと外敵から主人を守る事なのよ 二人がけんかをしていると
牙城はすぐに潰れるわよ それは本当よ 仲良くしてね」
その話を聞いた篠原涼子が
「Jrだって 我侭よ でもね私思ったの 彼が日本で仕事をしやすい環境
これって私のお仕事だって あなたも同じだと思うわ ふふふ」
二人に言われた奈々子は暫く考え杉田に
「ごめんなさい これから気をつけます ほんとごめんなさい」
杉田も
「うん 僕も勉強するよ ただ仕事が忙しいから 少し後になる」
奈々子は仕事と聞いて グラスの事を思い出し涙ぐんでしまった
一方 神山と洋子 時田は
「山ちゃん 権田さん 例のコースに行くそうだよ かなり気に入った様子」
「へぇー 楽しみですね それでいつごろですか」
「うん 秋になったら行こうって 誘われている その時はいこうよ」
「ええ そうですね お願いします」
みなで暫くの時間を過ごすと神山が
「では そろそろ次もありますので失礼します